第64回 ( 2018年 ) PM41~PM60

臨床検査技師国家試験第64回 ( 2018年 )
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41. 血中濃度モニタリングを必要とする薬剤にジゴキシン ( 強心剤・抗不整脈薬 ) ・タクロリムス ( 免疫抑制薬 ) ・テオフィリン ( 気管支拡張薬 ) ・リチウム ( 双極性障害治療薬 ) などがある

  • このほか , バルプロ酸 , フェニトイン ( 抗てんかん薬 ) やバンコマイシン ( グリコペプチド系抗菌薬 ) なども血中濃度モニタリングの対象である
  • アスピリン ( 抗炎症薬 ) は血中濃度モニタリングを必要としない

42. アドレナリンはアミノ酸誘導体ホルモンである

  • アルドステロンはステロイドホルモン , バソプレッシンはペプチドホルモンである

43. 核内レセプターを介して作用するホルモンには甲状腺ホルモンのトリヨードサイロニン < T3・サイロキシン < T4 > などがある

  • このほか , ステロイドホルモンのテストステロンやエストラジオールなども核内レセプターを介して作用する

44. 早朝起床時に分泌がピークとなるのはコルチゾールである

  • コルチゾールは副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンである

45. 縦隔とは左右の肺と胸椎 , 胸骨に囲まれた部分を指し , 縦隔には胸腺・食道・気管・心臓などが存在する

  • は縦隔に存在しない

46. 特異的かつ遺伝的にプログラムされた生理的刺激による細胞死をアポトーシスという

  • 栄養不足や毒物 , 外傷などの外的環境要因により起こる細胞死のことをネクローシスという

47. 肺癌 ( ※ )

  • 日本における死亡者数は増加傾向にある
  • 扁平上皮癌は肺門領域の発生が多い
  • 小細胞癌は予後不良群に含まれる
  • 腺癌は喫煙に関連する
  • 転移性肺癌は多発性腫瘤を形成することが多い

※ 解複数 ( 選択肢を1つ選ぶ問に対して解が2つ ) の問題

48. 乳癌

  • 一側性に発生することが多い
  • 遠隔転移臓器としては骨が多い
  • ウイルス感染は発症に関与しない
  • 癌の中でも予後が良い癌に分類される
  • 乳房の外側上四分円 ( C領域 ) に発生することが最も多い

49. ピクリン酸を含む固定液にはブアン < Bouin > 液ザンボーニ < Zamboni > 液などがある

  • ピクリン酸は浸透力が強いため単独では使用されず , ブアン < Bouin > 液やザンボーニ < Zamboni > 液として用いられる

50. パラフィン包埋法に用いる中間剤としてキシレンクロロホルムがある

  • 中間剤はアルコールとパラフィンの両方に親和性があり , 組織内のアルコールを除去する目的で用いられる
  • キシレンは政令により劇物に指定されており , クロロホルムは劇物 ( 特定化学物質第2類物質にも該当 ) に指定されている
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51. アンモニア銀を用いる染色法として渡辺の鍍銀法Masson-Fontana染色などがある

  • このほか , PAM染色ではメセナミン銀液 , Kossa反応やGrimelius染色には硝酸銀液が用いられる
染色法用いる銀液
Grimelius染色 ( 神経内分泌細胞の染色 )
Kossa反応 ( 石灰化の証明 )
硝酸銀液
Masson-Fontana染色 ( 内分泌細胞の染色 )
渡辺の鍍銀法 ( 細網線維の染色 )
アンモニア銀液
Grocott染色 ( 真菌の染色 )
PAM染色 ( 糸球体基底膜の染色 )
メセナミン銀液
Bodian染色 ( 神経原線維の染色 )プロテイン銀液

52. toluidine blue染色で異染性を示すものに軟骨基質 ( 赤紫色 ) などがある

  • 組織や細胞が色素本来の色調に染色されることを正染性といい , 色素と異なる色調に染色されることを異染性 ( メタクロマジー ) という

53. 肺の特殊染色標本

第64回午後問53画像
  • Grocott染色Aspergillus属菌 ( 真菌 ) が黒く染色された組織像である
  • このほか, 肺の感染症を疑った際におこなう染色法としてZiehl-Neelsensen染色 ( 肺結核 ) がある
  • Grocott染色ではメセナミン銀を用いる

54. 走査型電子顕微鏡標本の作製過程に超薄切は含まれない

  • 超薄切が必要なのは透過型電子顕微鏡標本の作製時である

55. 電子顕微鏡による検索が有用となるものに糸球体腎炎の分類神経内分泌顆粒の確認などがある

  • 糸球体基底膜の詳細な構造や沈着物が観察できるため , 特に糸球体腎炎の分類において有用である

56. 子宮頸部細胞診のPapanicolaou染色標本の腫瘍細胞所見

第64回午後問56画像
  • 核の増大 , 核小体明瞭 , 核の大小不同 , 細胞質淡明の特徴から腺癌を考える細胞所見である

57. 頸部リンパ節穿刺吸引細胞診のPapanicolaou染色標本

第64回午後問57画像
  • 壊死性背景にオレンジG好染性の扁平上皮癌がリンパ節転移した像である

58. 医薬用外劇物に指定されているものにメタノールホルムアルデヒドなどがある

  • このほか , キシレンや塩酸も医薬用外劇物に含まれる
  • ホルムアルデヒドは特定化学物質の第2類物質にも該当する

59. 骨髄穿刺液のMay-Giemsa染色標本

第64回午後問59画像
  • 矢印で示されるのは , 泡沫状の細胞質をもち , 楕円形の核をもつマクロファージである
  • マクロファージは貪食作用があり , 貪食したものの抗原を提示し , サイトカイン産生もおこなう. 変性コレステロールを取り込んで動脈硬化の形成にも関与している
  • 免疫グロブリンの産生は形質細胞がおこなう

60. 血小板の粘着は一次止血である

  • 組織因子の発現 , トロンビンの産生は二次止血である

画像の出典:臨床検査技師国家試験 第64回 午後 別冊

■ 続きの解説は《 こちら

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