41. 甲状腺ホルモンの作用に成長促進・発汗増加・心拍数増加・基礎代謝亢進・消化管の糖吸収促進などがある
- これらはBasedow病などの甲状腺機能亢進症でみられる症状である
42. ステロイドホルモン ( コルチゾール・アルドステロン・テストステロン・エストラジオールなど ) はコレステロールから生合成される
- アドレナリンはアミノ酸誘導体である
43. 疾患マーカー-病態
- KL-6-間質性肺炎
- シスタチンC-腎不全
- プロカルシトニン-敗血症
- 脂肪酸結合蛋白 < FABP > -心筋梗塞
- 脳性ナトリウム利尿ペプチド < BNP > -心不全
44. 推定糸球体濾過量 < eGFR > は年齢・性別・血清クレアチニン値を用いて計算される
- eGFR=194×sCr-1.094×Age-0.287 ( 女性は×0.739 )
45. 病理解剖時に摘出された臓器の肉眼写真

- 肝臓 ( 正常 ) である
- 肝臓の重量は成人で1~1.2 kgである
46. 中皮細胞は心嚢腔・胸腔 ・腹腔・精巣鞘腹腔の表面を覆っている
- 鼻腔と副鼻腔は線毛円柱上皮細胞 , 口腔は重層扁平上皮細胞 , 関節腔は内皮 ( 単層扁平上皮細胞 ) で覆われている
47. 炎症
- 発赤は初期に出現する
- 好中球が滲出する
- 四徴は発赤・発熱・腫脹・疼痛である
- 物理的要因には放射線被ばくがある
- ケミカルメディエータにはプロスタグランジンがある
48. 胃癌
- 胃ポリープの癌化は低率である
- スキルス癌 < 硬癌 > は予後が悪い
- TNM分類を用いる
- 卵巣への転移をKrukenberg腫瘍という
- 早期癌の定義ではリンパ節転移の有無を問わない
- 癌細胞が粘膜下層内にとどまっているものを早期胃癌と呼ぶ
49. 等張ホルマリンは塩化ナトリウムを含む
- ピクリン酸を含む固定液にはブアン ( Bouin ) 液やザンボニ ( Zamboni ) 液がある
- カルノア ( Carnoy ) 液は氷酢酸を含む
50. クリオスタットによる凍結切片標本作製法
- 引き角は90度である
- 薄切温度は約-25 ℃である
- 組織は急速に凍結する
- 基本的に凍結前の固定はされない
- 試料はそのままか水性包埋剤を使用する
51. 腎臓の糸球体基底膜を観察するための染色法として適切なのはPAM染色である
- PAM染色は糸球体基底膜を黒褐色に染め上げる鍍銀染色 ( メセナミン銀 ) である
染色法 | 用いる銀液 |
Grimelius染色 ( 神経内分泌細胞の染色 ) Kossa反応 ( 石灰化の証明 ) | 硝酸銀液 |
Masson-Fontana染色 ( 内分泌細胞の染色 ) 渡辺の鍍銀法 ( 細網線維の染色 ) | アンモニア銀液 |
Grocott染色 ( 真菌の染色 ) PAM染色 ( 糸球体基底膜の染色 ) | メセナミン銀液 |
Bodian染色 ( 神経原線維の染色 ) | プロテイン銀液 |
52. 肺癌の遺伝子異常を確認するのに適切な免疫組織化学的マーカーとしてALKがある
- ALK融合遺伝子は肺癌 ( 非小細胞肺癌の腺癌 ) に特異的である
53. 大腸病変部の染色標本

- 染色法はPAS反応である
- PAS反応陽性のグリコーゲンを含んだ胞体を認め , アメーバ赤痢が考えられる染色像である
54. 糸球体腎炎は電子顕微鏡による診断が有用である
- 糸球体基底膜の詳細な構造や沈着物が観察できる
55. 喀痰細胞診のPapanicolaou染色標本

- オレンジG好染性の異型細胞がみられ ,扁平上皮癌が考えられる
56. 病理解剖
- 死因・病気の本態の解明や治療効果の判定を目的とする
- 医師以外でもおこなうことができる
- 希少症例であっても遺族の承諾は必要である
- 人口動態統計のための正確な情報が得られる
- 執刀者は厚生労働大臣が発行する死体解剖資格認定証が必要である
- 死体解剖資格認定証がない場合は ,保健所長の許可を受けなければならない
57. 健常成人の臓器重量
- 脳-1100~1300 g
- 心臓-200~300 g
- 肝臓-1000~1200 g
- 脾臓-80~120 g
- 副腎-約5 g
58. ホルムアルデヒド
- 発がん性がある
- 分子式はCH2Oである
- 酸化されるとギ酸になる
- 毒物及び劇物取締法の医薬用外劇物に指定されている
- 組織の固定には37 %水溶液が用いられる
- ホルムアルデヒドは労働安全衛生法の特定化学物質 , 第2類物質にも該当する
59. 鉄代謝
- 体内総鉄量は3~4 gである
- ヘム鉄は2価の鉄原子をもつ
- フェリチンは貯蔵鉄である
- 体内鉄の約25 %は貯蔵鉄として存在する
- 1日に吸収される鉄量は約1 mgである
60. 内因系凝固反応の開始に関わる因子として接触因子である第Ⅻ因子・第Ⅺ因子・高分子キニノゲン・プレカリクレインがある
- 内因系の血液凝固は血管内皮細胞の破壊や血液がガラス等の異物に接触することがきっかけで開始する
画像の出典:臨床検査技師国家試験 第62回 午後 別冊
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