1. 医療機関での診断に至る手順
- 医療面接 → 身体診察 → スクリーニング検査 → 特殊検査
2. 対策とその作業の組み合わせ
- 感染対策-使用済注射針のリキャップはしない
- 災害対策-診療支援体制の構築
- 接遇対策-患者との疑似場面を設定した体験学習
- 検査過誤防止対策-標準作業手順書 ( SOP ) の作成
- 医療事故防止対策-インシデントレポートの作成
3. 検体の採取と取り扱い
- 採取した羊水は遮光された容器に入れる ( ビリルビンの光酸化防止 )
- 24時間蓄尿は細胞変性が起こる可能性があるため尿細胞診検査には使用しない
- 自然喀痰採取は採取前に水でうがいをする
- 精液採取は3カ月以内に少なくとも2回おこなう
- 腰椎穿刺で最初に得られた髄液は細胞学的検査に使用する
4. 要因-誤差
- 分析装置の変更-系統誤差
- 試薬ロット変更-系統誤差
- 比色時の気泡混入-偶発誤差
- 標準液の作成ミス-系統誤差
- ピペットの操作ミス-偶発誤差
5. 尿沈渣の無染色 , 強拡大標本
- アルカリ性尿に出現するリン酸アンモニウムマグネシウム結晶であり ,慢性尿路感染症が考えられる
6. 糞便の性状-疾患
- 緑色便-緑黄色野菜の過剰摂取
- 粘血便-細菌性赤痢
- 灰白色便-ロタウイルス
- 米の研ぎ汁様便-コレラ
- イチゴゼリー状粘血便-アメーバ赤痢
7. 結核性胸膜炎に特異性の高い胸水中のマーカーはアデノシンデアミナーゼ < ADA > である
- LDは浸出液で高値を示す
- ヒアルロン酸は胸膜中皮腫で高値を示す
8. 2015年における世界のおよそのマラリアの患者数は2億1200万人 , 死亡者数は43万人である
- マラリアはハマダラカにより媒介される
- 熱帯熱マラリアは治療が遅れると死に至る危険性が高いため , 悪性マラリアと言われている
9. 寄生虫症-媒介節足動物
- 三日熱マラリア-蚊 ( ハマダラカ )
- ブラジルリーシュマニア症-サシチョウバエ
- ガンビアトリパノソーマ症-ツェツェバエ
- バンクロフト < Bancroft > 糸状虫症-蚊
- クルーズ < Cruz > トリパノソーマ症-サシガメ
10. メルカプトエタノールは核酸分解酵素のジスルフィド結合を切断して不活化するが , フェノールで代用可能なためDNA抽出に必ずしも必要ではない
- 70%エタノール・クロロホルム・イソプロパノールはDNA抽出に用いられる
11. 一次救命処置 < BLS >
- 1. 意識を確認する
- 2. 応援を呼ぶ
- 3. 呼吸を確認する
- 4. 胸骨圧迫をおこなう
- 5. 自動体外式除細動器 < AED > を用いる
- “心肺停止の原因を検索する”などの原因の究明は救命処置の後の作業となる
12. 骨髄において赤芽球の過形成を呈するのは自己免疫性溶血性貧血である
- 溶血によって代償的に赤血球産生が亢進し , 赤芽球や網赤血球が過形成となる
13. 本態性血小板増加症は偽性高カリウム血症の原因になる
- 本態性血小板増加症に起因する偽性高カリウム血症はヘパリン採血による血漿カリウム値測定により確認できる
- 採血時 ( 後 ) の溶血でも偽性高カリウム血症となる
14. 動脈血ガス分析においてpHが酸性 ,AG < アニオンギャップ > が正常であるとき考えられる病態として尿細管性アシドーシスなどがある
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病態 | |
呼吸性アシドーシス | 気管支喘息・慢性閉塞性肺疾患 ( COPD )など |
代謝性アシドーシス | AG正常 ) 尿細管性アシドーシス・下痢など AG増加 ) 糖尿病性ケトアシドーシス・尿毒症 ( 末期腎不全 ※ )・乳酸アシドーシスなど |
呼吸性アルカローシス | 過換気症候群・間質性肺炎・肺線維症など |
代謝性アルカローシス | 嘔吐・原発性アルドステロン症・クッシング症候群など |
- AG < アニオンギャップ > =Na+- ( Cl-+ HCO3- )
- AGの基準値は12±2 mEq / L ( mmol / L ) である
※ stage 3後期〜stage 4の腎不全ではAG正常の代謝性アシドーシスを呈し , stage 5の末期腎不全ではAG増加の代謝性アシドーシスを呈する
15. CA15-3は乳癌に特異度が高い腫瘍マーカーである
- CEA・CYFRA21-1は腺癌 ,SCC・( CYFRA21-1 ) は扁平上皮癌 ,NSE・ProGRPは小細胞癌で陽性率が高い
16. 心周期における左室圧-容積曲線の模式図
- Aが示す時相は駆出期 ( 大動脈弁解放から大動脈弁閉鎖まで ) である
17. 頻回の動悸を主訴に来院した患者の心電図
- QRS波の初期成分に⊿波がみられるためWPW症候群 ( B型 ) が考えられ ,WPW症候群は発作性上室頻拍 ( 動悸 ) を起こすことがある
- WPW症候群では房室副伝導路 ( ケント束 ) が存在する
- WPW症候群ではA型およびB型のどちらもデルタ波とPQ間隔の短縮がみられるが , 副伝導路の部位が異なる
- A型 ( ケント束が左房-左室間 ) ではV1誘導がR型 ( 高電位のR波 ) , B型 ( ケント束が右房-右室間 ) ではV1誘導がrS型 ( 左脚ブロック様の深いS波 ) となる
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18. 第1度房室ブロックは運動負荷試験が実施可能である
- 急性肺塞栓症・不安定狭心症・急性大動脈解離・持続性心室頻拍では運動負荷試験は禁忌である
19. 努力性肺活量とピークフローはフローボリューム曲線から得られる
- 1秒率はスパイログラムから求める
- 残気量および全肺気量は機能的残気量を測定することにより算出できる
- 機能的残気量はガス希釈法 ( Heを指示ガスとする閉鎖回路法・N2を指示ガスとする解放回路法 ) あるいは体プレスチモグラフ法で測定できる
20. 肺胞気-動脈血酸素分圧較差 < A-aDo2 > が増加しない低酸素血症を呈する原因として肺胞低換気と大気圧の低下が挙げられる
- 間質性肺炎などの拡散障害 ,無気肺などのシャント ,肺気腫などの換気血流不均等分布の増悪では較差が増加する
画像の出典:臨床検査技師国家試験 第64回 午前 別冊
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