第70回 ( 2024年 ) 解説 PM41~PM60

臨床検査技師国家試験第70回 ( 2024年 )
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41. 酵素活性測定の酵素と基質の組み合わせ

  • ALP−4-ニトロフェニルリン酸
  • ALT−L-アラニン・2-オキソグルタル酸
  • AST−L-アスパラギン酸・2-オキソグルタル酸
  • CK−クレアチン・ATP
  • α-アミラーゼ4 , 6エチリデン-4-ニトロフェニル-マルトヘプタシド

42. 尿細管機能の評価

  • α1-ミクログロブリン−近位尿細管再吸収機能評価
  • β2-ミクログロブリン−近位尿細管再吸収機能評価
  • 肝臓型脂肪酸結合蛋白 ( L-FABP ) −近位尿細管細胞障害の指標
  • N -アセチルグルコサミニダーゼ ( NAG ) −尿細管全般障害の指標
    • シスタチンCやクレアチニンは糸球体機能評価に用いられる

43. eGFR ( 推算糸球体濾過量 ) は糸球体機能を評価でき , 算出には血中クレアチニン濃度・年齢・性別が必要で , 基準範囲に性差はない

  • eGFR=194×sCr-1.094×Age-0.287 ( 女性は×0.739 ) 

44. 糖尿病型の判定基準

  • ① HbA1c6.5%以上 ( NGSP値 )
  • ② 随時血糖値200 mg / dl以上
  • ③ 早朝空腹時血糖値:126 mg / dl以上
  • ④ 75 g経口ブドウ糖負荷試験2時間血糖値:200 mg / dl以上
    • 糖尿病診断基準において「 糖尿病型 」は上記の①~④のいずれかが確認されることにより判定される
    • 「 糖尿病 」の診断基準は上記の②~④のいずれかと①が確認された場合に「 糖尿病 」と診断される

45. 子宮体癌

  • 腺癌が多い
  • 好発年齢は50〜60代である
  • 我が国の患者数は増加傾向にある
  • エストロゲンの長期投与がリスクとなる
    • 子宮頸癌はヒトパピローマウイルス感染がリスクとなり , 扁平上皮癌が多く , 好発年齢は30〜40代である

46. 自然尿検体のPapanicolaou染色標本の弱拡大写真と強拡大写真

尿路上皮癌細胞が考えられる

47. 剖検時の臓器重量の正常範囲

  • 脳−1100~1300 g
  • 甲状腺−10〜20 g
  • 心臓200~300 g
  • 肝臓−1000~1200 g
  • 脾臓−80~120 g
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48. 無機酸である塩酸硝酸は中和処理が必要な脱灰液である

  • 迅速脱灰液であるプランク・リクロ液などの強酸を含む脱灰液で脱灰した場合も中和処理が必要である
  • 中和処理は5%硫酸ナトリウムや5%硫酸リチウム , 5%ミョウバンに12〜24時間浸漬し , その後十分に水洗する

49. Nissl小体が染まる色素はクレシル紫である

  • Nissl小体の証明には塩基性色素であるクレシル紫を用いたNissl染色やKlüver-Barrera染色が用いられる

50. 最も感度が高い免疫組織化学染色法はポリマー法である

  • ポリマー法ではABC法 ( アビジン・ビオチン・酵素複合体法 ) で問題となる内因性アビジン , ビオチンの影響も受けない

51. 染色法−病原体

  • PAS反応 / Grocott染色−アスペルギルス
  • orcein染色 / Victoria blue染色−B型肝炎ウイルス
  • Ziehl-Neelsen染色 / ローダミンB・オーラミンO重染色−抗酸菌
  • Alcian blue染色 / mucicarmine染色−クリプトコッカス
  • Warthin-Starry染色 / Giemsa染色−ヘリコバクター・ピロリ

52. 細胞診検体で抗凝固剤を添加するのは体腔液である

  • 体腔液検体にはヘパリンやEDTAなどの抗凝固剤を添加する
  • 膵液 , 胆汁 , 十二指腸液は消化酵素によって細胞の融解や変性が生じやすいため採取後は低温で保存する

53. キシレンの性質

  • 引火性
  • 有機溶剤に可溶
  • 生殖毒性
  • 皮膚刺激性
  • 呼吸器有毒性
    • キシレンは毒物及び劇物取締法で医薬用外劇物に指定されている

54. HE染色標本

  • この臓器はである
  • 胃は粘膜上皮 , 粘膜固有層 , 粘膜筋板 , 粘膜下組織 , 固有筋層 , 漿膜から構成される
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55. 病理解剖

  • 解剖室でおこなう
  • 疾患の治療効果を判定する
  • 遺族の承諾を得る必要がある
  • 解剖をおこなう地の保健所長の許可を得た医師か死体解剖資格認定を得ている医師が実施できる
  • 犯罪との関係が疑われる死体を対象とする場合は司法解剖という

56. うっ血

  • 左心不全で生じる肺うっ血−心臓病細胞
  • 右心不全で生じる肝うっ血−にくずく肝
  • 脾臓の慢性うっ血−ガムナ・ガンディ ( Gamna-Ganndy ) 結節
    • 肺うっ血を伴う重症心不全ではチアノーゼが見られる
    • 偽膜はびらんを起こした粘膜表面などにフィブリンや白血球が凝固壊死した結果 , 形成される膜様物である

57. 下肢静脈血栓が原因で塞栓症が起こる動脈は肺動脈である

  • 静脈血栓塞栓症はエコノミークラス症候群と呼ばれる

58. 免疫組織化学染色

  • 凍結切片やホルマリン固定パラフィン包埋切片を使用する
  • 内因性ペルオキシダーゼ活性の阻害に過酸化水素加メタノールを用いる
  • 一次抗体反応後の操作は湿潤箱でおこなう
  • 二次抗体は一次抗体と異種の動物の抗血清を用いる
  • ジアミノベンチジンでは茶褐色に発色される

59. 骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本

  • 診断に有用な表面抗原はCD38である
  • 形質細胞が著増しており , 多発性骨髄腫が考えられる
  • CD38は多発性骨髄腫細胞表面に高頻度に発現している

60. 赤芽球癆の原因の一つにヒトパルボウイルスB19感染が挙げられる

  • このほか , ウイルス感染が原因となる造血器疾患に成人T細胞白血病 ( HTLV-1感染 ) がある

■ 続きの解説は《 こちら

画像の出典:臨床検査技師国家試験 第70回 午後 別冊

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