1. 臨床検査技師が単独でおこなうことができるものに頭皮誘導による脳波検査やマウスピースを用いた呼吸機能検査がある
- 無散瞳の眼底写真検査も臨床検査技師が単独でおこなうことができる
- 針電極による筋電図検査・散瞳薬を用いた眼底写真検査・冷水刺激による眼振電図検査は臨床検査技師が単独でおこなうことはできない
2. 許容誤差限界 ( CV % ) を求めるTonksの式
- 許容誤差限界 ( CV % ) = ( 基準範囲の幅×1 / 4 ) / 基準範囲の中央値×100
3. 健常成人男性の1日平均原尿量 ( 糸球体濾過量 ) は約150~180 Lである
- 原尿量の99 %以上は尿細管で再吸収される
4. 尿沈渣に見られた結晶
- ビリルビン結晶であり ,閉塞性黄疸が考えられる
- 高尿酸血症でみられる結晶は尿酸結晶 ,ネフローゼ症候群でみられる結晶は卵円形脂肪体やコレステロール結晶 ,先天性シスチン尿症でみられる結晶はシスチン結晶 ,先天性アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損症でみられる結晶は2 ,8-ジヒドロキシアデニン結晶である
5. 免疫学的便潜血検査
- 痔核で陽性となる
- 大腸ポリープで陽性となる
- 検査前の食事内容の制限は不要である
- 連続2日検査をすると陽性率は上昇する
- 大腸早期癌のスクリーニング検査として1日法で50 % ,2日法で70 %の感度である
- 大腸早期癌のスクリーニング検査としての特異度は90 %以上である
6. 肝吸虫症の対策として川魚の生食をやめることやトイレで排便をおこなうことなどがある
- 肝吸虫症の感染はコイ科のモツゴなどの淡水魚 ( 第2中間宿主 ) の生食であり ,その虫卵は糞便中に排出される
- 川で水浴びをしないことはミヤイリガイ ( 第1中間宿主 ) から遊出したセルカリアが経皮感染する日本住血吸虫症などの対策となる
- 蚊帳に入って就寝することはハマダラカが媒介するマラリア感染の対策となる
- 熱処理の不十分な豚肉を食べないことはブタが第1中間宿主となる有鉤条虫の感染対策となる
7. 皮膚に付着していた虫体 ( 体長 2.5 mm ) の写真
- マダニの成虫である
- マダニが媒介する感染症の1つに重症熱性血小板減少症候群 ( SFTS ) がある
- 疥癬はヒゼンダニが ,ペストはノミが ,発疹チフスはシラミが ,ツツガムシ病はツツガムシが媒介する
8. 糞便検査で虫卵が検出されるものに日本住血吸虫やウエステルマン < Westerman > 肺吸虫がある
- 有棘顎口虫はヒト体内では成虫になれず産卵しない
- ビルハルツ < Bilharz > 住血吸虫の虫卵は尿中に排出される
- バンクロフト < Bancroft > 糸状虫は血管内にミクロフィラリアを生む ( 夜間に末梢血中に出現するため , 夜間の採血による検査が適している )
9. 遺伝子の変異原-人体への影響
- 放射線-白血病や甲状腺癌など
- 紫外線-皮膚癌
- ベンゾピレン-皮膚癌
- ニトロソ化合物-食道癌や胃癌など
- 活性酸素は発癌物質であるが ,臓器特異性はない
10. 遺伝子検査法-目的
- サザンブロット法-DNA断片の解析
- FISH法-欠失解析
- DNAマイクロアレイ法-網羅的遺伝子解析
- シークエンス解析法-変異解析
- マイクロサテライトDNA解析法-キメリズム解析
- ノーザンブロット法は特定の配列を有するRNA断片の検出法である
11. 患者が訴える症状として心雑音はない
- 心雑音は他覚所見である
12. 市中肺炎の原因菌としてStreptococcus pneumoniae ( 最多 ) ・Haemophilus influenzae・Mycoplasma pneumoniae・Chlamydophila pneumoniaeなどがある
- Aspergillus fumigatusは市中肺炎の原因菌ではない
- 院内肺炎の原因菌にはMRSA・P.aeruginosa・真菌などがある
13. 高脂血症
- 膵炎の原因になる-Ⅰ型高脂血症
- アキレス腱黄色腫がみられる-Ⅱa型高脂血症
- トリグリセライドが増加する-Ⅰ ,Ⅱb ,Ⅲ ,Ⅳ ,Ⅴ型高脂血症
- 高脂血症は動脈硬化の原因となる
14. ヘリコバクター・ピロリ感染症の検査に用いる検体
- 胃の粘膜組織
- 血清
- 呼気
- 尿
- 便
- 胃液を検体として用いることはない
- ヘリコバクター・ピロリは胃癌や特発性血小板減少性紫斑病 ( ITP ) と関連がある
15. 尿試験紙法の検査でビタミンC服用者の検体で偽陰性となる項目にブドウ糖・潜血・ビリルビン・亜硝酸塩がある
- 酸化作用により発色する上記の項目ではビタミンCの強い還元作用により偽陰性となる
16. 健常成人の心内圧
- 右心房収縮期圧-2~8 mmHg
- 右心室拡張期圧-2~8 mmHg
- 左心房収縮期圧-2~12 mmHg
- 左心室拡張期圧-2~12 mmHg
- 左心室収縮期圧-100~140 mmHg
17. 心電図でV1のR波が増高する心筋梗塞の部位は純後壁である
梗塞部位 | 心電図所見 |
前壁中隔 | V1~V4誘導でST上昇 |
側壁 | Ⅰ ,aVL ,V5~V6誘導でST上昇 |
高位側壁 | Ⅰ ,aVL ,高位のV5~V6誘導でST上昇 |
下壁 | Ⅱ ,Ⅲ ,aVF誘導でST上昇 |
純後壁 | V1~V2誘導でR波増高 ,ST低下 ,陽性T波増高 |
18. Holter心電図
- PR時間が延長してQRS波が欠落した後 ,短いPR時間で房室伝導が戻っておりWenckebach型第2度房室ブロックであると考えられる
好酸球
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19. 血流依存性血管拡張反応 < FMD > で血管内皮から放出されるのはNOである
- NO ( 一酸化窒素 ) には血管拡張作用がある
20. スパイログラム
- Aが示すのは予備呼気量 ( 安静呼気位から最大呼気位に至るまでの気量 ) である
画像の出典:臨床検査技師国家試験 第63回 午前 別冊
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