当サイトでは臨床検査技師国家試験に関して投稿していますが、

国家試験を受ける人は就職活動もあるよなぁ…
という事に気が付き、主に新卒者向けの就職活動についても少し書いてみようと思いました。
前置き )) この記事に書いてある事は、あくまで1人の臨床検査技師の所感です。ここに書いてある事が必ずしもすべてに当てはまるということではないです。
■ 病院に就職するか検査センターに就職するか
臨床検査技師の就職では病院やクリニックに就職するかそれ以外 ( この記事では検査センターについて解説 ) に就職するかを選択する必要があります。
が、これは学校の傾向 ( 周りの影響 ) にもよると思います。管理人が通っていた大学では9割近くが病院かクリニックに就職していました。管理人自身も何の疑いもなく病院に就職しました。
というか、当時は検査センターが何なのかよく分からなかったです…

検査センターとは衛生検査所のことで、病院やクリニックから検体を一か所に集めてきて検査していく施設のことです。
ただし、企業によっては、ブランチと言って検査センターの社員が病院内に常駐して検査をするパターンがあります。
■ 病院と検査センターの主な違い
はじめに両者の大きな違いを挙げておくと、病院は医療法人○○や○○財団などであるのに対し、検査センターは大抵、株式会社○○という名称です。
「 え?だから何? 」
って感じですよね。
平たく言うと非営利目的 ( 病院 ) と営利目的 ( 大部分の検査センター ) の違いです。
一部、企業立病院や非営利目的の検査センターもありますが、大きくこのような違いがあります。なので、 ( 特に大手の ) 検査センターに入社した場合は当然、××期の業績は~のため、賞与カット ( 上乗せ ) とかも普通にありますし、平社員でもコストの削減案を求められることもあります。
病院でも経営状況によっては上記のようなことがなくはないですが、病院で”臨床検査技師”として勤務している限り”業績”や”利益”等をそんなに身近に感じることはないと思います。
…なんだか難しい話にしてしまいましたが、簡単にはっきり言うと
大部分の検査センターは”カイシャ”なので、業績によっては賞与の増減や募集退職 ※ ( 早期退職者募集という名のリストラ的な ) を勧められることもなくはないよ!ってことです。
学生はこの違いに関して意外と意識していない部分だと思ったので触れてみました。
※ 例えば45歳以上の社員限定など

前置きが長くなりましたが、病院と検査センター ( 研究所・ラボ or ブランチ ) の違いをざっくり箇条書きにしてみました。
人によってメリット・デメリットになる点は違うと思うので、メリットやデメリット ( 良いところ・悪いところ ) という分け方はしていません。
病院
検査センター ( 研究所・ラボ勤務 )
検査センター ( ブランチ勤務 )
※ 患者の体に直接触れるような検査に関わることはないですが、病院内で患者に『〇〇ってどこですか?』など声をかけられることはあります。また、一般検査ではトイレの検尿提出窓から声をかけられるということもあります…!笑

病院・検査センター ( 研究所・ラボ ) ・ブランチにはざっくりこのような違いがあります。
■ 違いをさらに掘り下げると…

前述した違いををさらに詳しく掘り下げると…
病院
患者や他の医療職との関わりがある
➡︎ 同期に医師や看護師などがいたりして結構楽しいです。部署にもよりますが患者との関わりがあるので、医療職としてのやりがいはハッキリ言って検査センターよりも勝ります。
当直がある ( 朝8時から次の日の朝までなど )
➡︎ 忙しい日などはズルズルと次の日の昼くらいまで勤務することもあります。次の日が休みというだけのところが多く結構シンドイです。救急車がビュンビュン来る三次救急指定病院などはシンドさ倍増です。頻度は1〜2週に1回くらいで回ってくるようなところが多いようです。
配属部署の希望が聞き入れられない事が多い ( そもそも決められないなど )
➡︎ 欠員募集などでは、退職者が所属していた部署にそのまま配属されます。また、病院によっては検体検査や生理機能検査の垣根なくオールマイティにこなすことを求められます。
