61. 末梢血のフローサイトメトリでリンパ球ゲートをおこない , 抗CD19-PE標識抗体と抗CD3-FITC標識抗体で二重染色解析をおこなった. プロット図を示す.
- T細胞はCD3陽性 ,CD19陰性であるため④の領域に出現する
- B細胞はCD3陰性 , CD19陽性であるため①の領域に出現する
- CD3はT細胞 , CD19はB細胞の代表的なマーカーである
62. ビタミンK欠乏症ではPT延長およびAPTT延長がみられる
- 第Ⅱ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹ因子はビタミンK依存性の凝固因子であるため ,ビタミンK欠乏状態では活性が低下する
- したがって , 進行したビタミンK欠乏症ではプロトロンビン時間 ( PT ) および活性化部分トロンボプラスチン時間 ( APTT ) が延長する
- ビタミンK依存性凝固制御因子 ( プロテインC・プロテインS ) もビタミンK欠乏状態では活性が低下する
63. 溶血性貧血
- 血清LD増加
- 網赤血球数増加
- 血清パプトグロビン低下
- 血清間接ビリルビン増加
- 尿中ウロビリノゲン増加
64. Pappenheimer小体は非ヘム鉄顆粒で構成される
- 鉄芽球性貧血や鉛中毒で出現する
65. 末梢血のWright-Giemsa染色標本
- Pelger-Huet異常が認められる
- 桿状から2分葉までの好中球で円形の核 ,ダンベルやメガネ様の形態を示す
- 後天的に同様の核異常がみられる場合 ( 偽Pelger-Huet異常 ) は骨髄異形成症候群 ( MDS ) が疑われる
66. 急性前骨髄球性白血病はDIC ( 線溶亢進型 ) を合併しやすい
67. 末梢血塗抹標本で好中球の核の過分葉がみられた貧血患者に検査すべき項目はビタミンB12と葉酸である
- 好中球の核の過分葉は巨赤芽球性貧血や骨髄異形成症候群でみられる
68. ウイルスは偏性細胞内寄生体である
- リケッチアやクラミジアも偏性細胞内寄生体である
- ウイルスはDNAあるいはRNAのどちらか一方を有する
69. 消毒用エタノールに対して抵抗性を示すウイルスとしてノロウイルスやロタウイルスがある
- 消毒用エタノールはノンエンベロープウイルスには効果がない
- ノンエンベロープウイルスには次亜塩素酸ナトリウムが有効である
70. 細菌-選択培地
- Bacteroides fragilis-BBE寒天培地
- Clostridium difficile-CCFA寒天培地
- Neisseria gonorrhoeae・Neisseria meningitidis-Thayer-Martin培地
- Pseudomonas aeruginosa-NAC寒天培地
- Salmonella Enteritidis-SS寒天培地
- CIN寒天培地はYersinia属菌の選択培地である
71. Pseudomonas aeruginosaに対して抗菌力を有するのはイミペネムなどのカルバペネム系やフルオロキノロン系 ,アミノグリコシド系などがある
- イミペネム・シプロフロキサシン・アミカシンの3剤すべてに耐性の場合 , 多剤耐性緑膿菌 ( MDRP ) と判定される
72. 作用機序-抗菌薬
- 蛋白合成阻害-アミノグリコシド系
- 細胞壁合成阻害-グリコペプチド系
- 蛋白合成阻害-テトラサイクリン系
- 細胞壁合成阻害-β-ラクタム系
- 核酸合成阻害-キノロン系
73. ニューモシスチス肺炎は日和見感染症である
- ニューモシスチス肺炎はPneumocystis jiroveciiによって引き起こされ ,AIDS患者などの易感染性患者に多い日和見感染症である
74. 急性咽頭炎患者の咽頭粘液を5%ヒツジ血液寒天培地 ( 左 ) とチョコレート寒天培地 ( 右 ) の分画培地に接種し , 35℃で24時間炭酸ガス培養をおこなった培地.
分離菌はグラム陽性球菌 , カタラーゼテスト陰性 , lancefieldのA群抗原陽性であった.
- 急性咽頭炎患者の咽頭粘液培養でグラム陽性球菌 ,カタラーゼテスト陰性 ,Lancefield分類のA群抗原陽性の結果からStreptococcus pyogenesが考えられる
- 血液寒天培地上で強いβ溶血性を示すのもStreptococcus pyogenesの特徴である
- Streptococcus pyogenesは急性咽頭炎の代表的な起炎菌である
75. Legionella pneumophila
- 偏性好気性である
- グラム陰性桿菌である
- 尿中抗原検査で検出できる
- β-ラクタマーゼを産生する
- 5 %ヒツジ血液寒天培地では発育できない
- 血液寒天培地やチョコレート寒天培地では発育できないため ,BCYE寒天培地やWYO寒天培地などの選択培地で培養する必要がある
76. Candida属で仮性菌糸を形成しないのはC.glabrataである
- Candida属で形態学的な特徴があるのはC.albicansであり , 仮性菌糸形成・発芽管形成・厚膜胞子産生の特徴がある
77. プリオン蛋白が病原因子となる疾患としてウシ海綿状脳症やCreutzfeldt-Jacob病がある
- プリオンは伝達性 ( 感染性 ) を持つ異常蛋白質のことである
78. Aspergillus fumigatusの模式図
- 矢印部分は頂嚢である
79. 免疫寛容の破綻が発症原因となる疾患として関節リウマチがある
- 自己免疫疾患は自己抗原に対する免疫寛容の破綻が原因となる
80. 免疫応答
- 一次反応ではIgGはIgMに遅れて出現する
- 二次反応でもIgG ,IgMともに出現する
- 一次反応で記憶B細胞が生じる
- 二次反応は初回と同じ抗原を2回目に投与したとき起きる
- 一次反応より二次反応の方が多くの抗体が産生される
画像の出典:臨床検査技師国家試験 第63回 午前 別冊
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