21. 動脈血酸素含量 ( Cao2 ) は Cao2 ( mL / dL ) =0.003×Pao2+1.34×Hb ( ヘモグロビン濃度 ) ×Sao2 / 100 の式から求める
- Pao2 ( 動脈血酸素分圧 ) :基準値 80~100 Torr
- Sao2 ( 動脈血酸素飽和度 ) :基準値 95~98%
- 動脈血酸素飽和度は , COオキシメータや血液ガス分析装置で測定したものをSao2 , パルスオキシメータで経皮的に測定したものをSpO2 ( 経皮的動脈血酸素飽和度 ) と表記する
22. 呼吸性アシドーシスではpH ( 基準値:7.35~7.45 ) が低下し , Paco2 ( 基準値:35~45 Torr ) が増加 , HCO3– ( 基準値:22~26 mEq / L ) は腎性代償により増加する
- 呼吸性アシドーシスでは肺胞換気量の低下により肺拡散能 ( DLco ) は低下する
23. 超音波画像にみられる音響陰影の説明
- 強い減衰の後方にみられやすい
- 強い反射の後方にみられやすい
- 結石の後方にみられやすい
- ガス ( 空気 ) の後方にみられやすい
- 嚢胞などの液体部分の後方にみられるのは後方エコー増強である
24. 大動脈弁狭窄の超音波検査で弁口部の最高流速が4 m / sのとき狭窄前後の圧較差 [ mmHg ] は64 mmHgとなる
- 狭窄弁口部圧較差は連続ドプラ法で計測した狭窄弁口最大流速度から簡易ベルヌーイ式 ⊿P ( 圧較差 ) =4V2 ( V:最高血流速度 ) で求めることができる
25. 疾患-脳波所見
- 亜急性硬化性全脳炎-周期性同期性高振幅徐波結合
- 肝性脳症-三相波
- 欠神発作-3 Hz棘徐波複合
- 脳動脈硬化症-広汎性α波
- もやもや病-re-build up ( 呼吸負荷 )
26. 脳磁図検査 < MEG > は磁気がシールドされた部屋で超伝導量子干渉計を用いて脳の電気的磁場を捉える検査で , 体性感覚刺激装置を用いた変化を記録する場合があり , 事前撮影したMRI画像を用いる
- ヘッドキャップ型電極は脳波を記録する際に使用する電極である
27. 聴性脳幹反応 < ABR > -起源
- Ⅰ波-蝸牛神経
- Ⅱ波-蝸牛神経核
- Ⅲ波-上オリーブ核
- Ⅳ波-外側毛帯
- Ⅴ波-中脳下丘
28. 末梢神経
- 室温が低下すると伝導速度は遅くなる
- Aδ線維の伝導速度はAα線維より遅い
- シナプスの興奮は一方向に伝達される
- 無髄神経の伝導速度は有髄神経より遅い
- 神経筋接合部の伝達物質はアセチルコリンである
- 神経線維は興奮を両方向に伝える
29. 飛行時間型質量分析 < TOF-MS > 法
- イオンは超高真空中を飛行する
- イオンの電荷は飛行時間に影響する
- イオンは一定の電圧によって加速 , 引き出される
- イオンの飛行速度はエネルギー保存の法則から算出される
- イオン化にはマトリックス支援レーザー脱離イオン化 < MALDI > 法が汎用される
30. へキソキナーゼ・グルコース6リン酸脱水素酵素法を用いた血清グルコース測定における反応終結時の試薬対照における吸収スペクトルを示す.
主波長340 nmと副波長400 nmによる二波長法で測定した場合 , 患者血清のグルコース濃度は160 [ mg / dl ] となる.
- 二波長法での計算式は主波長の吸光度をλ1 , 副波長の吸光度をλ2とすると
患者血清グルコース濃度 [ mg / dl ] = ( 血清のλ2とλ1の吸光度差 / 標準液λ2とλ1の吸光度差 ) ×標準液濃度 となる
- 主波長が340 nm ,副波長は400 nmの上記の場合では( 0.85-0.25 / 0.75-0 ) ×200=160 mg / dlとなる
31. イオン選択電極法による測定では臭素中毒により血清Cl ( 基準値:98~108 mEq / L ) の異常高値が生じる
- Cl測定のイオン選択電極膜は第4級アンモニウム塩であるためハロゲン属イオン ( 臭素やヨウ素 ) の影響をうけて正誤差 ( 高値 ) となる
- 嘔吐・尿崩症・Cushing症候群では血清Na ( 基準値:137~147 mEq / L ) が高値となり , Addison病では血清Naが低値となる
32. 患者血清のLDアイソザイムパターン
- 心筋 , 赤血球由来のLD1 , LD2優位型であることから考えられる疾患は心筋梗塞や溶血性貧血である
- LDアイソザイムは陽極からLD1・LD2・LD3・LD4・LD5の順に電気泳動される
- 急性リンパ性白血病ではLD2 , LD3優位型を示す
- 急性肝炎および横紋筋融解症はLD4 , LD5優位型を示す
33. log2=0.301のとき , 吸光度が0.903の透過率 [ % ] は12.5となる
- 吸光度 ( A ) と透過率・透過光 ( I ) の関係はランベルト・ベールの式からA=log ( I0 / I ) =ε・C・d ( ε:モル吸光係数・C:濃度・d:光路長 ) , 入射光 ( I0 ) を100%としてA=log ( 100 / I ) となる
上記の場合では
- 0.903=log ( 100 / I )
- 0.903=3×0.301=3×log2=23
- 23=100 / I
- I=12.5
となる
34. アミノ酸-分類
- リジン-塩基性アミノ酸
- アルギニン-塩基性アミノ酸
- ヒスチジン-塩基性アミノ酸
- アスパラギン-中性アミノ酸
- グルタミン酸-酸性アミノ酸
- ”アスパラギン”は中性アミノ酸であるが、”アスパラギン酸”は酸性アミノ酸である
35. ビウレット法
- 血清総蛋白の定量法である
- キレート呈色反応である
- 呈色反応は強アルカリ性下でおこなう
- 測定試薬は青色である
- 呈色はペプチド結合の数に比例する
36. 日本臨床化学会 < JSCC > 勧告法の試薬中に酵素が含まれているのはアミラーゼ ( 酵素:α-グルコシダーゼ ) とコリンエステラーゼ ( 酵素:4-ヒドロキシ安息香酸水酸化酵素 ) である
37. 血清亜鉛は溶血性貧血や甲状腺機能亢進症 , Addison病で高値を示す
- 褥瘡・妊娠・低栄養・味覚障害では亜鉛は低値を示す
38. HPLC法によるHbA1c測定値が低下 ( 偽低値 ) する要因として溶血性貧血や肝硬変 , 腎不全などがある
- 鉄欠乏性貧血の回復期でも偽低値となる
- 尿毒症・乳び血症・アスピリンやアスコルビン酸の大量摂取では偽高値となる
39. 脱水やうっ血性心不全では血清クレアチニンが上昇する
- 妊娠・尿崩症・筋ジストロフィでは血清クレアチニン値は低下傾向となる
40. グルカゴンの作用によって促進するのは糖新生とグリコーゲン分解である
- 糖と遊離脂肪酸の取り込みはインスリンの作用である
画像の出典:臨床検査技師国家試験 第65回 午前 別冊
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