配属部署に関わらず ( 当番などで ) 採血する事がある
➡︎ たまに採血はしたくないという人がいますが、病院 ( クリニック ) に就職する限り採血は避けられないと考えておいたほうが無難です。どうしてもできない場合は面接時に聞いておいた方が良いです。
自分が検査した患者のその後がわかる ( 逆に死に遭遇することもある )
➡︎ カルテを見る事ができるので病歴などが分かり、疾患の理解は深まります。職種の垣根なくできる業務 ( 救急の心臓マッサージなど ) をスポットで入った際に死亡宣告の現場に居合わせるということもあります ( レアケースかもですが管理人は数回遭遇したことがあります ) 。
暇な時間帯がある
➡︎ 外来や入院患者の検査が一通り終わったタイミングなどです。
給与が病院によってバラツキがある事が多い
➡︎ かなり開きがあります。同じ地域でも所変われば基本給が5万円違うということも普通にあります。求人票に当直代を含む金額を記載しているか否かでも異なるため要チェックです。
余談になりますが、個人経営のクリニックに勤務する友人が、退職を申し出たところ、”給料を5万円上げるから辞めないでくれ”と言われたことがあったそうで、実際に5万円給料が上がったそうです。笑えますよね。ただ、このような極端な例は”個人経営のクリニック”だったからありえた話だと思います。
病院の規模によっては転勤がある
➡︎ 全国・県内に何ヶ所もあるような大規模病院の場合は転勤があることもあります。新しい技師長は◯◯県から転勤してきたなんてのもよくある話です。
あまりにド派手な髪色やピアスはダメ
➡︎ 患者と接するため髪色は何トーンまでと規定されている事が多いです。
検査センター ( 研究所・ラボ勤務 )
患者やその他の医療職とは関わることがない
➡︎ 当然ですが、患者との関わりは一切ありません。逆に営業職の人や検体を回収してくるアルバイトの人などと関わることがあります。医療職との関わりは臨床検査技師のみであることが多いです。また、検体検査業務には必ずしも臨床検査技師免状が必須という訳ではないため、上司や所長が臨床検査技師ではないということも普通にあります。
夜勤がある ( 21時に出勤して翌朝5時半までなど )
➡︎ 会社の規模や部署によっては夜勤の頻度が少ない or ないということもありえますが、基本的に検査センターは夜勤帯の方が賑やかで、検査センターと夜勤はセットです。病院等の診療が終わった時間から検体が集まってくるので当然ですね。ただ、夜勤が体調面で合わない場合は相談や診断書等を提出すれば大抵は免除してくれるようです。
配属部署の希望が聞き入れられる事が多い
➡︎ 管理人が知っている会社はほぼ100%希望を聞き入れているようです ( 面接の時点で希望部署の聴取がある ) 。ただし、実際は数年で他部署に異動となることもあえります。このあたりもまさに”カイシャ”です。例えば、希望していた病理検査室に配属され、5年が経ったとしましょう。すると、ある日突然、一般検査への配属を命じられるなんて事もあります。断ることは…できないでしょうね…。ただ、部署移動に関してはゼネラリスト思考かスペシャリスト思考か会社の方針にもよるところでしょう。
検体のみを扱うため医療職であるという実感が薄れる
➡︎ 医療職であるという実感はだんだんと薄れていきます。医療職というよりサラリーマンという感じです ( 実際にサラリーマンですが ) 。
暇な時間帯は基本的にない
➡︎ ないです ( 特に夜勤帯 ) 。基本的にかなり忙しいと覚悟しておいた方がいいです。繁忙期などは仕事に追われます。
検体数が膨大なため検体検査自体の経験はかなり積める ( 生理機能検査は不可 )
➡︎ 病院の何倍も ( 場合によっては何百倍も ) 検体検査の経験は積めます。普通にやっていれば ( 本人次第ですが ) 、あっという間にその分野の二級臨床検査士資格 ( ※ ) くらいなら余裕で取得できる水準になります。
※ 日本臨床検査同学院が年1回実施している臨床検査技師の分野別の上位資格のようなものです。
上場している検査センターならある程度の給与は保たれている ( 上場企業に限るが給与面でブラックなどという事はほぼない )
