41. 肝臓と骨格筋はグルコースをグリコーゲンとして蓄えることができる
- グリコーゲンの利用に必要となるグルコース-6-ホスファターゼは肝臓と腎臓にしか存在しないため , 骨格筋に蓄えられたグリコーゲンは自組織でのみ利用される
42. アルブミンは脂肪酸 , 酵素 , ホルモンなどと結合し , これらを運搬する機能を担っている
- アルブミンは血漿蛋白の約60%を占め , 血漿蛋白の中で最も多い蛋白質である
43. 1 , 5-アンヒドログルシトール < 1 , 5-AG > は血糖コントロール不良の糖尿病で低下する血中成分である
- 乳酸・HbA1c・グリコアルブミン・βヒドロキシ酪酸は血糖コントロール不良の糖尿病で上昇する
44. 血中薬物濃度測定 ( TDM ) が有用とされる薬物の特徴として“薬理作用が血中濃度と相関する”ことや“過剰投与が重篤な有害作用を起こす”ことなどが挙げられる
- 血中薬物濃度測定 < TDM > の対象となる薬物に抗不整脈薬 ( ジゴキシンなど ) ・免疫抑制薬 ( タクロリムスなど ) ・アミノグリコシド系抗菌薬 ( ゲンタマイシンなど ) ・グリコペプチド系抗菌薬 ( バンコマイシンなど ) などがある
45. 脱灰後の中和に用いられるのは5%ミョウバンや5%硫酸ナトリウム , 5%硫酸リチウムなどである
- 塩酸や硝酸 , プランク・リクロ液などの強酸を含む脱灰液による脱灰処理後は中和処理をして十分に水洗する必要がある
46. 凍結切片作製法
- 水溶性包埋剤を用いる
- 基本的に凍結前の固定はしない
- 有機溶剤による操作が少ないため脂肪成分の保持ができる
- 薄切はクリオスタット庫内でおこなう
- 薄切温度は-20℃前後が適している
47. 皮膚のH-E染色標本
- 矢印で示される皮膚の基底層に含まれるメラニン顆粒はSchmorl反応 ( 濃青色 ) やMasson-Fontana染色 ( 茶褐色~黒褐色 ) により証明することができる
48. 免疫組織化学で内因性ペルオキシダーゼの失活に用いるのは過ヨウ素酸や過酸化水素である
- ペルオキシダーゼを用いる検出系の場合 , ペルオキシダーゼ標識した抗原抗体反応物と内因性ペルオキシダーゼとの区別ができないため , 内因性ペルオキシダーゼを予め失活させておく必要がある
49. 喀痰細胞診のPapanicolaou染色標本
- 腺癌は出血性の背景に腫瘍細胞の集塊があり , 核偏在傾向で核の増大や大小不同 , 核小体明瞭を認め , 細胞質は淡明な像である
50. 器官-胚葉
- 口腔-外胚葉
- 肝臓-内胚葉
- 腎臓-中胚葉
- 卵管-中胚葉
- 肛門-外胚葉
51. 遺伝的因子や加齢的因子は内因の代表例である
- 化学的因子・感染性因子・物理的因子は外因である
52. Down症候群
- 短頭を呈する
- 常染色体異常を示す ( 21トリソミー )
- 染色体数は47本である
- 精神発達遅滞を認める
- 出生約1000人に1人の頻度で発生する
53. 充血は局所の動脈の拡張による
- 動脈血栓が原因となり , 病変部は暗紫色で温度が低下し , 長期に及ぶと線維性結合組織の増生を示すのはうっ血である
54. 大腸癌
- 腺癌が多い
- 血行性転移は肝臓に多い
- S状結腸や直腸に多く発生する
- 肉眼分類の1型は腫瘤型を示す
- 早期大腸癌は粘膜下層までの浸潤にとどまるものと定義される ( 早期胃癌と同様 )
55. 結核症では乾酪壊死を伴う肉芽腫 ( 乾酪性類上皮細胞肉芽腫 ) を形成する
- サルコイドーシスやクローン < Crohn > 病は非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を形成する
56. 臓器-被覆上皮
- 胃-単層円柱上皮
- 膣-重層扁平上皮
- 気管-多列線毛上皮
- 食道-重層扁平上皮
- 卵管-単層円柱上皮
57. 疾患-アレルギー
- 気管支喘息-Ⅰ型アレルギー
- 関節リウマチ-Ⅲ型アレルギー
- アレルギー性鼻炎-Ⅰ型アレルギー
- Goodpasture症候群-Ⅱ型アレルギー
- 全身性エリテマトーデス < SLE > -Ⅲ型アレルギー
- 不適合輸血や特発性血小板減少性紫斑病 ( ITP ) などもⅡ型アレルギーに含まれる
58. 後腹膜臓器には膵臓や腎臓などがある
- このほか , 後腹膜臓器には副腎 , 尿管 , 十二指腸 , 下大動脈 , 腹大動脈 , 交感神経幹などがある
59. 血球の分化とそれを誘導するサイトカインの組み合わせ
- 好塩基球-IL-3
- 好酸球-IL-5
- 好中球-G-CSF ( 顆粒球コロニー刺激因子 )
- 単球-IL-3 , M-CSF
- リンパ球-IL-7 ( B細胞・T細胞 ) , IL-15 ( NK細胞 )
- 赤血球は腎臓で産生されるエリスロポエチンにより分化を誘導される
60. 血液検体のフローサイトメトリでゲーティングした細胞集団の所見
- T細胞マーカーの発現は認めないが , B細胞マーカーであるCD19 , CD20 , κ鎖の発現を認め , 成熟B細胞にも発現を認めることのあるCD5の発現も認められることからこの細胞集団は成熟Bリンパ球性腫瘍細胞であることが考えられる
- CD5は慢性リンパ性白血病やマントル細胞リンパ腫などにおいて診断的価値が認められている
画像の出典:臨床検査技師国家試験 第65回 午前 別冊
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