第66回 ( 2020年 ) 解説 PM21~PM40

臨床検査技師国家試験第66回 ( 2020年 )
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21. 健常成人で加齢とともに増加するのは残気量である

  • 加齢にともない肺の弾性収縮力が低下するため , 肺内に残存する空気が多くなり , 残気量は増加する
  • 1秒率・1秒量・肺活量・努力肺活量は加齢により低下する

22. 健常成人の超音波検査で得られた腹部のBモード像

第66回 問22の画像
  • 矢印で示されるのは膵臓である
  • 画像は心窩部横断走査である

23. 体表からの超音波検査における各臓器の観察に用いる周波数

  • 甲状腺-7.0~12.0 MHz ( 周波数が高い )
  • 心臓-2.0~7.5 MHz ( 周波数が低い )
  • 脾臓-3.5~7.0 MHz
  • 膵臓-3.5~7.0 MHz
  • 前立腺-3.5~7.0 MHz

24. 10 / 20法による脳波電極の位置

  • 正中中心部-Cz
  • 左側頭葉の中央-T3
  • 左頭頂葉の中央P3
  • 右側頭葉の中央-T4
  • 右頭頂葉の中央-P4

25. 疾患-脳波所見

  • 欠神発作-3 Hz棘徐波複合
  • West症候群-ヒプスアリスミア
  • 自律神経発作-6 Hzと14 Hzの陽性棘波
  • Lennox-Gastaut症候群-鋭徐波複合
  • 若年性ミオクロニーてんかん広汎性 ( 全般性 ) 多棘徐波複合

26. 表面筋電図上 , 数十msecの電気活動が不規則に作動筋 ( 主動作筋 ) ・拮抗筋間で同期してみられるのはミオクローヌスである

  • ミオクローヌスは一筋または数筋が急激かつ短時間に不随意的に収縮する現象である

27. MRIのプロトン密度強調像が有用なのは膝関節である

  • プロトン密度強調像は膝関節などで半月板や軟骨損傷を観察するのに有用である
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28. 副交感神経節後線維の伝達物質はアセチルコリンである

  • 交感神経節前線維と副交感神経節前線維の伝達物質もアセチルコリンである
  • 交感神経節後線維の伝達物質はノルアドレナリンである
神経伝達物質の表

29. Michaelis-Mentenの式 v = Vmax ・[ S ]  / Km + [ S ] を適用して , ある酵素のKm値が2 mmol / Lであるとき , 最大反応速度 < Vmax > の98%を得るための基質終濃度は98 [ mmol / L ] となる

  • 0.98 Vmax=( Vmax [ S ] ) / ( 2+[ S ] )
  • [ S ]=98 mmol / L

※ 試験問題の選択肢では最も近い100が正答

30. 膵Langerhans島から分泌されるホルモンにグルカゴン ( α細胞 ) とソマトスタチン ( δ細胞 ) がある

  • α細胞からは , グルカゴン , β細胞からはインスリン , δ細胞からはソマトスタチンが分泌される
  • 十二指腸のS細胞からはセクレチン , 十二指腸のI細胞からはコレシストキニン , 卵巣からはエストロゲン分泌される

31. 放射線感受性は細胞分裂が盛んな骨髄やリンパ組織などで感受性が高い

  • 精巣や卵巣も放射線感受性が高い

32. アミラーゼアイソザイム

  • S型 , P型のどちらも尿に排泄される
  • 急性膵炎ではP型が上昇する
  • S型はP型よりも分子量が大きい
  • 流行性耳下腺炎ではS型が上昇する
  • 腎不全ではP型 , S型ともに上昇する
    • S型=唾液腺型 , P型=膵型

33. 骨代謝マーカー

  • オステオカルシン < OC > -骨形成マーカー
  • 骨型アルカリホスファターゼ < BAP > -骨形成マーカー
  • 酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ < TRAcP-5b >骨吸収マーカー
  • デオキシピリジノリン < DPD >骨吸収マーカー
  • プロコラーゲン・ペプチド-骨形成マーカー

34. 原発性副甲状腺機能亢進症

  • 病的骨折
  • 低リン血症
  • 高カルシウム血症
  • 代謝性アシドーシス
  • 活性型ビタミンD3合成促進
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35. 心筋梗塞の心筋マーカーとしてCK-MB・トロポニンT・ミオシン軽鎖・心臓型脂肪酸結合蛋白 < H-FABP > がある

  • 心臓型脂肪酸結合蛋白 < H-FABP > は心筋梗塞発症後 , 最も早期 ( 2時間以内 ) に上昇する
  • 心筋梗塞で増加するLDアイソザイムはLD1およびLD2である
  • LD3は白血病などで増加する

36. 日本臨床化学会 < JSCC > 勧告法で , へキソキナーゼとグルコース-6-リン酸脱水素酵素の共役により測定されるのはCKである

  • 最終的にβ-NADPHの産生に伴う吸光度の増加速度を340 nmで測定する

37. アミノトランスフェラーゼのホロ化に必要なのはピリドキシンである

  • アミノトランスフェラーゼの触媒活性に補酵素としてピリドキサールリン酸 ( 活性型のピリドキシン ) が必要である
  • 補因子 ( 補酵素など ) が結合して活性を有する酵素をホロ酵素 , 結合していない酵素をアポ酵素という
  • アポ酵素+補因子 ( 補酵素など ) ⇔ ホロ酵素

38. 慢性腎臓病 < CKD > の病期分類に用いられる検査項目として糸球体濾過量尿蛋白定量値などがある

  • このほか , 尿アルブミン定量値などがある

39. 水酸基をもつアミノ酸にセリンスレオニンがある

  • プロリンはイミノ基 , メチオニンは硫黄 ( 含硫アミノ酸 ) , アスパラギン酸はカルボキシル基を有する

40. グルタミン酸デヒドロゲナーゼは酸化的脱アミノ反応に関与している

  • グルタミン酸デヒドロゲナーゼはグルタミン酸からアンモニア分子を遊離させる脱アミノ反応を触媒する酸化還元酵素である
  • アルギナーゼはアルギニンからオルニチンと尿素の生成を触媒する加水分解酵素である

画像の出典:臨床検査技師国家試験 第66回 午後 別冊

■ 続きの解説は《 こちら

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