第68回 ( 2022年 ) 解説 PM61~PM80

臨床検査技師国家試験第68回 ( 2022年 )
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61. 鉄欠乏性貧血と慢性炎症に伴う貧血で共通するのは小球性貧血であることと血清鉄が低値となることである

  • 鉄欠乏性貧血では血清フェリチンが低値 , 総鉄結合能 ( TIBC ) が高値となる
  • 慢性炎症に伴う貧血では鉄の利用障害により血清フェリチンが高値 , 総鉄結合能 ( TIBC ) が低値となる

62. 細胞浮遊液の細胞数を算定したBürker-Türk計算盤

第68回午後問62画像

図中に赤字で示す数字は ,赤点線で囲った各大区画にある細胞数である.

検体は , 希釈せず使用し , 大区画の容積は0.1 µLとする.

  • 細胞浮遊液の細胞数は90 / µLである
  • 赤点線で囲った各大区画内の細胞数の平均は9であり , 各大区画の容積が0.1 µLとすると , 細胞浮遊液中の細胞数は90 / µLとなる

63. フィブリンが架橋され , 線溶酵素であるプラスミンにより分解を受けた断片がD-ダイマーである( 二次線溶産物 )

  • したがって , D-ダイマーは肝臓で合成されるわけではない
  • フィブリノゲン・プラスミノゲン・アンチトロンビン・プラスミンインヒビターは肝臓で合成されれる

64. 末梢血のMay-Giemsa染色標本

第68回午後問64画像
  • 涙滴赤血球が認められる
  • 涙滴赤血球は骨髄線維症でみられる

65. 第Ⅷ因子はリン脂質依存性凝固反応に関与する

  • 活性化第Ⅸ因子 , 活性化第Ⅷ因子 , リン脂質 , カルシウムは複合体を形成し , 第Ⅹ因子を活性化して凝固反応を促進する

66. 骨髄穿刺液のMay-Giemsa染色標本

第68回午後問66画像
  • 矢印の細胞が腫瘍化した疾患は多発性骨髄腫である
  • 矢印で示される細胞は形質細胞である
  • 腫瘍化した形質細胞はモノクローナル抗体を多量に産生 ( M蛋白 ) する

67. 骨髄細胞の染色体核型

第68回午後問67画像
  • 矢印の染色体異常に関与するのはPML-RARAである
  • 15番染色体と17番染色体の相互転座が示されている
  • 急性前骨髄球性白血病 ( APL ) で認められる

68. 髄液のGram染色標本

第68回午後問68画像

分離菌はヒツジ血液寒天培地に発育し , グルコースおよびマルトースを分解した.

  • Neisseria meningitidisが推定される
  • 標本ではグラム陰性双球菌がみられ , グラム陰性双球菌にはNeisseria meningitidis ( 髄膜炎菌 ) の他にNeisseria gonorrhoeae ( 淋菌 ) やMoraxella catarrhalis( カタル球菌 ) があるが , それぞれ検出される材料が異なる
  • Neisseria gonorrhoeaeは泌尿器系材料や尿から検出され ( 淋病 ) , グルコースのみを分解する
  • Moraxella catarrhalisは呼吸器系材料から検出され , グルコースおよびマルトースを分解しない

69. インフルエンザウイルスはエンベロープを持つ

  • ノロウイルス・ロタウイルス・アデノウイルス・ポリオウイルスはエンベロープをもたない
  • エンベロープをもたないウイルスには消毒用エタノールの効果は不十分であるため , 次亜塩素酸ナトリウムで消毒する

70. 微生物検査結果において緊急報告が必要な所見

  1. 血液や髄液などの無菌材料から菌が検出された場合
  2. 感染症法で届け出が必要な場合

・喀痰からのMycobacterium tuberculosisの検出 ( 2類感染症 ) や腸管出血性大腸菌の検出 ( 3類感染症 ) など

・カルバペネム耐性腸内細菌科細菌 ( 5類感染症 ) やバンコマイシン耐性腸球菌 ( 5類感染症 ) などの特殊な薬剤耐性菌の検出など

  • これらは所謂パニック値であり , 直ちに医師に報告する
  • Staphylococcus epidermidisは皮膚の常在菌である ( 緊急報告不要 )
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71. Legionella pneumophilaはGram染色では染まりにくい ( Giménez染色をおこなうとマクロファージ内に赤色の桿菌として観察される )

  • Gram染色で全く染色されない細菌にはMycobacterium tuberculosis( 結核菌 ) に代表されるMycobacterium属菌があり , これらはZiehl-Neelsen染色で染色する

72. 培養環境

  • Fusobacterium nucleatumは偏性嫌気性菌であるため嫌気培養が必要である
  • Haemophilus influenzaeはX因子とV因子を要求するためチョコレート寒天培地で培養する
  • Legionella pneumophilaはアミノ酸と鉄を要求するためB-CYE寒天培地やWYO寒天培地で培養する
  • Moraxella catarrhalisStreptococcus pneumoniaeは5%炭酸ガス培養下のヒツジ血液寒天培地で発育する ( これらの細菌において5%炭酸ガスは必須環境ではない=好気性である )

※“好気性”であっても5%炭酸ガス培養下で発育する

73. 血液培養の採血時に皮膚の消毒に用いるのは消毒用アルコールの他に , ポビドンヨードグルコン酸クロルヘキシジンがある

  • 過酢酸やフタラールなどの高水準消毒薬は人体に使用できない ( 内視鏡の消毒などに使用する )
  • 次亜塩素酸ナトリウムはエンベロープを持たないウイルスなどに有効であるが人体には使用できない

74. 多剤耐性緑膿菌< MDRP >の判定に使用される抗菌薬はイミペネム・アミカシン・シプロフロキサシンの3剤である

  • 多剤耐性緑膿菌< MDRP >は5類感染症 ( 定点把握 ) である

75. リケッチア ( Rickettsia prowazekiiなど ) やクラミジアなどの一部の細菌や全てのウイルスは偏性細胞内寄生性である

  • 偏性細胞内寄生性とは生物の“細胞内でのみ”増殖が可能なものをいう ( 人工培地で培養不可 )

76. スライド培養の顕微鏡写真

大分生子を矢印で示す.

第68回午後問76画像
  • Trichophyton rubrumが考えられる
  • Trichophyton rubrumは水虫の原因となる白癬菌であり , 大分生子の形成は少なく , こん棒状である

77. TSI培地に腸内細菌科細菌を接種して1日後の写真

第68回午後問77画像
  • 培地斜面部が赤いことから乳糖と白糖は非分解である ( 分解する場合は黄変する )
  • 培地の黒変から硫化水素産生 , 培地の亀裂からブドウ糖発酵とガス産生が陽性であることがわかる

78. Listeria monocytogenes

  • Gram陽性短桿菌である
  • CAMPテスト陽性である
  • 馬尿酸塩加水分解試験陽性である
  • エスクリン加水分解試験陽性である
  • ヒツジ血液寒天培地で ( 弱い ) β溶血性を示す
    • このほか , カタラーゼ試験が陽性の特徴がある

79. 38歳の女性 , 発熱を主訴に来院した. 間接蛍光抗体法による抗核抗体検査所見を示す.

第68回午後問79画像
  • この所見の染色パターンは辺縁型である

80. この所見を示す自己抗体は抗DNA抗体である

  • 抗DNA抗体がみられる代表的な疾患は全身性エリテマトーデス ( SLE ) である

画像の出典:臨床検査技師国家試験 第68回 午後 別冊

■ 続きの解説は《 こちら

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