1. 臨床試験業務
- 新薬開発のためにおこなう
- 薬の安全性を調べるためにおこなう
- 既存医薬品の効果の追跡調査をおこなう
- 二重盲検試験に関わる臨床検査技師は偽薬投与患者を事前に把握できない
- 臨床試験実施医療機関は外部評価による認定を取得することが望ましい
2. HbA1cは全血を用いてHPLC法で検査するのが一般的であるため抗凝固剤を含む採血管を用いる必要がある
- HbA1cは過去1~2カ月の平均血糖値を反映している
3. 採血法の指導は精度保証のために検査前過程でおこなう
- 採血などの検体の採取に関する事項や検体量の確認 , 検体採取から測定開始までの時間の確認といったプロセスも精度保証の一環である
4. 白血球は中間尿に比べて初尿で陽性となりやすい
- 初尿では尿道口付近からの細菌の侵入を防ぐために存在している白血球が混入しやすい
- 淋菌やクラミジアによる尿道炎を疑う場合では初尿で検査する
5. 髄液中のグルコースは血糖に由来する為 , 血糖は髄液検査をおこなう前に測定すべき血液検査項目である
- 髄液中の糖は血糖の60~80%である
6. 肺化膿症でみられる喀痰検査所見として三層痰やディットリッヒ < Dittrich > 栓子がある
- クルシュマン < Curschmann > らせん体は慢性気管支炎や気管支喘息 , シャルコー・ライデン < Charcot-Leyden > 結晶は気管支喘息などのアレルギー性疾患でみられる
7. 寄生虫-終宿主
- 肝吸虫-ヒトを含む哺乳類
- アニサキス-クジラなどの海獣類
- エキノコックス-キツネなどのイヌ科の動物
- トキソプラズマ-ネコ
- 熱帯熱マラリア原虫-ハマダラカ
8. 40歳の男性. 胸部の発赤と腫脹を主訴に来院した. 発赤は次第に腹側正中部に向かって伸び , 帯状や線状になった. 腹部の写真を示す. 食物摂取歴として , 1カ月前にドジョウを生食した.

- 皮膚に広がりがみられる帯状や線状の発赤と腫脹 ( 皮膚爬行疹 ) , ドジョウの生食から考えられるのは顎口虫症である
原因 | |
疥癬 | ヒゼンダニの寄生 |
旋毛虫症 | クマ・ブタ・ネズミなどの肉の生食 |
オンコセルカ症 (回旋糸状虫症 ) | ブユに刺されることによる |
日本住血吸虫症 | ミヤイリガイから遊出したセルカリアの経皮感染 |
9. 寄生虫卵の中でも横川吸虫卵や肝吸虫卵は小さい部類に入る
- 寄生虫卵では回虫受精卵 ( 45~75×35~50 µm ) を中等度の大きさとしている
10. テロメアは細胞分裂の度に短くなり , 細胞の寿命に関係する
- 染色体両腕の末端領域を指し , テロメラーゼにより伸長する
11. 肝硬変に伴う門脈圧の亢進と関連する所見として痔核・脾腫 ( 脾臓の肥大 ) ・食道静脈瘤・腹壁静脈怒張 ( メデューサの頭 ) などが挙げられる
- 下肢静脈瘤は肝硬変に伴う門脈圧の亢進とは関連がない
12. 脂質異常症のWHO分類のうちLDL-コレステロールとトリグリセライドがともに高くなるのはⅡb型である
- Ⅱa型はLDL-コレステロールの増加を認めるが , トリグリセライドの増加は認めない
13. 心筋梗塞の診断におけるトロポニンT ( ※ )
- 感度が高い
- 発症早期から上昇する
- 急性心筋炎の鑑別が必要である
- トロポニンT・トロポニンIは発症後約2週間程度で正常化する
- トロポニンT・トロポニンIは心筋梗塞発症後3~4時間で上昇する
- トロポニンT・トロポニンIより早期に上昇 ( 心筋梗塞発症後2時間以内に上昇 ) する心筋マーカーに心臓型脂肪酸結合蛋白 < H-FABP > がある
※ 解複数 ( 選択肢を1つ選ぶ問に対して解が2つ ) の問題
14. 健常成人の腰椎穿刺による脳脊髄液検査所見 ( 基準値 )
- 外観 無色透明
- 細胞数 5 / μl以下
- 蛋白質 10~40 mg / dl
- クロール 120~128 mEq / L
- グルコース 50~80 mg / dl
15. Turner症候群はX染色体が1本少ない性染色体異常である
- 血友病Aは血液凝固第Ⅷ因子の先天的欠損 , 嚢胞性線維症はCFTR遺伝子の変異 , Huntington病は第4染色体短腕上の遺伝子異常 , フェニルケトン尿症はアミノ酸代謝の酵素あるいは補酵素の欠損による
16. 心電図

- QT時間-約0.52秒
- QRS幅-約0.12秒
- PR時間-約0.18秒
- 電気軸-0~90度の正常軸
- 心拍数-約40回 / 分
- 1分間の心拍数は1500÷R-R間隔から算出することができる
- 上記の心電図の場合はR-R間隔が40 ( 記録紙のR-R間の小さいマスが40個 ) であるため1500÷40=37.5≒38となる

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17. 心房細動でみられる心電図所見としてP波消失やRR間隔不整などがある
- QRS波の消失は心室細動で , 鋸歯状波は心房粗動で , 異常Q波は心筋梗塞でみられる所見である
18. 心室細動は直ちに緊急対応が必要な心電図所見である
- 心室細動は有効な血液駆出がおこなえていない為 , 放置すれば死に至る
19. 足関節上腕血圧比 < ABI >
- 検査時の室温は25 ℃程度が良い
- 検査前は5~10分の安静が必要である
- 上肢は上腕にカフを装着する
- 下肢は足関節にカフを装着する
- 下肢と上肢の収縮期血圧の比で表す
20. 室内気 ( 1気圧 ) における動脈血ガス分析の所見
項目 | 測定値 | |
pH | 7.24 | 基準値:7.35~7.45 |
PaCO2 | 24 Torr | 基準値:35~45 Torr |
PaO2 | 84 Torr | 基準値:80~100 Torr |
HCO3- | 10 mEp / L | 基準値:22~26 mEq / L |
呼吸商を0.8とした場合の肺胞気-動脈血酸素分圧較差 < A-aDo2 > は35 Torrとなる
- 肺胞気-動脈血酸素分圧較差 < A-aDo2 > = ( 149-PsCO2 / 呼吸商 ) -PaO2
- 上記の所見の場合 ( 149-24 / 0.8 ) -84=35 となる
※ 試験問題の選択肢では最も近い36が正答
画像の出典:臨床検査技師国家試験 第64回 午後 別冊
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