1. 尿沈渣の無染色標本
- 矢印で示される構造物はシスチンである
- シスチンは先天性シスチン尿症 ( 常染色体劣性遺伝 ) や酸性尿で認められる
- 塩酸・水酸化カリウム・アンモニア水で溶解する
2. 結核性髄膜炎
- 圧−増加
- 糖−低下
- 蛋白−増加
- クロール−低下
- アデノシンデアミナーゼ−増加
3. PCR法の原理
- 熱変性は94〜95℃でおこなう
- 2種類のプライマーを用いる
- 増幅反応は30サイクル前後でおこなう
- 伸長反応は5’ → 3’方向に相補鎖を合成する
- 定量PCR法では標的DNA量が多いほどCt値が小さい
4. 出生児における染色体異常のうち最も発生数が多いのは21トリソミーである
- 21トリソミー ( ダウン症候群 ) は21番染色体が3本認められ , 500人〜1,000人に1人の割合で発生する
- 13トリソミー ( パトウ症候群 ) は5,000〜12,000人に1人 , 18トリソミー ( エドワード症候群 ) は3,500〜8,500人に1人 , 45,X ( ターナー症候群 ) は女児の2,500人に1人 , 47,XXY ( クラインフェルター症候群 ) は男性の700〜2,000人に1人とされている
5. 嚢虫症をきたすのは有鉤条虫である
- 嚢虫症はヒトの便中に排泄された有鉤条虫の虫卵を経口摂取することにより発生する
6. 77歳の男性. 西日本在住. 農作業で虫に刺されたため診療所を受診し , マダニ咬症と診断された. 3日後に39℃の発熱があり再診した.
- 重症熱性血小板減少症候群 ( SFTS ) が考えられる
- 日本脳炎とデング出血熱は蚊が媒介 , ツツガムシ病はツツガムシが媒介 , 発疹チフスはシラミが媒介する
7. 滲出性胸水の所見
- 色調:黄色〜赤色
- 比重:1.018以上
- 細胞数:多数
- LD比 ( 胸水 / 血清 ):0.6以上
- 蛋白比 ( 胸水 / 血清 ):0.5以上
8. 真核生物におけるmRNAの開始コドンはAUGである
- 終止コドンはUAGである
9. 尿定性試験紙法でアスコルビン酸により偽陰性となるのは潜血・亜硝酸塩・ブドウ糖・ビリルビンである
- 蛋白はpH 3以下で偽陰性となる
10. がん遺伝子とがん抑制遺伝子
- APC −がん抑制遺伝子
- BRCA1 −がん抑制遺伝子
- MYC −がん遺伝子
- RB1 −がん抑制遺伝子
- TP53 −がん抑制遺伝子
- がん遺伝子には上記のほかRAS , HER2 , RETなどがある
11. 顕微鏡的多発血管炎はペルオキシダーゼに対する抗好中球細胞質抗体〈 MPO-ANCA 〉が陽性となる
- 顕微鏡的多発血管炎は膠原病の類型である
- Behçet病 , 結節性多発動脈炎では自己抗体は認めない
12. 急性期の過換気症候群で低下するのはPaco2である
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病態 | |
呼吸性アシドーシス | 気管支喘息・慢性閉塞性肺疾患 ( COPD )など |
代謝性アシドーシス | AG正常 ) 尿細管性アシドーシス・下痢など AG増加 ) 糖尿病性ケトアシドーシス・尿毒症 ( 末期腎不全 ※ )・乳酸アシドーシスなど |
呼吸性アルカローシス | 過換気症候群・間質性肺炎・肺線維症など |
代謝性アルカローシス | 嘔吐・原発性アルドステロン症・クッシング症候群など |
※ stage 3後期〜stage 4の腎不全ではAG正常の代謝性アシドーシスを呈し , stage 5の末期腎不全ではAG増加の代謝性アシドーシスを呈する
13. 深夜に血中濃度が高値を示すものに成長ホルモン ( GH ) がある
- 交感神経節や副腎髄質から分泌されるカテコールアミン ( アドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミン ) や下垂体前葉から分泌される副腎皮質刺激ホルモン ( ACTH ) は日中高値で夜間に低値となる
- 卵胞刺激ホルモン ( FSH ) は下垂体前葉から分泌され , 性周期により変動する
14. 難聴
- 中耳炎−伝音性難聴
- 耳垢塞栓−伝音性難聴
- 聴神経腫瘍−感音性難聴
- 突発性難聴−感音性難聴
- メニエール〈 Ménière 〉病−感音性難聴
15. 重症筋無力症は抗アセチルコリン受容体抗体によりアセチルコリン受容体が破壊される自己免疫疾患である
- Creutzfeldt-Jacob病は異常なプリオン蛋白が脳に沈着し中枢神経が障害される疾患である
- Alzheimer病は脳にβアミロイドが沈着し中枢神経が障害される疾患である
- 筋萎縮性側索硬化症 ( ALS ) は運動神経が障害される疾患である
16. 冠動脈の左前下行枝が灌流する左室壁は心尖部と前壁中隔である
- 冠動脈は右冠動脈と左冠動脈に分かれ , 左冠動脈はさらに左前下行枝と回旋枝に分かれる
灌流領域 | ||
右冠動脈 | 右房・右室・左室下壁・後壁・中隔下1 / 3・刺激伝導系 | |
左冠動脈 | 左前下行枝 | 左室中隔・前壁・心尖部 |
左回旋枝 | 左室側壁・後壁 |
17. 標準12誘導心電図
- 左脚ブロックと房室ブロック ( I度房室ブロック ) を認める
- 幅広いM字の様なQRS波をV6誘導に認め , かつ幅広く深いS波をV1誘導に認める → 左脚ブロック
- PQ時間が0.21秒以上 ( P波の始まりからQ波の始まりまでが記録紙の一番小さいマス5個分以上 ) に延長 → I度房室ブロック
※ 記録紙横軸の一番小さいマス1個=0.04秒
18. 足関節上腕血圧比 ( ABI ) は左右の上腕収縮期血圧のうち高い方と左右それぞれの足関節収縮期最高血圧の比によって両側のABIが算出される
- ABI=足首収縮期血圧 / ( 左右のうち高い方の ) 上腕収縮期血圧
- 基準値は1.00〜1.40である
19. パルスオキシメータで測定できるのは脈拍数と動脈血酸素飽和度 ( Spo2 ) である
- 指先で測定するため , マニキュアや付け爪が測定結果に影響を及ぼす
20. 1回呼吸法による肺拡散能力測定のスパイログラム
- ガスを採取する部分は⑤である
- ①は安静換気量+予備呼気量 , ②は予備呼気量 , ③は肺活量に相当 , ④は洗い出し量 , ⑤はサンプル量である
- 1回呼吸法では4種混合ガス ( CO:0.3% , He:10% , O2:20% , N2:バランス ) を使用する
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画像の出典:臨床検査技師国家試験 第69回 午後 別冊