第61回 ( 2015年 ) AM41~AM60

臨床検査技師国家試験第61回 ( 2015年 )
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41. 骨代謝マーカー

  • オステオカルシン骨形成マーカー
  • デオキシピリジノリン-骨吸収マーカー
  • 骨型アルカリホスファタゼ-骨形成マーカー
  • 酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ-骨吸収マーカー
  • Ⅰ型コラーゲン架橋N末端テロペプチド-骨吸収マーカー

42. 甲状腺疾患患者においてサイロキシン結合グロブリンは自己抗体が産生されない

  • 抗TSH受容体抗体はBasedow病で ,抗マイクロゾーム抗体・抗サイログロブリン抗体・抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体は慢性甲状腺炎 ( 橋本病 ) とBasedow病で陽性となる

43. 脂肪細胞から分泌されるのはアディポネクチンである

  • インスリンは膵臓β細胞から ,グルカゴンは膵臓α細胞から ,プロラクチンは下垂体前葉から ,ソマトスタチンは視床下部・膵臓D細胞・消化管D細胞から分泌される

44. サルコイドーシスで高値を示すのはアンギオテンシン変換酵素 < ACE > である

  • サルコイドーシスは非乾酪性の類上皮細胞肉芽腫が形成される全身性疾患である
  • 類上皮細胞が アンギオテンシン変換酵素を産生するため上昇すると考えられている

45. 器官-胚葉

  • 骨-中胚葉
  • 心臓-中胚葉
  • 腎臓-中胚葉
  • 膵臓-内胚葉
  • 大脳外胚葉

46. 食道は皮膚と同様の上皮組織を有する

  • 食道は重層扁平上皮を有し ,皮膚と同じである
  • 重層扁平上皮はこのほか ,口腔や肛門 ,膣などにみられる上皮組織である
  • 気管支には線毛円柱上皮 ,胃や胆嚢には単層円柱上皮 ,尿管には尿路上皮がみられる

47. p53は癌抑制遺伝子である

  • このほか ,RbBRCA1なども癌抑制遺伝子である
  • rasmycerb-B2cyclin Dは癌遺伝子である
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48. 中皮腫は悪性腫瘍である

  • 中皮腫は胸膜や腹膜を覆う中皮細胞から生じる悪性腫瘍である
  • 中皮腫の多くは一定期間のアスベスト暴露により発症する
  • 血管腫・骨軟骨腫・脂肪腫・多形腺腫は良性腫瘍である

49. 臍帯静脈肺静脈には動脈血が流れる

  • 臍帯動脈と肺動脈には静脈血が流れる

50. H-E染色標本

第61回午前問50画像
  • 甲状腺である
  • 多数の濾胞 ( 濾胞上皮細胞が一層に並んで囲んでいる ) がみられ ,濾胞内にはコロイド ( サイログロブリンの前駆体 ) と呼ばれる好酸性の液体が充満している

51. 小葉構造を持つ器官に肝臓膵臓・肺・乳腺・胸腺・精巣がある

  • 肝小葉の中心部には中心静脈がある

52. 凍結標本作製法

  • 水溶性包埋剤を用いる
  • 骨組織の標本作製には適さない
  • 薄切に適した温度は-20 ℃である
  • ホルマリン固定した組織は剥がれやすい
  • 凍結速度が遅いと組織の損傷は大きくなる
    • 凍結標本作製法は脂肪組織の標本作製にも適さない

53. 腎臓の染色標本

第61回午前問53画像
  • PAM染色された腎臓である
  • PAM染色は糸球体基底膜の病変の観察に適した染色法である
  • 糸球体基底膜がメテナミン銀による鍍銀法により黒色に染色される
染色法用いる銀液
Grimelius染色 ( 神経内分泌細胞の染色 )
Kossa反応 ( 石灰化の証明 )
硝酸銀液
Masson-Fontana染色 ( 内分泌細胞の染色 )
渡辺の鍍銀法 ( 細網線維の染色 )
アンモニア銀液
Grocott染色 ( 真菌の染色 )
PAM染色 ( 糸球体基底膜の染色 )
メセナミン銀液
Bodian染色 ( 神経原線維の染色 )プロテイン銀液

54. 肺に沈着したアスベスト小体の染色標本

第61回午前問54画像
  • Berlin blue染色である
  • Berlin blue染色によりアスベスト小体を被覆しているヘモジデリンやフェリチンが濃青色に染め分けられている
  • アスベスト ( 石綿 ) は石綿肺や悪性中皮腫の原因となる
  • Alcian blue染色は上皮性粘液細胞の分泌物質の染め分け ,methylene blue染色は抗酸菌の染色など ,Nile blue染色は酸性脂質と中性脂質の染め分け ,Victoria blue染色は弾性線維を染め分ける
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55. 電子顕微鏡標本作製で固定に用いる試薬はグルタールアルデヒド ( 前固定 ) とオスミウム酸 ( 後固定 ) である

  • 前固定と後固定の二重固定は透過型と走査型の両方の標本作製に共通する操作である

56. 喀痰細胞診のPapanicolaou染色標本

A ,Bは同一標本中の異なる視野である

第61回午前問56画像
  • 扁平上皮癌である
  • オレンジG好染性の扁平上皮癌特有の細胞 ( ヘビ状やオタマジャクシ状 ) を認める

57. 子宮頚部細胞診のPapanicolaou染色標本

第61回午前問57画像
  • ヒトパピローマウイルス感染細胞である
  • ヒトパピローマウイルス感染細胞の特徴であるコイロサイト ( 核の腫大や核形不整 ,核周明庭 ) を認める

58. ホルマリン

  • pHは酸性である
  • 酸化によりギ酸を生じる
  • 組織固定には35~37 %ホルムアルデヒド含有原液を10 %希釈したホルマリンを使用する
  • ホルマリン色素の除去は水酸化カリウム・アルコール溶液 ( ベロケイ法 ) やアンモニア・アルコール溶液 ( カルダセウィッチ法 ) でおこなう
    • ホルマリンは毒物及び劇物取締法の劇物 , 労働安全衛生法の特定化学物質第2類物質に指定されている

59. 脾臓の機能

  • 髄外造血
  • 血球の貯留
  • 細菌の処理
  • 老化血球の処理
  • T細胞の分化誘導をおこなうのは胸腺である

60. プロテインCは凝固を抑制する

  • プロテインC欠損症はプロテインS欠損症やアンチトロンビン欠損症と並んで先天性血栓性素因となる

画像の出典:臨床検査技師国家試験 第61回 午前 別冊

■ 続きの解説は《 こちら

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