第67回 ( 2021年 ) 解説 PM21~PM40

臨床検査技師国家試験第67回 ( 2021年 )
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21. 安静呼気位から最大吸気位までの肺気量は最大吸気量である

  • 最大吸気量は1回換気量+予備吸気量で求められる
  • 肺活量は1回換気量+予備吸気量+予備呼気量で求められる
  • 全肺気量は肺活量+残気量で求められる
  • 残気量は機能的残気量-予備呼気量で求められる
  • 機能的残気量はガス希釈法 ( Heを指示ガスとする閉鎖回路法・N2を指示ガスとする解放回路法 ) あるいは体プレスチモグラフ法で測定できる

22. フローボリューム曲線

第67回午後問22画像
  • この症例で低下するのは1秒率である
  • 慢性閉塞性肺疾患 ( COPD ) が疑われ , 残気量・全肺気量・機能的残気量・静肺コンプライアンスは増加する

23. 単一呼吸法によるクロージングボリューム測定で使用するガスは酸素単独である

  • 肺内ガス分布とクロージングボリュームを同時に測定することができる

24. 右肋骨弓下横走査による超音波像

第67回午後問24画像
  • 矢印が示すのは胆石による音響陰影である
  • 音響陰影は超音波が透過しづらい組織の後方で音波が減弱する現象である

25. 前頸部横走査による超音波像

第67回午後問25画像
  • 食道はである
  • ①:右内頸静脈 ②:右総頸動脈 ③:気管 ⑤:甲状腺 ( 左葉 ) の嚢胞

26. 疾患-脳波

  • 欠神発作-3 Hz棘徐波複合
  • West症候群-ヒプスアリスミア
  • 覚醒時大発作てんかん-多棘徐波
  • Lennox-Gastaut症候群-1.5~2.5 Hz鋭徐波複合
  • 若年性ミオクロニーてんかん-全般性多棘徐波複合

27. 神経線維

  • -運動神経線維
  • Aβ-皮膚の触圧覚 ( 感覚神経線維 )
  • Aδ-皮膚の温痛覚 ( 感覚神経線維 )
  • B-自律神経の節前線維
  • C-自律神経の節後線維・痛覚を感知する感覚神経線維
    • Aα~ AδとB線維は有髄神経 , C線維は無髄神経である
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28. 神経伝導検査で感覚線維機能のみ評価可能なのは腓腹神経である

  • 腓腹神経には運動神経成分が存在しない

29. メタボリックシンドロームの診断基準

  • ① 腹囲 ( 男性:85 cm以上 , 女性:90 cm以上 )
  • ② 空腹時血糖値 ( 110 mg / dl以上 )
  • ③ 血圧 ( 収縮期血圧:130 mmHg以上 , 拡張期血圧:85 mmHg以上 )
  • 中性脂肪値 ( 150 mg / dl以上 )
  • HDLコレステロール値 ( 40 mg / dl未満 )
    • ①に該当した上で②~⑤の項目に2つ以上に該当した場合 , メタボリックシンドロームと判定される

30. ホルモン-分泌部位

  • オキシトシン-下垂体後葉
  • 甲状腺刺激ホルモン-下垂体前葉
  • 成長ホルモン-下垂体前葉
  • バソプレシン-下垂体後葉
  • プロラクチン-下垂体前葉

31. 心臓型脂肪酸結合蛋白 < H-FABP > は心筋梗塞発症後2時間以内に上昇する

  • トロポニンT・トロポニンIは3~4時間 , CK-MBは4~8時間 , 心筋ミオシン軽鎖は4~8時間 , LDは6~10時間で上昇する

32. Michaelis-Mentenの式

[ S ]:基質濃度 v:速度 Vmax:最大反応速度 Km:Michaelis定数

  • Km値の単位はmol / Lで表す
  • 0次反応領域でVmaxがえられる
  • Km値とはVmaxの1 / 2の速度をあたえる [ S ] を意味する
  • [ S ] がKm値に対して著しく高いときvVmaxに近似する
  • 終点分析法で反応時間を早めるにはKm値が小さい酵素を使用する

33. ホルモン-生理作用

  • インクレチン-インスリン分泌促進作用
  • オキシトシン-子宮収縮作用
  • コルチゾール-糖新生・代謝調節作用
  • バソプレシン-抗利尿作用
  • アンジオテンシンⅡ血管収縮作用

34. γ線赤外線は電磁波である

  • β線・電子線・陽子線は粒子線である
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35. 上昇するアイソザイム-疾患

  • ALP1 ( 高分子肝型 ) -閉塞性黄疸
  • ALP2 ( 肝型 ) -肝・胆道系疾患
  • ALP3 ( 骨型 ) -悪性腫瘍の骨転移
  • ALP4 ( 胎盤型 ) -妊娠後期
  • ALP5 ( 小腸型 ) -肝硬変・腎不全
    • 潰瘍性大腸炎ではALP6 ( 免疫グロブリン結合型 ) が上昇する
    • 正常血清ではALP2とALP3の2種類のみが存在する ( 血液型がB型およびO型の健常人では , 食後血清で測定するとALP5を認めることがある )

36. γ-GTの日本臨床化学会 < JSCC > 勧告法では共役酵素を用いない

  • AST・AMY・CK・ChEの測定では共役酵素を用いる

37. ビタミン

  • ビタミンCやEには抗酸化作用がある
  • ビタミンDは骨代謝に関与する
  • ビタミンAは視覚の正常化に関与する
  • ビタミンCはコラーゲンの形成に関与する
  • ビタミンB6はアミノトランスフェラーゼの補酵素となる
    • プロビタミンAであるβ-カロテン等のカロテノイドには抗酸化作用がある

38. 必須アミノ酸はフェニルアラニン・ロイシン・バリン・イソロイシン・スレオニン・ヒスチジン・トリプトファン・リジン・メチオニンの9つである

  • セリンは必須アミノ酸には含まれない

39. ビリルビンは血液中で蛋白質 ( アルブミン ) と結合して存在している

  • ヘモグロビンが代謝されて産生したビリルビンの大半はアルブミンと結合 ( 間接ビリルビン ) して血中を移動し , 肝細胞に取り込まれてグルクロン酸抱合されて直接ビリルビンに変換される

40. 血清10 µLを使用して10分間の酵素反応をおこなったところ , 10 nmolの基質量が変化した. 酵素量 [ U / L ] はどれか.

  • 1U=1分間に1 µmolの基質量を変化させることができる酵素量
  • 10分間に10 nmolの基質量が変化したことから1分あたりでは1 nmolとなる
  • 酵素量 [ U / L ] である1 Lあたりでは 106 µL / 10 µL=105
  • 10-3 µmol×105=100 µmol
  • したがって , 酵素量は100 U / Lとなる

画像の出典:臨床検査技師国家試験 第67回 午後 別冊

■ 続きの解説は《 こちら

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