第66回 ( 2020年 ) 解説 PM61~PM80

臨床検査技師国家試験第66回 ( 2020年 )
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61. 赤芽球の鉄染色標本の模式図

  • Cが環状鉄芽球である
  • 核の周囲に全周の1 / 3以上にわたり5個以上の ( ミトコンドリアに沈着した ) 鉄顆粒を認める場合を環状鉄芽球という
  • 環状鉄芽球は骨髄異形成症候群 ( MDS ) などでみられる

62. 過分葉好中球が認められるビタミン欠乏症はビタミンB12欠乏症である

  • 過分葉好中球を認める代表的疾患に巨赤芽球性貧血があり , 巨赤芽球性貧血はビタミンB12や葉酸の欠乏によって生じる

63. 骨髄穿刺液塗抹のMay-Giemsa染色標本

  • アウエル小体が束状になったファゴット細胞を認める病的な前骨髄球であり , 急性前骨髄性白血病 ( APL ) であると考えられる
  • 急性前骨髄性白血病 ( APL ) は播種性血管内凝固 ( DIC ) を併発することが多いが , 播種性血管内凝固 ( DIC ) ではPT延長・FDP上昇・血小板数減少・赤血球沈降速度遅延を認める
  • 急性前骨髄性白血病 ( APL ) に伴う播種性血管内凝固 ( DIC ) ではアンチトロンビンは低下することはあるが , 上昇はみられない

64. 血小板顆粒に含まれ , 血管の収縮作用をもつのはセロトニンである

  • 血小板はα顆粒・濃染顆粒・リソソームの3つの顆粒成分を有するが , セロトニンは濃染顆粒から放出される

65. 骨髄穿刺液をフローサイトメトリ法でCD45ゲーティングした細胞集団の所見

  • 矢印で示され , 囲まれている部分の細胞はCD45強陽性で側方散乱光が最も弱いリンパ球である
  • 白血病細胞 ( CD45弱陽性 ) と正常細胞 ( CD45強陽性 ) を分離するためにCD45ゲーティングが用いられる

66. 赤血球に出現する封入体に好塩基性斑点Schuffner斑点などがある

  • 好塩基性斑点は鉛中毒などで出現する斑点である
  • Schuffner斑点は三日熱マラリアや卵形マラリアの感染でみられる
  • 中毒性顆粒とDohle小体は重症感染症などで好中球にみられる封入体 , Russell小体は多発性骨髄腫などで形質細胞にみられる封入体である

67. 特殊染色-試薬

  • 鉄染色-2%塩酸溶液
  • PAS染色-1%過ヨウ素酸溶液
  • ペルオキシダーゼ染色-3%過酸化水素水
  • 非特異的エステラーゼ染色αナフチルブチレート
  • アルカリホスファターゼ染色-ナフトールAS-MXホスフェート
    • 非特異的エステラーゼ染色では単球系細胞に強い反応を示すαナフチルブチレート ( NaFで阻害される ) を基質としたものと骨髄系細胞に強い反応を示すナフトールAS-Dクロロアセテートを基質としたものがある
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68. Gram陰性菌の菌体でリポ多糖体 ( LPS ) からなるのは外膜である

  • Gram陰性菌の死滅によって遊出するエンドトキシンは外膜に由来する

69. 加温染色をおこなう染色法としてZiehl-Neelsen染色 ( 抗酸菌染色 ) ・Wirtz法 / Moller法 ( 芽胞染色 ) ・Hiss法 ( 莢膜染色 ) などがある

  • Neisser染色 ( Corynebacterium diphtheriaeの異染小体 ) ・Giménez染色 ( Legionella属菌 ) ・オーラミンO染色 ( 蛍光染色 ) では加温はしない

70. Skirrow寒天培地 ( Campylobacter属菌の選択培地 ) やThayer-Martin寒天培地 ( Neisseria属菌の選択培地 ) では選択物質として抗菌薬を含む

  • Skirrow寒天培地 ( Campylobacter属菌の選択培地 ) ではポリミキシンB・バンコマイシン・トリメトプリム , Thayer-Martin寒天培地 ( Neisseria属菌の選択培地 ) ではバンコマイシン・コリスチン・ナイスタチンを抗菌薬として含む
  • このほか , ペニシリンを抗菌薬として含むPPLO寒天培地 ( Mycoplasma属菌の選択培地 ) などがある

