1. 内部精度管理法で管理血清を用いるのはx̄-R管理図法・マルチルール管理図法・累積和法である
- |R / x̄|管理法は前日の患者検体を再検査して比較する
- 項目間チェック法は関連する項目間 ( ASTとALTなど ) の検査値を患者血清を用いて比較する
- デルタチェック法は患者のデータを用いて前回値と今回値を比較する
2. 標準予防策において感染性を考慮しない体液・分泌物は汗である
- 汗を除くすべての体液 , 分泌物 , 排泄物 , 粘膜と健常でない皮膚に関しては感染の可能性があるものとして対応する
3. 尿沈渣の無染色標本及びSternheimer染色標本

- 顆粒円柱である
- 円柱内の顆粒成分が1 / 3以上を占めている場合は顆粒円柱という
4. 便潜血の免疫学的検査法
- 便中のヒトヘモグロビンを検出する
- 食事制限を必要としない
- 化学的検査法より検出感度は高い
- 便の表面をこするように採取する
- 上部より下部の消化管出血の検査に適している
5. 関節液の正常所見
色調 | 無色~淡黄色で透明 |
比重 | 1.008~1.015 |
細胞数 | 200個 / µl未満 |
好中球比率 | 25%未満 |
蛋白濃度 | 3 g / dl以下 |
6. バンクロフト糸状虫や回旋糸状虫などの糸状虫は中間宿主を有する
第1中間宿主 | 第2中間宿主 | 終宿主 | |
バンクロフト糸状虫 | 蚊 | なし | ヒト |
回旋糸状虫 | ブユ | なし | ヒト |
- 回虫・蟯虫・鉤虫・鞭虫は土壌中の成熟虫卵を経口摂取するか感染幼虫による経皮感染により感染する ( 中間宿主なし , ヒトのみに感染 )
7. 致死率が最も高いマラリアは熱帯熱マラリアである
- 熱帯熱マラリアは1個の赤血球に複数の原虫が感染し , 生殖母体が半月状となる特徴がある
8. 染色体分染法-濃染部位
- Cバンド分染法-動原体 ( セントロメア ) 領域
- Gバンド分染法-アデニン-チミン塩基対優位部が濃染する
- Qバンド分染法-アデニン-チミン塩基対優位部が濃染する , 特に Y染色体の長腕末端部分
- Rバンド分染法-グアニン-シトシン塩基対優位部が濃染する ( Gバンド分染法およびQバンド分染法と濃淡が逆転する ) , 不活化X染色体の識別
- NOR分染法-核小体 ( 仁 ) 形成部位を特異的に染色する
9. リボ核酸-働き
- mRNA-リボソームにDNAの情報を伝えるRNA
- rRNA-リボソームを構成しているRNA
- tRNA-アミノ酸を結合してリボソームに運搬するRNA
- hnRNA-スプライシングを受ける前のmRNAの前駆体
- snRNA-真核生物の細胞核内に存在する低分子RNA
10. PCR法において核酸増幅産物の特異性を高める方法としてプライマー濃度を下げることが挙げられる
- 一般的に , サイクル数を増やす , アニーリング温度を下げる , マグネシウム濃度を上げる , DNAポリメラーゼ濃度を上げることは非特異的な核酸増幅産物を生じさせる
11. 疾患-障害される神経
- Alzheimer病-中枢神経
- Creutzfeldt-Jacob病-中枢神経
- Guillain-Barré症候群-末梢神経
- Parkinson病-中枢神経
- Wilson病-中枢神経
12. Turner症候群は染色体検査が診断に有用である
- Turner症候群は性染色体異常 ( Xモノソミー ) である
13. ROC曲線の縦軸は“感度” ( 真陽性率 ) , 横軸は“1-特異度” ( 偽陽性率 ) を示す

画像の出典:第100回 保健師国家試験 午前問34
- 検査Aが最も正確な検査である
14. 自己抗体-関連疾患
- 抗CCP抗体-関節リウマチ
- 抗GAD抗体-Ⅰ型糖尿病
- 抗SS-A抗体-Sjögren症候群など
- 抗サイログロブリン抗体-慢性甲状腺炎
- 抗アセチルコリン受容体抗体-重症筋無力症
15. 分子標的薬投与の決定にERBB2 ( HER2 ) 増幅の検索をおこなうのは乳癌である
- 卵巣癌や前立腺癌ではBRCA1 / 2増幅の検索がおこなわれる
16. 心周期現象の圧曲線模式図

- 大動脈圧曲線は①である
- ②は左室 , ③は右室 , ④は肺動脈 , ⑤は左房である
17. 四肢誘導心電図

- ペーシングリズムである
- Ⅱ誘導以外の誘導のP波の直前とaVF誘導以外の誘導のQRS波の直前にペーシングパルスを認めることから心房と心室にペーシングリードが留置されていると考えられる
18. ホルター心電図
- 双極誘導が用いられる
- ST変化の検出も可能である
- 記録中の行動記録は解析に必要である
- NASA誘導はP波の検出に優れている
- CM5誘導の波形は胸部誘導のV5に類似する
19. 最大呼気曲線

- 慢性閉塞性肺疾患が考えられる
- 一秒量は約1 L , 努力性肺活量は約4 Lである
- おおよその一秒率は ( 一秒量 / 努力性肺活量 ) ×100 より25%程度と考えられ , 重度の閉塞性換気障害が考えられる
- 間質性肺炎 , 胸椎後側弯症 , 筋萎縮性側索硬化症は拘束性換気障害である
20. 血液ガス分析の所見
pH | 7.36 |
PaO2 | 58 Torr |
PaCO2 | 56 Torr |
HCO3- | 31 mEq / L |
- 呼吸不全である
- 腎性代償である
- 肺胞低換気である
- 呼吸性アシドーシスである
- pHが7.35未満をアシデミア , pHが7.45以上をアルカレミアという
- アシドーシスはpHを下げる“病態” , アルカローシスはpHを上げる“病態”のことをいう
- したがって , 上記の所見ではアシドーシスであるがアシデミアではない
画像の出典:臨床検査技師国家試験 第68回 午後 別冊
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