1. 臨床検査室の品質と能力に関する国際規格はISO 15189である
ISO 9001 | 品質マネジメントシステム ( QMS ) 全般に関する国際規格 |
ISO 13485 | 医療機器の品質マネジメントシステムに関する国際規格 |
ISO 17025 | 試験所・校正機関の能力に関する国際規格 |
ISO 22870 | ポイントオブケアテスティング ( POCT ) の品質と能力に関する国際規格 |
2. 分析前プロセスの品質管理に検体量の確認や検体採取から測定開始までの時間の確認などがある
- 分析前プロセスには適切な検体の採取 , 状態の確認 , 搬送 , 前処理 , 保管などが含まれる
- 分析プロセスには精度管理 , 分析 , 測定などが含まれる
- 分析後プロセスには結果の解釈や結果の検証などが含まれる
3. 全血検体を室温で一晩放置した場合の測定値の変化
- カリウム-上昇
- 無機リン-上昇
- アンモニア-上昇
- グルコース-低下
- クレアチニン-変化なし
- 血液中の赤血球や白血球などの解糖系によりグルコースは消費される
4. 尿沈渣の無染色標本
- この構造物の成分はシュウ酸カルシウムである
- シュウ酸カルシウム結晶は正八面体で , 塩酸に溶解する
5. Miller & Jones ( 喀痰の肉眼的品質評価 ) 分類
- M1-唾液 , 完全な粘性痰
- M2-粘性痰の中に少量の膿性痰を含む
- P1-膿性部分が全体の1 / 3以下の痰
- P2-膿性部分が全体の1/ 3~2 / 3の痰
- P3-膿性部分が全体の2 / 3以上の痰
6. 化膿性髄膜炎を疑う髄液所見
- 肉眼所見:混濁
- LDの上昇
- 蛋白濃度の上昇
- 多形核球比率の上昇
- 髄液糖 / 血糖比の低下
7. マンソン裂頭条虫は幼虫移行症を引き起こす
- マンソン裂頭条虫の終宿主はイヌやネコであるため , 人体では成虫にまで発育できず , 幼虫移行症を引き起こす
第一中間宿主 | 第二中間宿主 | 終宿主 | |
小形条虫 | ノミ | - | ネズミ・ヒト |
無鉤条虫 | ウシ | - | ヒト |
日本海裂頭条虫 | ケンミジンコ | マス・サケ | ヒト |
マンソン裂頭条虫 | ケンミジンコ | ヘビ・カエル | イヌ・ネコ |
クジラ複殖門条虫 ( 大複殖門条虫 ) | 橈脚類? | イワシ イワシの稚魚 ( シラス ) など | クジラ・ヒト |
8. マラリア患者の血液塗抹標本のGiemsa染色に適するバッファーのpHは7.4である
- pH 7.4では赤血球は青みを帯びるが , 原虫の原形質 , シェフナー斑点などが鮮やかに染まる
9. 慢性骨髄性白血病で高頻度にみられる染色体の構造異常は転座である
- 慢性骨髄性白血病で認められるフィラデルフィア染色体は9番と22番の染色体が相互転座したものである ( BCR-ABLキメラ遺伝子 )
- BCR-ABL1融合遺伝子は慢性骨髄性白血病の90%以上 , 急性リンパ性白血病の20%の症例で見出される
関連疾患 | 転座 |
慢性骨髄性白血病 一部の急性リンパ芽球性白血病 | t ( 9 ; 22 ) |
急性前骨髄球性白血病 ( M3 ) | t ( 15 ; 17 ) |
急性骨髄性白血病 ( M2 ) | t ( 8 ; 21 ) |
バーキットリンパ腫 | t ( 8 ; 14 ) |
濾胞性リンパ腫 | t ( 14 ; 18 ) |
マントル細胞リンパ腫 | t ( 11 ; 14 ) |
10. 原因遺伝子-疾患
- RB1-網膜芽細胞腫
- MEN1-多発性内分泌腫瘍症1型
- MSH2-リンチ症候群
- BRCA1 / 2-遺伝性乳がん卵巣がん症候群 ( HBOC )
