第65回 ( 2019年 ) 解説 AM81~AM100

臨床検査技師国家試験第65回 ( 2019年 )
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81. MHC分子

  • クラスⅡ分子はヘルパーT細胞と結合する
  • クラスⅡ分子は外から入ってきた蛋白抗原を提示する
  • クラスⅡ分子にはHLA-DR , DQ , DPがある
  • クラスⅡ分子はマクロファージや樹状細胞などの抗原提示細胞に発現している
  • クラスⅠ分子にはβ2-ミクログロブリンが結合している

82. 化学発光酵素免疫測定法 < CLEIA > に用いられるのはルミノールである

  • 金コロイドは電子顕微鏡検査やウイルス抗原の検出に用いられる
  • ルテニウムは電気化学発光免疫測定法に応用される
  • ルシフェリンは生物発光免疫測定法に用いられる
  • フルオレセインイソチオシアネート ( FITC ) は免疫抗体法 ( 蛍光抗体法 ) に用いられる

83. 不規則抗体のうち臨床的意義がある抗体は37 ℃で活性を示す抗体のことで , 抗P1抗体などは室温以下で反応する自然抗体であるため臨床的意義は低い

臨床的意義のある同種抗体

84. カラム法による血液型検査の結果

第65回午前問84画像
  • 判定:オモテ検査O型 , ウラ検査B型 , Rh ( D ) 陽性
  • オモテ検査の結果から抗A , 抗B抗体との反応は凝集がないためO型であることが , ウラ検査の結果からはA血球との反応が4+でB血球との反応はないためB型であることが分かり , 抗D抗体との反応は4+でかつcontrolは陰性であるためRh ( D ) 陽性であると判定できる

85. 問84のような判定結果となった原因として亜型過去の骨髄移植などが考えられる

  • 連銭形成は高γグロブリン血症などで起こり , 免疫不全患者ではウラ検査の反応が減弱または陰性化し , 不規則抗体の存在ではウラ検査で偽陽性反応を示すが4+の強陽性を示すことはまれである

86. 検査法-赤血球浮遊液の濃度

  • ABO血液型検査 ( 試験管法 ) - 3~5%
  • ABO血液型検査 ( スライド法 ) - 10~30% ( 最も濃度が高い )
  • 不規則抗体検査 ( 試験管法 ) - 3~5%
  • 不規則抗体検査 ( カラム法 ) - 0.8~1%
  • 交差適合試験 ( 生理食塩液法 ) - 3~5%

87. 検査法-反応温度

  • ABO血液型検査 ( スライド法 ) -室温
  • Rh血液型検査 ( カラム法 ) -室温
  • 交差適合試験 ( 生理食塩液法 ) -室温
  • 直接抗グロブリン試験 ( カラム法 ) -室温
  • 間接抗グロブリン試験 ( 試験管法 ) -37 ℃
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88. 貯血式自己血輸血の適応基準は全身状態が良好な患者緊急を要しない待機手術 , 採血時のヘモグロビンは11.0 g / dl以上が望ましい

  • 体重が少ない患者や小児 , 妊婦にも適応できる

89. 免疫学的機序による輸血副作用として輸血後GVHD輸血関連急性肺障害 ( TRALI ) などが挙げられる

  • 鉄過剰症は非免疫学的機序で非溶血性の遅発型副作用である
  • 高カリウム血症はGVHD予防のための放射線照射や機械的な溶血で起こる
  • 輸血関連循環過負荷 ( TACO ) は慢性貧血患者への速度的および量的に負荷が大きい輸血が原因となり急性肺水腫を起こす

90. 虚血性心疾患の予防

  • 職場の分煙-一次予防
  • 特定保健指導-二次予防
  • ストレスチェック-一次予防
  • 食事バランスガイド-一次予防
  • 職場復帰後の適正配置-三次予防

91. 検査の考え方

  • カットオフ値はROC曲線で決める
  • 感度を低くすると特異度は高くなる
  • 検査前確率が低いと偽陽性は多くなる
  • 特異度が高い検査は確定診断に有用である
  • 陽性尤度比が高い検査は確定診断に有用である

92. 予防接種

  • 百日咳-定期の予防接種
  • A型肝炎-任意の予防接種 ( 外国渡航者が受けることが多い )
  • ジフテリア-定期の予防接種
  • Hib感染症-定期の予防接種
  • 急性灰白髄炎-定期の予防接種

93. 保健所の業務には食品衛生 , 精神保健 , 人口動態統計 , 下水道の衛生などがある

  • 母子健康手帳を交付するのは市町村であり母子保健法に含まれる

94. 介護保険制度

  • 保険者は市町村および特別区である
  • 被保険者は40歳以上である
  • 要支援者に対して予防給付がおこなわれる
  • ケアプランは利用者本人が作ることができる
  • 最近5年間で要支援認定者数が増加している
    • 第1号被保険者は65歳以上 , 第2号被保険者は40歳以上65歳未満である
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95. 生体組織の電気的特性

  • 生体は非磁性体である
  • 細胞膜は細胞質よりも抵抗率が高い
  • 測定する方向により物性値が異なる ( 異方性 )
  • 比誘電率は周波数の大きさに依存する
  • 脂肪組織は筋組織よりも導電率が低い
    • 組織内の導電率は高い順に 血液 > 骨格筋 > 脂肪 となる

96. 商用交流100Vの瞬時値で最大電圧 [ V ] は約140Vである

  • 最大値をEm , 実効値をEで表すとEm=√2Eで表すことができ , 上記では Em=√2×100≒141Vとなる

97. 信号の大きさの違いをパルスの幅の違いに変換する変調はPWM ( パルス幅変調 ) である

  • PAMはパルス振幅変調 , PCMはパルス符号変調 , PFMはパルス周波数変調 , PPMはパルス位相変調である

98. 体表から商用交流100Vが加わって生じる電撃 ( マクロショック ) で , 心室細動を発生させる電流閾値は100 mAである

  • 商用交流による人体表面に流入する電流による電撃 ( マクロショック ) の最小感知電流は1 mA , 離脱限界電流は10 mAである
  • 心臓に直接流入する電流による電撃 ( ミクロショック ) の心室細動電流は0.1 mAである

99. 情報システムのセキュリティ対策

  • OSのアップデート
  • USBポートの無効化
  • 接続機器のMACアドレス認証
  • パケットフィルタリングの実施
    • ユーザーパスワードの共有化はセキュリティ対策として不適切である

100. 上皿天秤の測定誤差の原因

  • 天秤が傾いている
  • 分銅が錆びている
  • 空調設備の風が当たる
  • 設置台が振動している
    • 校正した場所と測定した場所が違うことは測定誤差の原因とならない

画像の出典:臨床検査技師国家試験 第65回 午前 別冊

■ 続きの解説は《 こちら

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