第69回 ( 2023年 ) 解説 AM41~AM60

臨床検査技師国家試験第69回 ( 2023年 )
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41. ミトコンドリアは二重の膜構造を有する

  • 真核細胞の中で二重の膜構造を有するものとして上記に加えて葉緑体が挙げられる

42. 血中LD / AST比

  • 白血病−20以上
  • 急性肝炎−5以下
  • 心筋梗塞−5〜20
  • 多発性筋炎−5〜20
  • 溶血性貧血−20以上

43. 欠乏すると巨赤芽球性貧血を引き起こすのは葉酸ビタミンB12である

  • ビタミンB6の欠乏では皮膚炎や口内炎など , ビタミンCの欠乏では壊血病 , ビタミンKの欠乏では新生児メレナなどが生じる

44. ビタミンBの誘導体を補酵素とするのはASTとALTである

  • ASTとALTはビタミンBの誘導体であるピリドキサルリン酸を補酵素とする

45. 子宮頸部擦過細胞診のPapanicolaou染色標本

  • Bethesdaシステムによる判定はHSILである

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NILM陰性 ( 異常なし )
ASC-US軽度扁平上皮内病変疑いあり
LSILHPV感染 , 軽度異形成
ASC-H高度扁平上皮内病変疑いあり
HSIL中等度異形成 , 高度異形成 , 上皮内癌
Adenocarcinoma腺癌の疑い
Squamous cell carcinoma ( SCC )扁平上皮癌の疑い

46. 解剖の目的

  • 人体の正常な構造を明らかにすること−系統解剖
  • 犯罪との関係が疑われる死体を調べること−司法解剖
  • 災害で亡くなった人の死因を明らかにすること−行政解剖
  • 生前におこなわれた治療の効果を明らかにすること−病理解剖
  • 病気で亡くなった人の死因を明らかにすること−病理解剖

47. H-E染色標本とパラフィンブロックの肉眼写真

  • このH-E染色標本にみられる問題の原因は薄切の面出し不足である
  • 薄切はパラフィンブロック内に埋もれている組織片の全面が露出するまで粗削り ( 面出し ) する必要があるが , この標本はその操作が不足しているためH-E染色像で白く抜けている部分が広範囲になっている
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48. 気管支の特殊染色標本

  • 染色法はAlcian blue染色である
  • Alcian blue染色は酸性粘液 ( 上皮性粘液細胞が分泌するムチンなど ) を青色に染色する

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特殊染色目的物質と染色態度
Nile blue染色中性脂質:赤色 酸性脂質:青色
Berlin blue染色ヘモジデリン / アスベスト小体:青色 核:赤色
Alcian blue染色酸性粘液 / 軟骨基質の主成分であるコンドロイチン硫酸など:青色
Victoria blue染色弾性線維 / HBs抗原:青色
toluidine blue染色酸性粘液 / 軟骨基質の主成分であるコンドロイチン硫酸などアミロイド / 肥満細胞:赤紫色 ( メタクロマジー )

49. 甲状腺濾胞細胞で産生されるのはサイログロブリンである

  • カルシトニンは甲状腺傍濾胞細胞から , パラトルモンは副甲状腺から , ソマトスタチンは膵臓ランゲルハンス島δ細胞などから , 甲状腺刺激ホルモンは下垂体前葉の甲状腺刺激ホルモン分泌細胞から分泌される

50. 子宮筋層や血管 , 消化管は平滑筋である

  • 心筋・舌筋・横隔膜・表情筋などは横紋筋である

51. 喫煙・悪性腫瘍・心房細動・脂質異常症などは血栓の誘因となる

  • ビタミンK欠乏はビタミンK依存性凝固因子 ( 第II・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹ因子 ) , ビタミンK依存性凝固制御因子 ( プロテインC・プロテインS ) の産生が低下し , 出血傾向を呈する

52. 我が国における肺の悪性腫瘍のうち最も頻度が高いのは腺癌である

  • 原発性肺癌の代表的組織型に腺癌 , 扁平上皮癌 , 小細胞癌 , 大細胞癌の4種類がある
  • 腺癌 , 扁平上皮癌 , 小細胞癌 , 大細胞癌の順に頻度が高い

53. 遺伝子解析の際に推奨される脱灰液はエチレンジアミン四酢酸〈 EDTA 〉液である

  • 3%塩酸水溶液 , 5%硝酸水溶液 , 5%トリクロロ酢酸水溶液 , プランク・リクロ〈 Plank-Rychlo 〉液などの酸を用いた脱灰法ではDNAの断片化が顕著であるが , 中性脱灰法であるエチレンジアミン四酢酸〈 EDTA 〉液では断片化の少ないDNA抽出が可能になる

54. 細胞診検査材料のうち髄液は低速遠心で集細胞法をおこなう

  • 集細胞法を用いる検査材料には尿や体腔液 ( 胸水や腹水など ) などがあるが , 髄液は蛋白成分が少なく細胞変性が生じやすいため低速で遠心する必要がある
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55. 急性炎症で特徴的にみられる現象に好中球浸潤 , 血漿成分の滲出などがある

  • 慢性炎症ではリンパ球や形質細胞の浸潤がみられる

56. 肺動脈臍帯動脈には静脈血が流れている

  • 肺静脈と臍帯静脈には動脈血が流れている

57. H-E染色のエオジン液に加えるのは酢酸である

  • エオジンの色素分子は水溶液中で ( − ) に帯電しているため , 組織中の ( + ) に帯電している部分に結合するが , 組織構成成分はエオジン水溶液中では全般的に ( − ) に帯電している部分が多い→少量の酢酸を加えることによって組織構成成分がより ( + ) に帯電し , ( − ) に帯電しているエオジンが結合しやすくなる

58. 縦隔は肺・胸椎・胸骨に囲まれた部分を指し , 気管, 胸腺 , 食道 , 心臓などが含まれる

  • は縦隔には含まれない

59. 造血

  • Tリンパ球は胸腺で成熟する
  • 髄外造血は胎生期に認められる
  • 免疫グロブリンは形質細胞で合成される
  • エリスロポエチンは腎臓で産生される
  • トロンボポエチンは主に肝臓で産生される
    • Bリンパ球は骨髄で成熟する

60. 血液塗抹標本の染色法

  • 正常赤芽球はPAS染色で陰性となる
  • 鉄染色は鉄芽球性貧血の診断に有用である
  • May-Giemsa染色は細胞形態の観察に適する
  • 成熟好中球はペルオキシダーゼ染色で陽性となる
  • 非特異的エステラーゼ染色はフッ化ナトリウムで阻害される
    • 非特異的エステラーゼ染色は単球系細胞で陽性となる

■ 続きの解説は《 こちら

画像の出典:臨床検査技師国家試験 第69回 午前 別冊

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