➡︎ 上場企業ではある程度はホワイト感が保たれています。給与面でも休暇面でも。ただし、部署によっては残業がひどいです。
状況によっては転勤がある
企業の規模にもよりますが、大企業では入社時に転勤可能範囲のコース的なのを選択します。例えば、全国転勤可 or エリア限定 ( 関西〜東海までなど ) or 自宅から何キロ以内の範囲など。もちろん転勤可能範囲が広い方が給与は高いです。
ド派手な髪色やピアスがOK ( な事が多い )
➡︎ たまにド派手な人がいます。男性ではあまり見かけませんが、女性で派手な人がたまにいます。
同業ではない人に仕事内容を聞かれたとき答えるのが難しい
➡︎ 説明が難しいです。病院勤務なら適当に「心電図をとったりする人」とかで伝わるのですが、検査センターは説明が難しい…。
検査センター ( ブランチ勤務 )
検査センターの社員なのに配属先の病院に出勤する
➡︎ 身分としては検査センターの社員ですが、ブランチ勤務となればその検査センターが契約している病院の検査室で仕事をします。病院との契約が切れて他の検査センターが入るとなればブランチにいた社員は全員撤収してまた新たに配属し直され、他の病院に行くことになります。
病院がお客様であるため立場が弱い ( 病院の要求には基本従うことになる )
➡︎ 病院からすれば同じ建物内で検査をしていようとブランチは外注先になるので、面倒な業務をブランチ社員に押し付けられるということもあります…。良い病院だとそのようなことはないですが…。病院勤務、研究所やラボ勤務の検査センター社員と比較すると立場的に色々と気を使います。
患者や他の医療職との関わりがある
➡︎ 看護師が検査容器を取りに来たり、電話での緊急報告などで病院内の職員とコミュニケーションをとることはあります。直接検査で関わることはないですが、病院内にいる患者に病院内の場所を聞かれたり、検尿提出窓から声をかけられるということもあります。
配属先病院によっては当直がある ( 夕方17時から次の日の朝までなど )
➡︎ 配属先病院によりますが、当直がある場合があります。ただ、病院職員でよくある朝から次の日の朝までというパターンではなく、夕方の17時から次の日の朝9時半までなど労働時間自体は日勤と同じです。
配属部署の希望が聞き入れられる事が多い
➡︎ 入社時に希望の調査があると思いますが、部署自体は希望通りになることが多いようです。ただ、どこのブランチかなどの配属先までは希望できないことが多いようです。
採血や患者の体に触れる検査に関わることはなく検体検査のみに関わる
➡︎ ブランチ配属の社員は病院内の検査室で”検体検査”のみをします。採血や生理検査等は病院の検査技師がします。
自分が検査 ( 検体検査 ) した患者のその後がカルテを通してわかる
➡︎ ブランチ配属の社員は病院内のカルテを見ることができるので、自分が検査 ( 検体検査 ) した患者の診断名やその後をカルテを通して知る事ができるので疾患の理解は深まります。
暇な時間帯がある
➡︎ 病院で働く検査技師と同じで外来や入院患者の検査が一通り終わったタイミングなどです。
上場している検査センターならある程度の給与は保たれている ( 上場企業に限るが給与面でブラックなどという事はない )
➡︎ 上場企業ではある程度はホワイト感が保たれています。給与面でも休暇面でも。病院の検査技師よりも給与がいいということもあり得ます。逆も然りですが…。
状況によっては転勤がある
これは研究所・ラボ勤務の検査センターの社員と全く同じで入社時にコース的なのを選択します。ブランチ勤務でも転勤可能範囲が広い方が給与は高いです。ただ、全国転勤可の場合、研究所・ラボ勤務よりも転勤が多いと思います。
あまりにド派手な髪色やピアスはダメ
➡︎ 病院内で働くことになるので配属先の病院の規定に従うことになります。非常識な髪色やピアスはダメですね。
■ 結局、どっちがいいの?【 それぞれのおすすめの就職先は? 】
いわゆる ( 一般的に想像される )「 臨床検査技師 」を目指しているのなら病院 ( またはクリニック ) 一択でしょう。
ゆくゆくは生理機能検査をやりたいと考えている人や病理解剖、生殖医療に携わりたいと考えている人も病院 ( またはクリニック ) 以外はあり得ません。