71. Pseudomonas aeruginosa ( 緑膿菌 )

  • 極単毛 ( 1本の鞭毛 ) を有する
  • 硝酸塩を還元する
  • ピオシアニン ( 緑色色素 ) を産生する
  • ブドウ糖非発酵のグラム陰性桿菌である ( TSI培地を黄変しない )
  • アシルアミダーゼ試験陽性である
    • このほか , オキシダーゼテスト陽性の生化学的性状を有する

72. 形質導入はバクテリオファージが起こす現象である

  • 形質転換は遺伝情報の受け渡しによるもの , 接合伝達はプラスミドを相互で受け渡す現象 , 突然変異はDNA複製の過程でエラーが起こり塩基配列に変化が起こる現象である

73. 抗菌薬-作用機序

  • イミペネム ( カルバペネム系 ) -細胞壁合成阻害
  • エリスロマイシン ( マクロライド系 ) -蛋白合成阻害
  • ゲンタマイシン ( アミノグリコシド系 ) -蛋白合成阻害
  • バンコマイシン ( グリコペプチド系 ) -細胞壁合成阻害
  • レボフロキサシン ( ニューキノロン系 ) -核酸合成阻害

74. 消毒薬-水準

  • 過酢酸-高水準消毒薬
  • クロルヘキシジン-低水準消毒薬
  • 消毒用エタノール-中水準消毒薬
  • グルタルアルデヒド-高水準消毒薬
  • 次亜塩素酸ナトリウム-中水準消毒薬
    • このほか , 高水準消毒薬にフタラールがある
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75. 腎臓移植後に肺炎をきたした患者の喀痰のGram染色標本及びKinyoun染色標本

  • Nocardiaが推定される
  • Gram染色で分岐状の桿菌が観察され , Kinyoun染色で赤色に染色された放線菌がみられることからNocardia属菌であると考えられる
  • Nocardia属菌は臓器移植後 ( 免疫抑制剤投与 ) などの易感染患者に感染を起こす

76. Exophialaは細胞壁にメラニン色素を保有する

  • 黒色の集落を形成する真菌は黒色真菌と呼ばれ , 細胞壁にメラニン色素を保有する
  • 病原性の黒色真菌にExophiala属・Fonsecaea属・Phialophora属・Cladophialophora属がある

77. ウイルス-疾患

  • EBウイルス伝染性単核球症
  • ロタウイルス乳幼児急性胃腸炎
  • アデノウイルス-流行性角結膜炎・咽頭結膜熱 ( プール熱 )
  • コクサッキーウイルス-手足口病など
  • サイトメガロウイルス-先天性巨細胞封入体症

78. β-ラクタマーゼ分類 ( Ambler分類 )

  • ペニシリナーゼ-クラスA
  • オキサシリナーゼ-クラスD
  • セファロスポリナーゼ-クラスC
  • メタロ-β-ラクタマーゼ-クラスB
  • 基質拡張型β-ラクタマーゼ-クラスA
    • クラスA , C , Dに分類されるβ-ラクタマーゼは活性中心にセリン残基を有し , クラスBに分類される ( メタロ ) β-ラクタマーゼは活性中心に亜鉛イオンを有する

79. ABO不適合輸血の検査結果

  • AST-上昇
  • LD-上昇
  • カリウム-上昇
  • ハプトグロビン-低下
  • 遊離ヘモグロビン-上昇
    • ABO不適合輸血は血管内溶血が大部分であるため , 溶血 ( 赤血球が崩壊 ) することにより赤血球中の成分が放出されて上昇する

80. 輸血関連急性肺障害 ( TRALI ) は輸血開始から輸血終了後6時間以内に発症する

  • 輸血関連急性肺障害 ( TRALI ) では両側肺野の浸潤影がみられ , 女性ドナー由来血漿製剤で発生率が高い
  • 心陰影拡大を認め , 大量輸血や急速輸血に際して生じるのは輸血関連循環過負荷 ( TACO ) である
  • 輸血後のアレルギー反応により全身に蕁麻疹を認めることがあるが , 輸血関連急性肺障害 ( TRALI ) や輸血関連循環過負荷 ( TACO ) とは直接関係がない

画像の出典:臨床検査技師国家試験 第66回 午後 別冊

■ 続きの解説は《 こちら

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