第70回 ( 2024年 ) 解説 PM1~PM20

臨床検査技師国家試験第70回 ( 2024年 )
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1 40歳の女性. 生しらうおの食歴がある. 皮膚病変を示す. 

  • 顎口虫の皮膚幼線虫移行症が考えられる
  • 顎口虫の第一中間宿主はケンミジンコ , 第二中間宿主が淡水魚 ( ドジョウなど ) やヘビ , 終宿主がイヌやイノシシである
  • 顎口虫はヒト体内では成虫に発育できず幼虫が皮下を移行する

2. 病原体と染色法

  • マラリア−Giemsa染色
  • 赤痢アメーバHematoxylin染色・PAS染色
  • トキソプラズマ−Giemsa染色
  • リーシュマニア−Giemsa染色
  • クリプトスポリジウム−Kinyoun染色

3. 有鉤条虫は嚢虫症をきたす

  • 嚢虫症はヒトの便中に排泄された有鉤条虫の虫卵を経口摂取することにより発生する

4. パニック値

  • 基準は施設ごとに異なる
  • 生理機能検査が含まれる
  • すぐに対応しなければならない値である
  • 生命に危険がある値のことである
  • 報告方法はあらかじめ取り決めをしておく

5. 病院内における許容される行為

  • 診療放射線技師が腹部超音波検査をおこなう
  • 倫理委員会の承認を受けた研究に残余検体を使用する
  • 採血をおこなった際に患者の氏名に加えて生年月日を訪ねる
  • ベッドサイド検査の際に患者確認のため患者情報をプリントアウトして持参した
    • 医師からの指示であったとしても臨床検査技師が医師名で電子カルテを開いて検査オーダーを入力することは認められていない
    • 医師の電子カルテの代行入力が認められているのは医師事務作業補助者のみである

6. 尿試験紙による尿蛋白検査

  • 感度は15−30 mg / dlである
  • アスコルビン酸の影響を受けない
  • 強アルカリ尿で偽陽性となる
  • アルブミン以外の蛋白には反応性が低い
  • 感度はスルホサリチル酸法より低い
    • スルホサリチル酸法の感度は5 mg / dl程度である

7. 結核性髄膜炎で見られる脳脊髄液所見

  • 細胞数の中等度増加
  • Cl濃度低下
  • 蛋白の増加
  • 糖の低下
  • リンパ球優位の細胞増多
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8. PCR法

  • アニーリング温度が高いと特異性が高くなる
  • プライマー濃度は0.1〜0.6μMが最適である
  • 増幅しにくい場合にはアニーリング温度を下げる
  • プライマーの塩基配列はGC含有量を40〜60%にする
  • アニーリング温度はプライマーのTm値以下に設定する
    • Tm値とは二本鎖DNAの50%が一本鎖DNAに分かれるときの温度である

9. 染色体

  • ヒト体細胞の染色体数は23対である
  • 染色体の中央部は動原体蛋白に覆われている
  • 染色体中心部のくびれたDNA領域をセントロメアという
  • ヌクレオソームはDNA鎖とヒストン8量体から成る
  • 1本の染色体から複製された染色体を姉妹染色体と呼ぶ

10. 尿沈渣の無染色標本

  • 矢印で示される結晶はリン酸アンモニウムマグネシウムである

11. 一次救命処置 ( bacic life support:BLS ) 

  • 気道確保
  • 胸骨圧迫心マッサージ
  • 自動体外式除細動器 ( AED ) の使用
  • 人工呼吸
    • 静脈路確保は二次救命処置に含まれる

12. 慢性腎不全の検査値

  • 血清尿酸上昇
  • 血清総蛋白−低下
  • 糸球体濾過量−低下
  • 血清エリスロポエチン−低下
  • 血清活性型ビタミンD3−低下

13. 診断の根拠になる自己抗体と疾患の組み合わせ

  • 抗平滑筋抗体−自己免疫性肝炎
  • 抗ミトコンドリア抗体−原発性胆汁性胆管炎
  • 抗CCP抗体−関節リウマチ
  • 抗RNP抗体混合性結合組織病 ( MCTD )
  • 抗TSH受容体抗体−バセドウ病

14. 急性心筋梗塞のバイオマーカー

  • ミオグロビン・心臓型脂肪酸結合蛋白 ( H-FABP )・心筋トロポニンT・CK-MB・AST・LD・ミオシン軽鎖の順に上昇する
  • 心筋梗塞で増加するLDはLD1およびLD2である
    • ALPは心筋梗塞発症時に上昇しない
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15. Creutzfeldt-Jacob病はプリオン病である

  • Alzheimer病やParkinson病は神経細胞への異常蛋白の蓄積が原因である
  • Guillain-Barré症候群は感冒等の上気道感染やCampylobacter jejuni感染後に末梢神経が障害される
  • 進行性筋ジストロフィは筋細胞が徐々に破壊されていくことにより , 進行性の筋力低下を認める遺伝性の疾患である

16. 標準12誘導心電図

  • 低K血症が考えられる
  • V1〜V4にかけてU波が出現し , 肢誘導およびV5 , V6ではT波とU波の融合が認められ , QT間隔が延長しているようにみえ , T波の平低化とST低下も認める
高カリウム血症テント状TQT間隔の短縮
低カリウム血症QT間隔の延長・Uの増高・Tの平低化・ST低下
高カルシウム血症QT間隔の短縮                                       
低カルシウム血症QT間隔の延長

17. トレッドミル負荷試験

  • 未治療の不安定狭心症は禁忌である
  • 目標心拍数を220−年齢から算出する
  • Mason-Liker誘導を用いる
  • 患者が下肢の疲労で運動の中止を希望したら中止する
  • 運動を中止後も心電図を記録し , 経過観察する

18. 健康成人の大気からミトコンドリアまでの酸素カスケードを示す.

  • 肺胞気−動脈血酸素分圧較差はである
  • ①は吸入気から肺胞気を示す
  • ③は吸入気から動脈血を示す
  • ④は肺胞気からミトコンドリアを示す
  • ⑤は動脈血からミトコンドリアを示す

19. クロージングボリューム ( CV ) 測定における単一呼出曲線

  • 第Ⅰ相のN2濃度は0%である
  • 第Ⅱ相は死腔気と肺胞気の混合ガスである
  • 第Ⅲ相で認められる振動は心拍によって発生する
  • 第Ⅳ相の傾きは第Ⅲ相の傾きよりも大きい
  • 第Ⅳ相はCV位から最大呼気位までに相当する

20. 肺胞換気量は二酸化炭素排出量が一定のとき動脈血二酸化炭素分圧と反比例の関係にある

  • 肺胞換気量と動脈血二酸化炭素分圧 ( PaCO2 ) は肺胞換気式 PaCO2=0.863×( VCO2 / VA )より反比例の関係である
  •  VCO2=二酸化炭素呼出量 , V/A=肺胞換気量

■ 続きの解説は《 こちら

画像の出典:臨床検査技師国家試験 第70回 午後 別冊

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