第67回 ( 2021年 ) 解説 PM61~PM80

臨床検査技師国家試験第67回 ( 2021年 )
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61. 骨髄穿刺液のWright-Giemsa染色標本

第67回午後問61画像
  • 形質細胞の著増がみられ , 多発性骨髄腫が考えられる
  • 多発性骨髄腫ではBence Jones蛋白 ( 免疫グロブリンの軽鎖 ) が尿中に排泄される

62. 産生にビタミンKを必要とする凝固因子

ビタミンK依存性凝固因子の解説画像
  • 第Ⅱ因子 ( プロトロンビン ) ・第Ⅶ因子・第Ⅸ因子・第Ⅹ因子は産生にビタミンKを必要とする
  • ビタミンK依存性凝固制御因子にはプロテインCとプロテインSがある
  • 第Ⅰ因子 ( フィブリノゲン ) ・第Ⅴ因子・第Ⅷ因子・第Ⅺ因子・第Ⅻ因子は産生にビタミンKを必要としない

63. Cushing症候群では末梢血の好酸球減少がみられる

  • Cushing症候群はコルチゾールの分泌が過剰となる疾患であり , コルチゾールの影響により好酸球が減少する
  • 気管支喘息・アニサキス症・Churg-Strauss症候群・アレルギー性気管支肺アスペルギルス症では好酸球の増加が認められる

64. 未分化大細胞リンパ腫は非Hodgkinリンパ腫に分類される T細胞由来のリンパ腫である

  • 細胞表面マーカー検査でT細胞マーカーが陽性となる
  • CD30陽性が特徴のリンパ腫である
  • 濾胞性リンパ腫・Burkittリンパ腫・マントル細胞リンパ腫・リンパ形質細胞性リンパ腫は非Hodgkinリンパ腫に分類されるB細胞由来のリンパ腫である

65. 網赤血球

  • 成熟赤血球より比重が小さい
  • デオキシリボ核酸は含まない
  • 健常人では総赤血球数の1~2%を占める
  • 正染性赤芽球から脱核直後の赤血球である
    • リボ核酸を含む
    • 骨髄での赤血球産生が亢進している状態 ( 出血時や溶血性貧血など ) で増加する

66. May-Hegglin異常症Bernard-Soulier症候群では巨大血小板がみられる

  • 巨大血小板は自動血球分析装置で赤血球や白血球と誤認識され, これらが偽高値となる場合がある

67. 播種性血管内凝固 < DIC > の所見

  • 血小板数減少
  • D-ダイマー上昇
  • フィブリノゲン減少
  • アンチプラスミン減少
  • プロトロンビン時間延長
    • 急性前骨髄球性白血病 ( APL ) で高率に合併する
播種性血管内凝固症候群 ( DIC ) の検査項目

68. B型肝炎ウイルスヒト免疫不全ウイルス < HIV > は血液媒介感染を起こす

  • RSウイルス・インフルエンザウイルスは飛沫感染が主体である
  • アデノウイルスは飛沫感染や接触感染が主体である

69. 血液培養陽性ボトル内容液のGram染色標本を示す. 35℃ , 5%炭酸ガス培養後のヒツジ血液寒天培地上のコロニーはβ溶血を示し , カタラーゼ試験陰性およびPYR試験陽性であった.

第67回午後問69画像
  • Streptococcus pyogenesが推定される
  • ヒトに病原性を示すStreptococcus属菌の中ではStreptococcus pyogenesのみがPYR試験陽性である
  • カタラーゼ試験はStreptococcus属菌 , Enterococcus属菌は陰性 , Staphylococcus属菌は陽性である
  • Listeria monocytogenesはβ溶血を示すが , グラム陽性桿菌である
  • Peptostreptococcus anaerobiusはグラム陽性球菌であるが , 嫌気性菌であるため5%炭酸ガス培養では発育しない
  • Staphylococcus aureusはグラム陽性球菌であるが , カタラーゼ試験陽性である
  • Streptococcus pneumoniaeはグラム陽性球菌 , カタラーゼ試験陰性であるが , α溶血を示す

70. 髄液からのPropionibacterium acnesの検出は汚染菌の可能性が高い

  • Propionibacterium acnesは皮膚の常在菌であり , 尋常性ざ瘡の原因菌である
  • 髄液や血液などの無菌材料から検出された皮膚の常在菌は汚染菌 ( コンタミネーション ) である可能性が高い
  • 皮膚の常在菌にはPropionibacterium acnes , Staphylococcus epidermidis , Corynebacterium属菌などがある

