1. イムノクロマト法による便潜血検査
- 検体は低温で輸送する
- 食事制限は不要である
- 抗ヒトヘモグロビンマウスモノクローナル抗体を用いる
- プロゾーン現象がみられる
- 上部消化管出血の検出感度は低い
2. 原因遺伝子-疾患
- ABL1-慢性骨髄性白血病
- BRCA1-乳癌・卵巣癌
- EGFR-肺癌など
- KRAS-肺癌など
- RB1-網膜芽細胞腫
3. 細胞周期のうち , G染色法において染色体を観察するのに適しているのは中期である
- 染色体は細胞分裂の中期に出現する特有な形態である
- G染色法は分裂中期細胞をトリプシンで処理したのち , Giemsa染色で染め分けられるバンドパターンから染色体の欠失や転座などを判定する ( G染色法のGはGiemsa染色のGである )
4. 夕食にしめ鯖を摂取後 , 深夜に激烈な腹痛を訴えた. 上部消化管の内視鏡像を示す.
この寄生虫はアニサキスである
- 病変は胃と腸に限局する
- 中間宿主である魚介類の生食で感染する
- クジラなどの海獣類を終宿主としている
- -20℃保存で虫体は死滅する
- 有効な抗寄生虫薬はないため , 治療は内視鏡的に虫体を摘出する
5. 無鉤条虫症はヒトの小腸に寄生するため検便で診断できる
- 受胎体節が糞便と一緒に排出される
- 無鉤条虫の中間宿主はウシ , 終宿主はヒトである
- 剛棘顎口虫症 , Manson孤虫症は皮下で幼虫移行症を起こし , 広東住血線虫症は血管内寄生 , 多包条虫 < エキノコックス > 症は各臓器に多包虫を形成するため検便では検出できない
6. 漏出性腹水の所見
- 色調 透明~淡黄色
- pH > 7.2
- 比重1.015以下
- LD 200 U / L以下
- 蛋白 2.5 g / dl以下
7. 塩基置換により終止コドンが生じる遺伝子変異の種類はナンセンス変異である
- 塩基置換により , サイレント変異はアミノ酸の種類は変化せず , ミスセンス変異はアミノ酸の種類が変化する
- フレームシフト変異は塩基の欠失または挿入によるコドンの変化 , ミススプライシング変異はエクソン , イントロンのつなぎ合わせ異常による変異である
8. ヒトのテロメア
- 染色体を安定化する
- 染色体両腕の末端領域を指す
- テロメラーゼにより伸長する
- 体細胞では分裂ごとに短縮する
- 6塩基の繰り返しDNA配列からなる
9. 健常成人の脳脊髄液
- 色調は無色透明である
- 糖濃度は血漿の60~80%である
- 蛋白濃度は血清の約0.5%である
- 細胞成分はリンパ球が主体である
- クロール濃度は血清より高値である
10. x̄-R管理図法で管理するものに標準液の劣化や分析機器の異常がある
- 施設間差は外部精度管理で評価する
11. 肝硬変の症候
- 脾腫 ( 脾臓の肥大 )
- 食道静脈瘤
- 血小板減少
- ICG 15分停滞率上昇
- コリンエステラーゼ低値
- このほか , 肝右葉萎縮がある
- 門脈圧亢進により食道静脈瘤を生じることはあるが , 下肢静脈瘤を生じることは通常ない
12. M蛋白が検出される疾患に多発性骨髄腫や原発性マクログロブリン血症がある
- このほか , 意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症 ( MGUS ) や重鎖病 ( H鎖病 ) でもM蛋白が検出される
13. 染色体異常-疾患
- t ( 18 ; 14 )-Burkittリンパ腫など
- t ( 9 ; 22 )-慢性骨髄性白血病 , 一部の急性リンパ芽球性白血病
- 13トリソミー-パトウ症候群
- 21トリソミー-Down症候群
- Xモノソミー-ターナー症候群
14. 腫瘍マーカー-陽性となる疾患
- AFP-肝癌など
- CA-15-3-乳癌
- DU-PAN-2-膵癌など
- PSA-前立腺癌
- SCC-肺癌・子宮頸癌など
15. 血清コリンエステラーゼ活性が低下する疾患・病態に肝硬変や有機リン中毒がある
- 鉛中毒では貧血などを , 水銀中毒では水俣病などを , 青酸中毒ではミトコンドリアATP産生の阻害を , 一酸化炭素中毒では代謝性アシドーシスを引き起こす
16. 心電図
- A型WPW症候群である
- WPW症候群ではA型およびB型のどちらもデルタ波 , PQ間隔の短縮 , QRS幅の延長がみられるが , 副伝導路の部位が異なる
- A型 ( ケント束が左房-左室間 ) ではV1誘導がR型 ( 高電位のR波 ) , B型 ( ケント束が右房-右室間 ) ではV1誘導がrS型 ( 左脚ブロック様の深いS波 ) となる
- WPW症候群は発作性上室頻拍を合併しやすい
17. 血流依存性血管拡張反応 < FMD > の測定
- 測定する腕とは対側の上腕で血圧を測定する
- 安静時の上腕動脈の血管径を測定する
- 前腕部または上腕部を駆血する
- 駆血圧は収縮期血圧の+30~+50 mmHgとする
- 駆血解除後 , 最大拡張時の血管径を測定する
18. 左室流入血流速度波形のE / Aを計測するのはパルスドプラ法である
- E波:拡張早期の左室流入血流速度
- A波:心房収縮期の左室流入血流速度
- 狭窄や閉鎖不全などの高速血流速度の計測には連続波ドプラ法を用いる
- カラードプラ法は血流の向きを捉えて血流や弁の評価をする
19. 連続波ドプラ法で三尖弁逆流の最大流速が3.0 m / sであった.
推定される収縮期肺動脈圧 [ mmHg ] はどれか.
ただし , 右房圧を5 mmHgとする.
- ベルヌーイの簡易式 ⊿P=4V2 を用いて計算する
- 4×3.0×3.0=36 mmHg
- 上記に右房圧5 mmHgを加えた41 mmHgが収縮期肺動脈圧となる
20. 酸素解離曲線のシフトに関与する因子
- pH
- 温度
- 二酸化炭素分圧
- 2 , 3-ジホスホグリセリン酸 < 2 , 3-DPG >
- pHの低下・高体温・二酸化炭素分圧の上昇・2 , 3-ジホスホグリセリン酸 < 2 , 3-DPG > の上昇により右方にシフトする
- 2 , 3-ジホスホグリセリン酸 < 2 , 3-DPG > は赤血球から産生され ,ヘモグロビンと酸素の結合を阻害する
- ヘモグロビン濃度は酸素解離曲線のシフトに関与しない
画像の出典:臨床検査技師国家試験 第67回 午後 別冊
■ 続きの解説は《 こちら 》