- APCは癌抑制遺伝子である
11. 一次救命措置
- 1. 周囲の安全を確認する
- 2. 意識を確認する
- 3. 応援を呼ぶ ( 119番通報 )
- 4. 呼吸を確認する
- 5. 胸骨圧迫をおこなう
- 6. 自動体外式除細動器 < AED > を用いる
- 対光反射の確認は処置開始後の病態の把握に用いる
12. B型急性肝炎におけるHBs抗原 , HBs抗体 , HBe抗原 , HBe抗体 , HBc抗体の推移
- HBc抗体はCである
- AはHBs抗原 , BはHBe抗原 , DはHBe抗体 , EはHBs抗体である
13. 急性腎不全の原因と分類
- 敗血症-腎前性腎不全
- 尿管結石-腎後性腎不全
- 前立腺肥大-腎後性腎不全
- 急速進行性糸球体腎炎-腎性腎不全
- 全身性エリテマトーデス < SLE >-腎性腎不全
14. サルコイドーシスの診断に最も有用なのはアンギオテンシン変換酵素< ACE >である
- サルコイドーシスではアンギオテンシン変換酵素 ( ACE ) が上昇する
- サルコイドーシスは非乾酪性の類上皮細胞肉芽腫が形成される全身性疾患である
15. ビタミン欠乏症
- ビタミンA欠乏症で夜盲症になる
- ビタミンB12欠乏で巨赤芽球性貧血になる
- ビタミンC欠乏で壊血病になる
- ビタミンD欠乏で骨粗しょう症やくる病になる
- ビタミンE欠乏で貧血や脱毛になる
16. 心電図
- 下壁梗塞である
- Ⅱ , Ⅲ , aVF誘導のST上昇と冠性T波を認め , Ⅲ誘導の異常Q波を呈する所見から下壁梗塞を疑う
- Ⅰ , aVL誘導のST低下は下壁領域の対側性変化 ( 鏡面像 ) である
17. 肺活量 2.00 L , 1回換気量 0.50 L , 予備呼気量 0.80 L , 最大吸気量 1.20 L , 機能的残気量 1.90 Lであった.
- 残気量は1.10 Lである
- 残気量 = 機能的残気量 ( FRC ) -予備呼気量 ( ERV )
- 上記の問題では 残気量=1.90 L-0.80 L=1.10 L となる
18. クロージングボリューム測定における単一窒素呼出曲線
- クロージングボリュームは③である
- クロージングボリュームは第Ⅲ相から第Ⅳ相に切り替わってから後の呼出量をいう ( 第Ⅳ相開始から残気量:RVまでの量 )
- ①は第Ⅰ相 ( 死腔気=N2濃度0 ) と第Ⅱ相 ( N2濃度が上昇してくる死腔気と肺胞気の混合気 ) に相当する
- ②は第Ⅲ相 ( 肺胞気から呼出されたN2濃度を反映 ) である
- ④は第Ⅰ相 ( 死腔気=N2濃度0 ) と第Ⅱ相 ( N2濃度が上昇してくる死腔気と肺胞気の混合気 ) と第Ⅲ相 ( 肺胞気から呼出されたN2濃度を反映 ) に相当する
- ⑤は第Ⅲ相 ( 肺胞気から呼出されたN2濃度を反映 ) と第Ⅳ相 ( 末梢気道の閉塞を反映 ) に相当する
- 換気の不均等分布や加齢により第Ⅲ相の傾きが大きくなる
19. 1回呼吸法による肺拡散能力測定で濃度を測定するのはCOとHeである
- 1回呼吸法では4種混合ガス ( CO:0.3% , He:10% , O2:20% , N2:バランス ) を使用し , CO濃度をHeの希釈率で補正したCO濃度の減少量から肺拡散能力の測定に用いられる
20. 神経
- Aα繊維-錐外筋線維 ( 運動神経 ) / 筋紡錘・腱紡錘 ( 感覚神経 )
- Aβ繊維-触圧覚 ( 感覚神経 )
- Aδ繊維-温痛覚 ( 感覚神経 )
- B線維-交感神経節前線維 ( 自律神経 )
- C線維-交感神経節後線維 ( 自律神経 ) / 痛覚 ( 感覚神経 )
- C線維は無髄神経である