41. ミトコンドリアはDNAを含む細胞内小器官である
- ミトコンドリアDNAは37の遺伝子からなる環状DNAである
42. プロトロンビン時間は肝合成能の評価に用いられる
- プロトロンビンは肝臓で産生される外因系の血液凝固因子であるため , 肝機能が低下するとこれが減少し , プロトロンビン時間が延長する
43. ホルモン-産生部位
- ガストリン-胃・十二指腸
- セクレチン-十二指腸
- インクレチン-主に小腸
- カルシトニン-甲状腺C細胞
- コレシストキニン-十二指腸・空腸
44. Michaelis定数< Km >
- 測定pHの変化に影響される
- アイソザイム間で差異がある
- 大きいほど酵素と基質の親和性が低い
- 競合阻害物質の存在下では大きくなる
- 最大反応速度 < Vmax > の半分になる基質濃度である
45. 褐色萎縮で沈着するのはリポフスチンである
- リポフスチンは心臓 , 脳 , 肝臓などに沈着し , 加齢により量が増加する
46. 術中迅速診断における標本作製
- 凍結用 ( 水溶性 ) 包埋剤による包埋 → ドライアイスアセトンなどによる急速凍結 → ミノー型ミクロトームが設置されたクリオスタットによる薄切 ( 庫内温度約-25℃ ) → 薄切された切片をスライドガラスに張り付けて固定液に浸して固定後 , HE染色する
47. 腎組織の未固定凍結切片を用いた免疫組織化学染色
- 蛍光抗体法により染色され , 蛍光顕微鏡で観察された組織像である
- フルオレセインイソチオシアネート < FITC > 標識抗体を使用する
- 加熱処理や内因性ペルオキシダーゼのブロック , 発色反応操作をおこなうのはホルマリン固定パラフィン包埋 ( FFPE ) 標本を用いた際に必要な工程である
48. 電子顕微鏡標本作製で透過型と走査型に共通するのは二重固定である
- 前固定はグルタルアルデヒド , 後固定はオスミウム酸でおこなう
- 透過型電子顕微鏡 ( TEM ) では固定後はエタノールで脱水 → 酸化プロピレンで置換 → 樹脂包埋 → ウルトラミクロトームで超薄切 → 酢酸ウラン染色 ( 電子染色 ) する
- 走査型電子顕微鏡 ( SEM ) では固定後はエタノールで脱水 → 酢酸イソアミルで置換 → 臨界点乾燥・凍結乾燥 → 金属イオン蒸着する
49. 膵臓と腎臓は後腹膜臓器である
- このほか , 後腹膜臓器には十二指腸 , 上行結腸 , 下行結腸 , 尿管 , 副腎 , 腹大動脈 , 下大動脈 , 交感神経幹がある
50. ヒトの生殖細胞の分裂
- 精子・卵子を作るために2回の分裂が必要である
- 減数分裂開始前の間期にDNAを複製する
- 第一分裂では染色体の一部に組換えが生じる
- 1個の卵母細胞から1個の卵子が生じる
- 生じた精子・卵子は23本の染色体を含む
※ 解複数 ( 選択肢を1つ選ぶ問に対して解が2つ ) の問題
51. アポトーシスとネクローシス
- 細胞膜の破裂を伴う-ネクローシス
- ATPを必要とする-アポトーシス・ネクローシス
- クロマチンが濃縮する-アポトーシス
- 高度の炎症を惹起する-ネクローシス
- DNAはヌクレオソーム単位で切断される-アポトーシス
52. 病理組織学的検査で推奨される固定液は10%中性緩衝ホルマリン液である
- ホルマリン原液 ( 37%ホルムアルデヒド溶液 ) にリン酸緩衝液を添加してpHを7.4に調整したものである
53. 中皮に覆われている腔は胸腔・心膜腔・腹腔である
- 胸膜・心膜・腹膜の漿膜として中皮細胞が存在している
54. 虚血性心疾患に狭心症と心筋梗塞がある
- 心内膜炎は感染症 , 肥大型心筋症の多くは遺伝子変異や遺伝子異常 , 心室中隔欠損症は先天異常により生じる
55. リンパ腫
- 菌状息肉腫-T細胞性リンパ腫
- 濾胞性リンパ腫-B細胞性リンパ腫
- Burkittリンパ腫-B細胞性リンパ腫
- Hodgkinリンパ腫-B細胞性リンパ腫
- マントル細胞リンパ腫-B細胞性リンパ腫
- 菌状息肉腫は皮膚に発生する悪性リンパ腫である
56. azan染色とMasson trichrome染色は膠原線維の染色 ( 膠原線維をアニリンブルーで染め分ける ) に用いられる
- PAS反応はグリコーゲンや粘液などの証明 , Feulgen染色はDNAの検出に用いる組織化学染色法 , mucicarmine染色は酸性ムコ多糖類やCryptococcus neoformansの証明に用いる
57. 病理解剖の感染対策
- 陰圧式空調
- エプロンの着用
- 使用器具の滅菌
- 入室前の手袋着用
- 感染症の既往の確認
- 陰圧式空調は空気感染する結核菌に対する感染対策として重要である
58. 子宮頸部擦過細胞診検査のPapanicolaou染色標本
- この細胞に関連の深い病原体はヒトパピローマウイルスである
- 扁平上皮細胞の核周囲に境界明瞭な空洞が形成され ,細胞質が明るく抜けて見える細胞 ( コイロサイト ) を認め , これらの特徴はヒトパピローマウイルス感染細胞の特徴である
59. 末梢血で過分葉核好中球がみられる場合に検査すべき項目は葉酸とビタミンB12である
- 過分葉核好中球は細胞分裂期のDNA合成障害による核の成熟不全で生じ , 主に巨赤芽球性貧血で認められる
- 巨赤芽球性貧血のDNA合成障害は葉酸またはビタミンB12の欠乏による
60. 疾患-診断に用いる細胞表面マーカー
- 多発性骨髄腫-CD38
- 急性骨髄性白血病-CD33
- 急性リンパ性白血病-CD10
- 慢性リンパ性白血病-CD19 , CD20
- 成人T細胞白血病リンパ腫-CD25
- CD3はT細胞のマーカーである
画像の出典:臨床検査技師国家試験 第68回 午前 別冊
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