81. 新生児溶血性疾患を引き起こす抗体に抗Eや抗Mがある
- 胎盤を通過できる母体のIgG抗体が児に移行することにより起こる
- 抗M抗体の多くはIgMの自然抗体であるが , ごくまれにIgG抗体が認められる場合がある
- 新生児溶血性疾患のほとんどがABO不適合 , 抗E抗体などのRh不適合によるもので , 約1割弱が抗M抗体 ( MNS血液型 ) などのその他の血液型によるものである
82. 健常人の末梢血リンパ球で最も数が多いのはCD3陽性細胞である
- 多い順に CD3陽性細胞 > CD4陽性細胞 > CD8陽性細胞 > CD56陽性細胞 > CD19陽性細胞 となる
- CD3は成熟T細胞に陽性 , CD4はヘルパーT細胞・インデューサーT細胞に陽性 , CD8はキラーT細胞・サプレッサーT細胞に陽性 , CD56はNK細胞に陽性 , CD19はB細胞に陽性である
83. マイトジェン-刺激する細胞
- コンカナバリンA < Con A > -T細胞
- リポポリサッカライド < LPS > -B細胞
- フィトヘムアグルチニン < PHA > -T細胞
- ポークウィードマイトジェン < PWM > -T細胞およびB細胞
- スタフィロコッカス・アウレウスコーワン1 < SAC > -B細胞
84. ツベルクリン反応 ( Ⅳ型アレルギー )
- ツベルクリン反応 ( Ⅳ型アレルギー ) は感作T細胞が抗原と反応することによりインターフェロンγ < IFN-γ > などのサイトカインが放出され , マクロファージや細胞障害性T細胞を活性化 ( 細胞性免疫を誘導 ) して , 活性化したマクロファージがプロスタグランジンなどを放出する
- この反応に補体は関与しない
85. 抗体同定検査の抗原表及びカラム凝集法の間接抗グロブリン試験の結果を示す. 可能性の高い抗体はどれか.
- 可能性の高い抗体として抗Eと抗Fyaが考えられる
※ この設問の選択肢として存在するのは抗Eのみであるため , 抗Eが正答である
86. 輸血後の反応
- 赤血球液の50℃の加温で溶血所見がみられる ( 非免疫性輸血反応 )
- 急性の溶血性輸血反応は輸血開始直後に発症する
- 急性の非溶血性輸血反応は主に発熱やアレルギー症状である
- 遅発性の溶血性輸血反応の原因は主にRh不適合などの不規則抗体により起こる
- 急性の溶血性輸血反応の原因は主にABO血液型に対する抗体 ( 規則抗体 ) である
87. 標識抗原抗体反応
- 蛍光抗体法-フルオレセインイソチオシアネート < FITC >
- 酵素免疫測定法-アルカリホスファターゼ
- 化学発光免疫測定法-ルミノール
- 生物発光免疫測定法-ルシフェラーゼ
- 電気化学発光免疫測定法-ルテニウム
- 金コロイドは抗体などに結合させて標識として用いる
88. 検査結果-解釈
- IgG型HA抗体陽性-A型肝炎の既往・A型肝炎ワクチン接種後
- HBe抗体陽性-B型肝炎の回復期 ( 鎮静化 )
- HBs抗体陽性-B型肝炎の既往・B型肝炎ワクチン接種後
- IgM型HBc抗体陽性-B型肝炎の発症
- HCV抗体陽性-C型肝炎の発症・C型肝炎の既往
- C型肝炎に現在感染しているのか , 既往歴があるのかの判定はHCV-RNAの測定によりおこなわれる
89. CRP
- 肝臓で産生される
- オプソニン作用がある
- 急性相反応物質である
- 肺炎球菌のC多糖体と結合する
- インターロイキン6 < IL-6 > により誘導される
90. 老年化指数は国勢調査により分かる
- 粗死亡率・平均寿命・総再生産率・合計特殊出生率は人口動態統計により分かる
91. ある疾患の有病率を調べるためにおこなうのは横断研究である
- コホート研究は疾患の罹患率を長期にわたり追跡する
- 症例集積研究は記述研究である
- 症例対照研究は対照群と症例群を設定し , 過去に遡って曝露の有無を比較する
- 生態学的研究は曝露群と疾病頻度を比較する
92. 特定健康診査
- 対象者は40~74歳である
- 根拠法は高齢者の医療の確保に関する法律である
- 基本項目に尿蛋白などの尿検査が含まれる
- 実施主体は医療保険者である
- メタボリックシンドロームに着目している
93. 作業環境管理に該当するものに局所排気装置の設置や作業場の管理区分の判定が挙げられる
- 保護具の使用・労働時間の短縮は作業管理 , 特殊健康診断の実施は健康管理に該当する
94. 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 < 感染症法 >
- 結核-二類感染症
- コレラ-三類感染症
- 痘そう-一類感染症
- ペスト-一類感染症
- ジフテリア-二類感染症
95. 銅製導線が長さ20.0 m , 断面積0.10 mm2のとき , 銅の抵抗率を1.68×10-8Ωmとすると , その両端間の抵抗値 [ Ω ] は3.36 Ωである
- 抵抗率:ρ [ Ω・m ] , 長さ:L [ m ] , 断面積:S [ m2 ] , 抵抗値:R [ Ω ]
- R=ρL / S
- 1.68×10-8×20.0÷( 0.1×10-6 ) =3.36Ω
96. 商用交流によるマクロショック ( 体表面から流入する電流による電撃 ) の最小感知電流は1 mAである
- 商用交流による離脱限界電流は10 mA , 心室細動電流は100 mAである
- ミクロショック ( 心臓に直接流入する電流による電撃 ) の心室細動電流は1 mAである
97. コンピュータのハードディスク装置の信頼性向上のために利用されるのはRAIDである
- GPUはリアルタイム画像処理に特化した演算装置またはプロセッサである
- BIOSは主にハードウエアを制御するプログラムである
- DHCPはIPv4ネットワークで使用されるネットワーク管理プロトコルである
- RS-232Cはシリアル通信規格である
98. 300種類の検査項目をコード化する場合 , 最小限必要な記憶容量は9 bitである
- 記憶容量 [ bit ] は2進数で表される
- 300種類をコード化するためには2nが300以上でなければならない
-
28=256 , 29=512であるため , 最低9 bitが必要となる
99. ネットワーク情報システムに外部からの侵入を許す原因となるものにOSの自動アップデートの中止が挙げられる
- 古いプログラムに脆弱性があった場合 , サイバー攻撃により外部からの侵入を許すことになる
100. 電子天秤の設置場所
- 気流がない
- 可動せず水平である
- 温度が20℃程度である
- 直射日光が当たらない
- 相対湿度が60%である
- 相対湿度が低くなると静電気の影響により測定値が不安定となる
画像の出典:臨床検査技師国家試験 第67回 午後 別冊
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