61. 疾患-診断に用いる細胞表面マーカー
- Hodgkinリンパ腫-CD30
- 後天性免疫不全症候群-CD4
- 成人T細胞白血病-CD3・CD4・CD25
- 急性前骨髄球性白血病-CD13・CD33
- 発作性夜間ヘモグロビン尿症-CD55・CD59
- CD55およびCD59は補体制御因子であり ,発作性夜間ヘモグロビン尿症ではこれらが欠損することにより溶血をきたす
62. ビタミンB12欠乏性貧血 ( 巨赤芽球性貧血 ) の骨髄塗抹標本で特徴的な所見は核と細胞質の成熟乖離である
- ビタミンB12が欠乏することによりDNA合成が障害されて核の成熟が遅延するのに対し , 細胞質の成熟は進行する ( 巨赤芽球の出現 )
63. 線溶亢進で上昇するのはFDP ( フィブリン / フィブリノゲン分解産物 ) とプラスミン-プラスミンインヒビター複合体 < PIC > である
- プラスミンによるフィブリン血栓の分解が線溶現象の本態である
64. 溶血性貧血で低下するのはハプトグロビンである
- LD・間接ビリルビン・フェリチン・網赤血球数は上昇する
65. 敗血症などの重症細菌感染症では好中球に中毒性顆粒がみられる
- 好中球の中毒性顆粒は敗血症などの重症細菌感染症で好中球の消費が激しく ,成熟分化が追い付かない状態となったときにみられ ,その本態はアズール顆粒である
66. 骨髄塗抹Wright-Giemsa染色標本
- 形質細胞が著増しており ,多発性骨髄腫が考えられる
67. von Willebrand病と血友病Aの鑑別に有用なのはリストセチンコファクター活性と出血時間である
- von Willebrand病ではリストセチンコファクター活性が低下し ,出血時間が延長する
- 血友病Aでは出血時間は延長しない
68. インフルエンザウイルスはカプシドを有するRNAウイルスである
- インフルエンザウイルスはヌクレオカプシドがエンベロープで包まれているエンベロープウイルスである
69. 菌種-染色法
- Aspergillus fumigatus-Grocott染色
- Clostridium tetani-Wirtz法 ( 芽胞染色 )
- Corynebacterium diphtheriae-Neisser染色 ( 異染小体 )
- Mycobacterium kansasii-オーラミン法 ( 蛍光染色 )
- Nocardia asteroides-Kinyoun染色 ( 抗酸菌染色 )
- Hiss法は莢膜 ,Leifson法は鞭毛 ,墨汁法はCryptococcus neoformans ( 莢膜 ) の染色法である
70. 分離培地の成分
- サブロー寒天培地の組成であり ,糸状菌 ( Trichophyton属など ) や酵母様真菌 ( Candida albicansなど ) の培養に用いる
- クロラムフェニコール ( 抗生物質 ) を添加することにより真菌以外の発育を抑制している
71. β-ラクタム系抗菌薬に対する細菌の耐性機構の機序として加水分解酵素 ( β-ラクタマーゼ ) による不活化とペニシリン結合蛋白 < PBP > の変化が重要である
- β-ラクタマーゼは基質特異性の違いにより , ペニシリナーゼ , メタロ-β-ラクタマーゼ , セファロスポリナーゼ , オキサシリナーゼに分けられる
- メタロ-β-ラクタマーゼはカルバペネム系抗生物質を分解する
72. 結核菌は塩酸アルコールで脱色されない ( 抗酸性 )
- ワクチン株としてMycobacterium bovisを用いる
73. 膿のGram染色標本
- 貪食されたグラム陽性球菌 ( ブドウ状 ) が多数観察されており ,膿であることを考慮するとStaphylococcus aureusが起因菌として考えられる
74. Staphylococcus aureusの分離培地としてマンニット食塩培地がある
- マンニット食塩培地は高濃度の食塩により耐塩性を有する細菌を選択的に発育させる
- Staphylococcus aureus は耐塩性があり ,マンニットを分解する
75. Salmonella entericaとCitrobacter freundiiを鑑別する性状としてリジン脱炭酸反応がある
- Salmonella entericaはリジン脱炭酸反応が陽性 ,Citrobacter freundiiはリジン脱炭酸反応が陰性である
76. 真菌とその性質
- Candida albicansは厚膜胞子・仮性菌糸・発芽管を形成する
- Sporothrix schenckiiは二形成真菌である
- Cryptococcus neoformansは莢膜を有する
↑ 第57回PM問75と内容が同じ問題です!
77. HIVとその感染症
- RNAウイルスである
- CD4陽性T細胞に感染する
- 感染後数週間のウインドウ期がある
- 後天性免疫不全症候群 < AIDS > を発症すると血中ウイルス量は増加する
78. Legionella pneumophilaは尿中抗原検査がおこなわれている
- このほか ,Streptococcus pneumoniae ( 肺炎球菌 ) でも尿中抗原検査がおこなわれている
79. インターフェロンα < IFN-α > は抗ウイルス作用を有するサイトカインである
- インターフェロンα < IFN-α > はウイルス増殖抑制作用を有し ,マクロファージから産生される
80. 膜障害複合体を構成する補体成分にC5がある
- C5の分解産物であるC5bにC6・C7・C8・C9が順次結合することにより膜障害複合体が形成され ,細胞膜に穴を開ける
画像の出典:臨床検査技師国家試験 第61回 午前 別冊
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