41. 肝臓の解毒機能の評価にはICG試験と血中アンモニアが用いられる
- ICG ( インドシアニン・グリーン ) を静脈に注射すると肝臓に取り込まれて胆汁中に排泄されるため , 血中のICG量を測定することにより肝臓の解毒機能が評価できる
- アンモニアは肝臓で分解されるため , 解毒機能が低下すると血中アンモニアが増加する
42. ホルモン−分泌部位
- 成長ホルモン−下垂体前葉
- バソプレシン・オキシトシン−下垂体後葉
- プロラクチン−下垂体前葉
- ゴナドトロピン−下垂体前葉
- 甲状腺刺激ホルモン−下垂体前葉
43. 検体の色調による影響は生化学自動分析装置の終点分析法における2ポイント法で回避できる
- 2ポイント法では二試薬系においてサンプルと第1試薬を一定時間反応させて1回目の吸光度を測定する ( 測定1 )
- 第2試薬との反応終了後 , 吸光度を測定する ( 測定2 )
- 測定2から測定1を引き算した吸光度で目的物質の濃度を算出する
- 1回目の測定を検体盲検として差し引くことができるため検体の色調による影響を回避できる
44. 濃度を窒素量として表示するのは尿素とアンモニアである
- 尿素の分子量は60で窒素量は28である
- 尿素窒素量から尿素量を求めるには尿素窒素量に60 / 28=2.14を乗じると尿素量となる
45. 食道 , 胃 , 小腸 , 大腸は粘膜筋板を有する
- 消化管には粘膜固有層と粘膜下組織の間に粘膜筋板があり , 粘膜の運動や腸絨毛の伸縮運動に関与している
46. NILMはBethesdaシステムの判定で陰性である
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NILM | 陰性 ( 異常なし ) |
ASC-US | 軽度扁平上皮内病変疑いあり |
LSIL | HPV感染 , 軽度異形成 |
ASC-H | 高度扁平上皮内病変疑いあり |
HSIL | 中等度異形成 , 高度異形成 , 上皮内癌 |
Adenocarcinoma | 腺癌の疑い |
Squamous cell carcinoma ( SCC ) | 扁平上皮癌の疑い |
47. oil red O染色は親水性封入剤を使用する染色法である
- このほか , 親水性封入剤を使用する染色法にSudan III染色 , Sudan black B染色 , Nile blue染色などの脂肪染色がある
48. 過型電子顕微鏡写真
- 矢印で示される細胞小器官はミトコンドリアである
- ミトコンドリアは環状DNAを含む細胞小器官であり , 赤血球には存在しない
49. 門脈圧亢進症で起こりやすいものに脾腫 ( 脾うっ血 ) ・食道静脈瘤・直腸静脈からの出血 ( 痔核 ) ・腹壁皮下静脈の怒張 ( メデューサの頭 ) などがある
- 門脈圧亢進症は肝硬変で生じやすい
- 下大静脈のうっ血はうっ血性心不全でみられる
50. 染色法−目的物質
- Kosa反応−カルシウムの証明
- Nissl染色−ニッスル小体
- Grocott染色−真菌
- Grimelius染色−神経内分泌細胞
- Berlin blue染色−ヘモジデリン
51. Papanicolaou染色
- 核小体が赤染する
- 細胞が剥がれやすい
- 95%エタノールで固定する
- 角化細胞を染め分けられる
- Papanicolaou染色と比較したGiemsa染色の特徴として , 乾燥固定であるため細胞が大きく見えることが挙げられる
52. パラフィン包埋による標本作成時の工程で切り出しをおこなうのは固定後である
- 切り出しとは病理組織標本作製のために摘出された組織を適切な大きさ・厚さに切り分けることをいう
53. 染色法−目的
- FISH法−特定の遺伝子配列を検出する
- DOPA反応−メラノサイトに存在するチロシンキナーゼ活性の有無を調べる
- Feulgen反応−光学顕微鏡下でDNAを観察できるようにする組織化学染色法
- direct fast scarlet染色−アミロイドを証明する染色法
- methyl green-pyronin染色−DNAとRNAを染め分ける染色法
- methyl green-pyronin染色は形質細胞の同定などに用いられ , 多発性骨髄腫などの補助診断に用いられる
54. 細胞診検査材料の子宮頸部擦過検体はPapanicolaou染色を実施するため湿固定が用いられる
- 白血病や悪性リンパ腫に遭遇しやすい髄液・腹水・生検スタンプ検体 , 気管支洗浄液でPneumocystis jirovecii ( ニューモシスチス肺炎の原因菌 ) を検出する場合ではGiemsa染色を実施するため冷風により乾燥固定を実施する
55. 心臓の内腔を展開した肉眼写真
- 枠内に示されるのは大動脈弁である
56. 病理解剖において , 剖検医の直接指示のもとでおこなう臨床検査技師の役割として血液の採取・臓器の切り出し・開頭・縫合などが挙げられる
- 病理解剖の結果の遺族への説明は主治医からおこなわれる
57. 渡辺の鍍銀法では銀液を加温しない
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染色法 | 加温 | 用いる銀液 |
Grimelius染色 ( 神経内分泌細胞の染色 ) | 37℃ | 硝酸銀液 |
Kossa反応 ( 石灰化の証明 ) | 不要 | |
Masson-Fontana染色 ( 内分泌細胞の染色 ) | 60℃ | アンモニア銀液 |
渡辺の鍍銀法 ( 細網線維の染色 ) | 不要 | |
Grocott染色 ( 真菌の染色 )PAM染色 ( 糸球体基底膜の染色 ) | 60℃ | メセナミン銀液 |
Bodian染色 ( 神経原線維の染色 ) | 37℃ | プロテイン銀液 |
- 渡辺の鍍銀法とKossa反応では銀液を加温しない
58. 腫瘍−免疫組織化学的マーカー
- 肺癌 ( 小細胞癌 ) −NSE・ProGRP
- 乳癌−エストロゲン受容体 ( ER )・HER2
- 消化管間質腫瘍−CD117 ( c-kit )
- 大腸癌−CEA
- B細胞リンパ腫−CD20 ( L26 )
- PSAは前立腺癌の免疫組織化学的マーカーである
59. 血友病AおよびB , 抗リン脂質抗体症候群ではPT正常 , APTT延長となる
- これらは血小板数および出血時間は正常である
60. 末梢血検査で赤血球数300万 / μl , ヘモグロビン6.0 g / dl , ヘマトクリット22.5%のとき考えられるのは小球性低色素性貧血であり , 診断に最も有用な血液検査項目はフェリチンである
- 小球性低色素性貧血の大多数は鉄欠乏性貧血である
- 血清フェリチンは貯蔵鉄の目安となる
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画像の出典:臨床検査技師国家試験 第69回 午後 別冊