ただ、病院 ( またはクリニック ) はその検査室によって方針などが違うので、ブラックボックス的な部分があり、入ってみないと本当に分からないことが多いです。
それは検査センターも同じですが、病院 ( またはクリニック ) の方が技師長の考えや病院の方針により様々だと管理人自身は感じます。
一つアドバイスをするとしたら ( みんなが知りたいのはたぶんここから! )
病院志望なら公的病院や公的病院に準ずるようなところが良いと思います。
具体的にいうと県立✖️✖️センターとか済●会病院、赤●字病院などです。また、●災病院は労働組合がめちゃくちゃ強いので ( 団体交渉・ストライキなどちょっちゅうやってます ) 労働環境は良さそうですね。
ここらは待遇面 ( 給与等 ) の振り幅がそんなに大きくなく、一定の水準は保たれているような印象です。
バリバリの民間は規模に関わらず待遇面 ( 給与等 ) の、当たりハズレ ( 失礼! ) の振り幅が大きいと感じます。
検査センター志望なら、上場企業一択 ( 親会社含め上場している企業が4社?ほどあります ) で狙っていくのが良いと思います。
別に上場していなくてもいいんでしょうけど、ブラック率が一気にうなぎ登りとなる?…かもしれません…!?
ブランチ勤務が嫌な場合はブランチを持っていない検査センターを狙いましょう!ここで名前は出せませんが、上場していてブランチをやっていない企業もあります。ブランチ勤務ではなく研究所勤務を希望していたのにブランチ配属になったという例も普通にあるのでこれを避けるためには、もうブランチをやっていない検査センターに就職するのが一番安全だと思います。企業にもよると思いますが、研究所・ラボ所属とブランチ所属ではそもそも上の組織が違っていたりして一度ブランチの所属となれば研究所やラボへの異動は簡単にはできません。
■ 注 ) 病院によっては新卒者しか採用しないところもある
※ 正職員募集での話です
一部の大規模病院 ( 特に公的病院やそれに準ずる病院 ) はその傾向があるように感じます。
もちろん、求人票にはそのような事は記載していませんが“実際”は、という事 です。
時と場合によるのでしょうが、臨床検査技師自体が看護師のように常に売り手市場というわけではないので、病院側からすれば選べるわけです。
だったら中途採用するよりも、新卒者を採用して1から自病院色に育てたいとなるのでしょう。
逆に言えば、一部の大規模病院 ( 特に公的病院やそれに準ずる病院 ) に就職を希望する場合は絶対に新卒の時に狙ったほうがいいという事です。「ゆくゆくは大規模病院 ( 特に公的病院やそれに準ずる病院 ) で〜」とかは実際は結構難しいような気がします。逆は難しくないのですが。
つまり、
★の数は転職難易度
というようなイメージです。年齢や経験年数を一切除外しているのであくまでもイメージとして捉えてください。ぼんやりしていて申し訳ないですが、実際の病院名等は出せませんので…
新卒での就職のときに転職や先々のことも考えるとなると流石にダルいですが、傾向として知っておくだけでも違うと思います。
ただ、新卒時の就職先に関わらず、学会発表などでの実績が評価されれば逆にヘッドハンティング的なこともありえます。
■ あとがき
病院勤務・検査センター ( 研究所・ラボ ) 勤務・ブランチ勤務を比較してきましたが、実際は入ってみないとどれが自分に合っているか分からない部分もあります。臨床検査技師自体は不足していないですが、腐っても資格があるということで合わなければ辞めればいいし、あまり小難しく考える必要はないように感じます ( 散々書き散らしておいて何ですが ) 。

なんやねん!
実際に管理人も短期離職した経歴がありますが ( 辞めた時点では次の職場も決めていなかった ) 、すぐに次の就職先は決まりました。
短期離職しただけの資格も何もないサラリーマンだったら、面接に一回行くだけで就職先が決まるとかあり得ないですからね、ここはやはり資格があるという事の強みだと感じます。
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