81. B型急性肝炎の発症の指標はIgM-HBc抗体陽性である
- 感染力が強い活動期にはHBe抗原が検出され , 回復期にはHBe抗体に移行する
- HBs抗原は治癒するとHBs抗体 ( 中和抗体 ) に移行する

- AはHBs抗原 , BはHBe抗原 , CはHBc抗体 , DはHBe抗体 , EはHBs抗体である
画像の出典:第68回 臨床検査技師国家試験 午前 問12
82. 慢性肉芽腫症では殺菌能が障害される
- 慢性肉芽腫症はマクロファージ・単球・好中球などの食細胞に異常をきたす先天性免疫不全症である
83. 疾患-診断に有用な自己抗体
- 多発性筋炎-抗Jo-1抗体
- CREST症候群-抗セントロメア抗体
- Sjögren症候群-抗SS-A抗体・抗SS-B抗体
- 自己免疫性肝炎-抗平滑筋抗体
- 全身性エリテマトーデス-抗Sm抗体・抗DNA抗体など
84. MGUS < monoclonal gammopathy of undetermined significance > は高齢者に多くみられる意義未確定のM蛋白血症である
- MGUSは多発性骨髄腫のように腫瘍性病変が明らかでなく ,治療不要である
85. 補体のcold activationはC型慢性肝炎患者の血清を低温 ( 4 ℃ ) で保存したときに血清がゲル化あるいは白色沈殿する現象であり ,クリオグロブリンが原因となる
- 37 ℃で加温すると再溶解する
86. ABO血液型検査で血清側の原因によってオモテ・ウラ不一致となるのは寒冷凝集素 , 不規則抗体 , 高γ-グロブリン血症である
- 寒冷凝集素や不規則抗体が存在する血清側の原因によるオモテ・ウラ不一致はウラ検査のA血球 , B血球との反応が陽性となり , ウラ検査でO型と判定される
- 亜型はオモテ検査の反応が減弱または陰性化する ( 赤血球側の原因でオモテ検査が陰性となる )
- 後天性Bは細菌感染によりA抗原がB抗原に変化する ( 赤血球側の原因でオモテ検査が陽性となる )
表は横にスクロールできます ▶
技術的な要因 | オモテ検査 ( 血球側の原因 ) | ウラ検査 ( 血清側の原因 ) | |
偽陽性 | 洗浄不十分な試験管などの使用 検査試薬の汚染 血球と血清の最適比のズレ 判定時の遠心が強すぎる など | 汎血球凝集反応 直接抗グロブリン試験陽性 後天性B など | 高γ-グロブリン血症 不規則抗体 寒冷凝集素 など |
偽陰性 | 判定時の溶血反応の見逃し 血球と血清の抗原抗体複合物の加温 血球と血清の最適比のズレ 判定時の遠心が弱すぎる など | BmなどのABO亜型 白血病などによる抗原の減弱 など | 無 ( 低 ) γ-グロブリン血症 抗体価が著しく低下した高齢者 新生児 など |
87. カラム凝集法による血液型検査の結果

- B型Rh ( D ) 陽性である
88. 不規則抗体検査
- 輸血歴がない場合でも必要である
- 酵素法はMNSs血液型やDuffy血液型に対する抗体を検出できない
- 生理食塩液法は主にIgMクラスの抗体を検出する
- 間接抗グロブリン試験で不十分な血球洗浄は偽陰性の原因になる
- 間接抗グロブリン試験反応増強剤のうちウシアルブミンの作用は弱い
89. Rh ( D ) 不適合による新生児溶血性疾患
- 第2子から起こる
- 血管外溶血を起こす
- 間接ビリルビンが上昇する
- 母親の不規則抗体検査で発生を予測する
- 母親への抗D免疫グロブリン投与により予防する
- Rh ( D ) 不適合による新生児溶血性疾患において重症の場合は交換輸血などの治療をおこなう
- 母親への抗D免疫グロブリンの投与時期は妊娠28週前後と分娩後72時間以内が適している
90. 予防
- がん検診-二次予防
- 予防接種-一次予防
- 精神科デイケア-三次予防
- じん肺健康診断-二次予防
- リハビリテーション-三次予防
91. 人口動態調査の情報源は市区町村への住民からの届出である
- 人口動態調査から出生・死亡・死産・婚姻・離婚などを集計している
92. ランダム化比較対照試験 < RCT > で最初に実施するのはインフォームドコンセントの取得である
- ランダム化比較対照試験 < RCT > は前向きに経過観察し、医学的介入の効果を比較する試験である
93. 測定器-測定対象
- カタ寒暖計-気流
- 黒球温度計-輻射熱
- 熱線風速計-風速
- アウグスト乾湿計-温度・湿度
- アスマン通風乾湿計-温度・湿度
- アウグスト乾湿計は固定しての測定 ,アスマン通風乾湿計は移動しての環境測定に用いられる
94. 介護保険の保険者は市区町村である
- 介護保険の被保険者は65歳以上 ( 第1号被保険者 ) と40歳以上65歳未満 ( 第2号被保険者 ) に分けられる
95. 単位-物理量
- クーロン-電荷の単位
- ジーメンス-コンダクタンス・アドミタンス・サセプタンスの単位
- ジュール-エネルギーの単位
- ファラッド-コンデンサの静電容量の単位
- ヘンリー-インダクタンスの単位
96. 図の回路は反転増幅回路である

- 演算増幅器 ( オペアンプ ) の反転入力端子に入力された信号は , 出力では位相が180 °反転しているため反転増幅回路と呼ばれる
97. CR結合回路 ( 微分回路 ) に2Vのステップ電圧を入力したときの出力波形の図

- この回路の時定数は5 [ ms ] である
- CR結合微分回路における時定数は出力電圧が入力電圧の約37% ( 1 / e ) に低下するまでの時間である
- 2Vの37%= 0.74Vになる時間は約5 [ ms ] となる
98. 二進法で110から11を引いた値は11である
- 10進数に変換して演算してから2進数に直すと110-11は6-3に変換され , 二進数は11となる
99. USBはインターフェースの規格である
- ALUは演算装置 ,CRTはブラウン管 ,OCRは光学式文字読取装置 ,RAMは記憶装置のことである
100.光学顕微鏡の使用法
- 低倍率から高倍率の順で観察をおこなう
- 視野絞り像が視野の内側になるように調節する
- ピント合わせはステージを徐々に下げながらおこなう
- 対物レンズを交換する際はレボルバを持って回転させる
- 使用する対物レンズの開口数に照明系の開口数を合わせる
画像の出典:臨床検査技師国家試験 第61回 午後 別冊

好酸球
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