勉強にはいろいろなやり方があります。例えば…
- ひたすらノートに書いて覚える
- 分野別に分けて覚えていく
- 分野ごとのまとめを作っていく
- スマホなどのアプリでひたすら問題を解いていく
- いろいろな参考書を読み込む
- 学校の国家試験対策講義で勉強する
- 赤本を読みまくる
など…
これらの勉強法はすべて正解でもあります。
しかし、”効率”で考えると最良の方法であるとは言えません。
最短合格の為に効率を考える
なぜ、前述した勉強法では効率が悪いか?
それは、すべてが国家試験の過去問をベースに自作 ( まとめノートなど ) したり、独自の解説で必要な知識以上のことがわざわざ書いてあったりして、しばしば「国家試験に合格する ( したいだけ ) 」という観点からすると遠回りになっていることがあるからです。
参考書も国家試験対策講義もすべて国家試験の過去問をベースに解説なり解答が作られています。当たり前ですが…
そのため、上記の勉強法もある意味正解でもあります。
しかし、効率よく勉強をしていかなければなりません。
なぜなら、国家試験の試験日は全国共通で受験者の勉強の進捗状況に関わらず決まっているからです。国家試験の勉強を始めた日から試験当日までのカウントダウンは始まっている訳で、限られた時間の中で逆算して勉強していかなければならないのです。
効率のよい勉強法は?
結論から言うと裏解答 ( 選択肢一つ一つを正しい文章に直す ) を覚えることが最も効率がよく最短で国家試験に合格する勉強法です。
何度も言いますが、冒頭に書いた勉強法も含め、すべての国家試験の勉強法は 国家試験の過去問をベースにしています。
つまり、この国家試験の過去問からなるべく逸れないように勉強していくことが、最も効率がよく、結果として最短の道のりになるのです。
では、なぜ裏解答を覚えていくことは他の勉強法より効率がよい勉強法なのか?
このサイトでも【 裏解答 】に焦点を当てて解説をしています。
なぜ【 裏解答 】なのでしょうか?
なぜ、裏解答を覚えることは効率がよいのか?
ズバリ、「 国家試験の過去問 」を軸として考えたとき、一番ズレが生じない勉強法だからです。
国家試験の問題を的の中心、勉強して覚えた知識を矢として例えると
- 冒頭に書いたいくつかの勉強法は中心にも当たる矢だが、他の場所にも当たる矢 ( 当てられる矢 ) のイメージ
- 裏解答は中心ばかりに当たる矢、他の場所には当てられない ( 他の場所にも当てられる矢は効率を考えてあえて持たない ) イメージ
覚えた知識の数が矢の本数です。
覚えた知識の数 ( 矢の本数 ) が多ければ最終的には的全体を埋め尽くすことができるでしょう。これがある意味で一番理想です。知識は多いに越したことはないですから。
しかし、それには時間がかかりますよね?知識を集める ( 投げる矢を集める ) には超人的な記憶力を持ってない限り絶対に時間がかかるのです。
が、前述したとおり受験者が勉強に使える時間は限られているのです。
だったら、なるべく国家試験を解くための知識 ( 的の中心に当たる矢 ) を集めなくてはなりません。
時間をかけて沢山の知識 ( 矢 ) を集めても試験問題 ( 的の中心 ) に当てることができる知識 ( 矢 ) を持っていなければ本番では×です。
何が言いたいかというと、裏解答を覚えることは選択肢を正しい文章に直して覚えるだけであるため国家試験の内容からズレが生じにくく、余計な ( 余分な ) ことに時間や労力を取られずに済み、ミニマルで効率がよいと言えるのです。
冒頭に書いた勉強法は裏解答と比べると余分なことが多すぎるということです。
1回生のときから国家試験のための勉強をしている人や、国家試験に合格するレベルに達するまで留年し続けるという人なら勉強法なんて正直なんでもいいです。圧倒的な量をこなせる時間があるわけですから。効率なんか無視しても勝てます。
しかし、多くの受験者はそうではないはずなので勉強の効率は絶対に無視できません。
裏解答のを使った解説の具体例
例えば以下の問題があります ( 第58回 午前 問20 )
問. フローボリューム曲線について正しいのはどれか
- 横軸に時間を , 縦軸に排気量をとる
- 閉塞性肺疾患では上方に凸の呼出曲線がみられる
- ピークフローは被験者の努力に関係なく再現性がある
- V50はV25よりも末梢側気道の気流制限の程度を反映する
- 複数回の測定でFVCとFEV1.0とが最も大きい測定値を採用する
正解. 5
問題の出典:厚生労働省 第58回 臨床検査技師国家試験問題および正答について
この問題を裏解答を作ることなく、ただ解いていくだけであれば”フローボリューム曲線では複数回の測定でFVCとFEV1.0とが最も大きい測定値を採用する”ということしか知識になりません。
しかし、これを裏解答に直すと
- 横軸に肺気量、縦軸に気流速度をとる
- 閉塞性換気障害では下方に凸の呼出曲線がみられる
- ピークフローは努力依存性があるため , 呼出努力の程度により大きく変化する
- V50は肺気量時の気流速度で , V25は25%の肺気量時の気流速度である
- 複数回の測定でFVC ( 努力性肺活量 ) とFEV1 ( 1秒量 ) とが最も大きい測定値を採用する
となり、選択肢全て合わせて5つの知識を得ることができます。
国家試験は毎年同じような問題が出題されているので、裏解答を作成して覚えるだけで類似する問題が出題されたときにも対応することができるようになります。
裏解答を覚えるだけで受かるか不安?
臨床検査技師国家試験は120点さえ取れば合格できるということは皆さんご存知だと思いますが、「俺は満点で合格したいんじゃー!」というような人以外はとにかく120点以上を目指して勉強するだけでいいのです。
「裏解答を覚えるだけで合格できるとか120点ギリギリを攻める感じになるのでは?そんなの怖いよ!」
と思う人もいるかもしれませんが、大丈夫ですよ。裏解答の暗記だけでも本番で140~150点くらいは普通に取れます。
逆に言うと、それだけ臨床検査技師国家試験は毎年類似するような問題ばかりということです。
裏解答を使った勉強法について長々と書いてきましたが、実際にどのように勉強を進めていくかに関しては裏解答で臨床検査技師国家試験に受かるための具体的な勉強法 で記事にしています。
”裏解答で過去問の勉強を進めていこうかな”って人はこのサイトをベースに徹底的に無駄を省いた教材も販売しているので興味がある方はぜひ!
最後にもう一つだけ伝えたい事
国家試験の勉強ももちろん大切ですが、それはそうとして時間を有意義に使いましょう。大学4回生 ( 専門学校や短大なら3回生 ) のほとんどの人が人生最後の学生生活となるわけです。社会人になると自分でコントロールできる時間が限られてくるので、今しかできないこともたくさんあります。
国家試験の勉強を効率よくこなして、あとの時間は遊ぶなり、今しかできない経験を積んでいくことも今後の人生の糧となります。