1. 臥位に比べて座位で採血したときに高値となる血清成分に総蛋白とカルシウムがある
- 臥位から座位になることで毛細血管圧と膠質浸透圧が変化し , 水分が血管内から間質へ移動するため , 蛋白質 ( 一部が蛋白質と結合しているカルシウムなど ) や細胞成分の濃度が上昇する
- これらは臥位より座位 , 座位より立位のほうが高値となる
2. 測定法の正確性の評価法
- 直線性試験
- 特異性試験
- 添加回収試験
- 干渉物質の影響試験
- 同時再現性試験は精密性の評価に用いられる
3. 尿沈査のSternheimer染色標本

- 硝子円柱が考えられる
4. 尿中成分-疾患・病態
- 亜硝酸塩-尿路感染症
- ケトン体-飢餓状態
- ビリルビン-閉塞性黄疸
- ヘモジデリン-溶血性貧血
- Bence Jones蛋白-多発性骨髄腫
5. 糞便の性状-疾患
- 脂肪便-慢性膵炎
- 粘血便-潰瘍性大腸炎など
- 緑色便-緑黄色野菜の過剰摂取
- タール便-上部消化管出血
- 白色水様便-ロタウイルス腸炎
- このほか , イチゴゼリー状血便ではアメーバ赤痢が考えられる
6. 幼虫移行症を起こすものに旋尾線虫や有棘顎口虫などがある
- 幼虫移行症は本来ヒトを宿主としない寄生虫がヒトに感染し ,幼虫以降に発育ができない場合に起こる
7. 糞便検査で見いだされた体長約350μmの幼線虫

- ラブジチス型幼虫であるが ,虫種を確定するためには , ろ紙培養法をおこないフィラリア型幼虫まで発育させてから鉤虫か糞線虫であるかの鑑別をする
8. プラスミド
- 核外で複製される
- 環状のDNAである
- 接合によって伝達される
- 薬剤耐性因子の1つである ( Rプラスミド )
- 染色体とは独立した遺伝体である
9. 染色体の構造と細胞周期
- テロメアは染色体の末端に位置する
- 核膜が消失するのは細胞周期のM期である
- 体細胞が分裂するたびにテロメアは短くなる
- DNA量が増加するのは細胞周期のS期である
- 細胞周期:G1期 ( DNA合成準備期 ) → S期 ( DNA合成期 ) → G2期 ( 分裂準備期 ) → M期 ( 分裂期 )
10. Klinefelter症候群の核型として47 , XXYがある
- 45 , XはTurner症候群・47 , XX ,+21はDown症候群である
11. 腕頭動脈は拍動を触診できない
- 腕頭動脈は大動脈弓から直接分岐し , 右総頸動脈と右鎖骨下動脈に分岐する ( 体表面から拍動は触診できない )
12. ウイルス
- EBウイルス-DNAウイルス
- アデノウイルス-DNAウイルス
- インフルエンザウイルス-RNAウイルス
- サイトメガロウイルス-DNAウイルス
- デング熱ウイルス-RNAウイルス
13. 全身性エリテマトーデス < SLE > の特徴
- 光線過敏症が出現する
- 若年女性に好発する
- 白血球が減少する
- 発熱がみられる
- 蝶形紅斑は全身性エリテマトーデスに特徴的な所見である
14. 陽性の場合 ,確定診断に適している検査の特徴として特異度が高いこと ,陽性尤度比が高いことが挙げられる
- 特異度を上げると陽性尤度比 , 陽性的中率が上昇する ( 確定診断は特異度の高い検査でおこなう )
- 感度を上げると陰性尤度比 , 陰性的中率が上昇する ( 除外診断は感度の高い検査でおこなう )
15. 髄液検査で細胞数 5 / μl以下 ( 基準値:0~5 / μl以下 ) ,蛋白質高値 ( 基準値:10~40 mg / dl ) ,グルコース正常値 ( 基準値:50~80 mg / dl ) の結果から考えられるのはGuillain-Barré症候群である
- Guillain-Barré症候群では細胞数増加を認めず蛋白の増加を認める蛋白細胞乖離がみられる
16. 急性心筋梗塞の心電図所見

- Ⅱ・Ⅲ・aVF誘導にST上昇と異常Q波を認めることから梗塞部位は下壁であると考えられる
梗塞部位 | 心電図所見 |
前壁中隔 | V1~V4誘導でST上昇 |
側壁 | Ⅰ ,aVL ,V5~V6誘導でST上昇 |
高位側壁 | Ⅰ ,aVL ,高位のV5~V6誘導でST上昇 |
下壁 | Ⅱ ,Ⅲ ,aVF誘導でST上昇 |
純後壁 | V1~V2誘導でR波増高 ,ST低下 ,陽性T波増高 |

好酸球
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17. 血管内皮機能検査として血流依存性血管拡張反応 < FMD > がある
- 加速度脈波 < APG > は末梢血液循環を示し ,指尖容積脈波 < DPG > は動脈硬化の評価 ,脈波伝播速度 < PWV > は動脈の硬さと伸展性の評価 ,足関節上腕血圧比 < ABI > は下肢動脈の閉塞や狭窄の程度を示す
18. 健常成人における呼吸運動とその調節
- 呼吸中枢は延髄に存在する
- 横隔膜の収縮により吸気が生じる
- 安静呼気は呼気筋の弛緩により生じる
- 動脈血酸素分圧の低下により換気は増加する
- 動脈血二酸化炭素分圧の上昇により換気は増加する
19. ガス希釈法や体プレチスモグラフ法による測定が必要な肺気量分画は機能的残気量である
- 残気量および全肺気量は機能的残気量を測定することにより算出できる
20. 静肺コンプライアンスが上昇する疾患に肺気腫がある
- 拘束性換気障害 ( 肺線維症・神経筋疾患・脊柱側弯症など ) では静肺コンプライアンスは低下する
- 高度肥満により気道閉塞が起これば動肺コンプライアンスは低下する
画像の出典:臨床検査技師国家試験 第62回 午後 別冊
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