71. 多形性を示すGram陰性桿菌にHaemophilus influenzaeがある

  • 多形性とは , 菌体の大きさや太さがバラバラであることをいう
  • Haemophilus influenzaeは発育にX因子およびV因子を要求するため ,血液寒天培地では発育せずチョコレート寒天培地で発育する

72. プリオンは121℃ , 20分間の加熱処理で感染性が失われない

  • プリオンを不活化するには134℃ , 18分の高圧蒸気滅菌が必要である

73. 染色法-対象となる微生物

  • 墨汁法-Cryptococcus neoformans
  • KOH法Trichophyton rubrumなどの糸状菌
  • Grocott染色-Aspergillus属菌など
  • Giménez染色Legionella pneumophila
  • Ziehl-Neelsen染色-Mycobacterium tuberculosisなどの抗酸菌

74. 培地-目的

  • セレナイト培地-Salmonella属菌の選択増菌培地
  • Cary-Blair培地輸送培地
  • Skirrow寒天培地-Campylobacter属菌の選択分離培地
  • Thayer-Martin寒天培地-Neisseria gonorrhoeaeNeisseria meningitidisの選択分離培地
  • 臨床用チオグリコレート培地-無菌材料の増菌培地

75. Escherichia coliを対象に実施した薬剤耐性の確認試験を示す. 検出目的のβ-ラクタマーゼはどれか.

第67回午後問75画像
  • 基質拡張型β-ラクタマーゼ ( ESBL ) の検出を目的としている
  • ESBL確認試験としてのディスク拡散法では , セフタジジムとセフォタキシムのいずれかの薬剤でクラブラン酸存在下の阻止円径が単剤の阻止円径に比べて5 mm以上拡大した場合を陽性と判定する
  • ESBLはAmbler分類のクラスAに属するβ-ラクタマーゼであり , ペニシリン系薬のみならず広範囲のセファロスポリン系薬の分解も可能な酵素である
  • ESBLはEscherichia coli , Proteus mirabilis , Klebsiella pneumoniaeからの検出頻度が特に高い

76. 真菌-特徴

  • Coccidioides immitis二形性真菌
  • Cryptococcus neoformans-酵母様真菌
  • Fonsecaea pedrosoi-黒色真菌
  • Microsporum canis-皮膚糸状菌
  • Sporothrix schenckii-二形性真菌

77. Guillain-Barré < ギラン・バレー > 症候群と関連している細菌はCampylobacter jejuniである

  • Campylobacter jejuniは鶏肉の加熱不足などを原因とする食中毒の原因菌であり , 細菌性食中毒の原因菌として最も多い
  • Campylobacter jejuni感染後 , 0.1~0.2%の確率でGuillain-Barré症候群を発症する

78. イムノクロマト法による抗原検査がおこなわれているウイルスにアデノウイルスインフルエンザウイルスがある

  • このほか , ウイルスではRSウイルスなど , 細菌では咽頭炎の原因菌であるA群β溶血性連鎖球菌 ( Streptococcus pyogenes ) や偽膜性大腸炎の原因菌であるClostridioides difficileなどにおいてもイムノクロマト法による抗原検査がおこなわれている

79. 体重70 kgの成人に赤血球液4単位を輸血した際の予測上昇Hb値に最も近い値 [ g / dL ] はどれか. なお , 循環血液量 [ mL ] は体重 [ kg ] ×70であり , 2単位の赤血球液は60 gのHbを含むこととする.

  • 輸血用赤血球液中のHb量は ” 2単位の赤血球液は60 gのHbを含む ” と記述があるため , 4単位 ( 800 mL ) 中には120 gのHbが含まれる
  • “循環血液量 [ mL ] は体重 [ kg ] ×70”と記述があるため , 循環血液量は

70 kg×70 mL=4900 mL となる

  • 上記より , 100 mL中のHb量は 120 g / 4900 mL×100 mL=2.4 g / dl と計算できる

80. 輸血副反応-発症時期

  • 細菌感染症-即時
  • 輸血後GVHD-1~2週間
  • アレルギー反応-即時
  • 輸血関連急性肺障害 ( TRALI ) -1~6時間
  • 輸血関連循環過負荷 ( TACO ) -6時間以内

画像の出典:臨床検査技師国家試験 第67回 午後 別冊

■ 続きの解説は《 こちら

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