第70回 ( 2024年 ) 解説 AM1~AM20

臨床検査技師国家試験第70回 ( 2024年 )
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1. Over the counter ( OTC ) 検査で実施されるものに尿蛋白 , 尿中hCGなどがある

  • 日本におけるOTC検査薬は2024年現在 , 尿蛋白 , 尿中hCG , 尿糖 , 排卵日予測検査 ( 尿中黄体形成ホルモン:LH ) , 新型コロナウイルス ( 新型コロナウイルス / インフルエンザ同時 ) 抗原定性検査が承認されている

2. 検査項目−採血管の添加剤

  • PT−クエン酸溶液 ( クエン酸ナトリウム )
  • ALP−添加剤未使用または凝固促進剤 ( 通常は血清で測定 , 血漿で測定する場合の添加剤はヘパリン )
  • 血糖フッ化ナトリウム
  • 血沈クエン酸溶液 ( クエン酸ナトリウム ) 
  • 血小板数−EDTA−2K

3. 精度管理法

  • 精密さは測定値のばらつきの指標である
  • マルチルール管理図法は濃度の異なる2種類の管理試料を用いる
  • 2シグマ法での管理では統計学的に100回に5回外れ値が出現する
  • 管理試料の測定値が期待値の片側に偏在して6〜7点出現した場合をシフト現象という
  • X ( bar ) −R管理図法のRは日内の管理試料の測定値の最大値と最小値の差である

4. 免疫学的便潜血検査

  • 食事制限は不要である
  • 採取後の検体は15〜20℃以下の冷暗所で保存し採取後3日以内に提出する
  • 化学的測定法より検出感度が高い
  • 大腸癌などの下部消化管出血のスクリーニング検査である
  • 便のこすり方は検出率に影響を与える

5. 精液検査

  • 3ヶ月以内に少なくとも2回実施する
  • 検体採取後は1時間以内に人肌程度に保温した状態で運搬する
  • 精子濃度測定は採取後30分以上経過後に精液の液状化を確認してから実施する
  • 運動率の測定は採取後1時間以内におこなう
  • 精子濃度の基準範囲は2000万 / mL以上である

6. 回虫卵 ( 受精卵 ) より大きい虫卵に肝蛭卵やウエステルマン肺吸虫卵などがある

  • 回虫の受精卵は長径50〜70μm , 短径40〜50μmで中等度サイズとされる

7. 寄生虫−中間宿主

表は横にスクロールできます ▶

 1中間宿主2中間宿主終宿主
肝吸虫マメタニシモツゴ・ヒガイヒト・イヌ
単包条虫ヒト・ヒツジ・ウシなしキツネ・イヌ
宮崎肺吸虫ホラアナミジンニナサワガニイタチ・ヒト ( 未成熟虫 )
日本住血吸虫ミヤイリガイなしヒト・ウシ
日本海裂頭条虫ケンミジンコマス・サケヒト
  • 宮崎肺吸虫の中間宿主はサワガニである
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8. 正確度と精密度の確認方法

  • 機種間差の確認−精密度
  • 室内精度の確認−精密度
  • 標準物質の測定正確度
  • 標準法との比較正確度
  • 併行精度の確認−精密度

9. 糞便の性状と疾患

  • 緑色便−緑黄色野菜の過剰摂取
  • 灰白色便−ロタウイルス感染
  • タール便−上部消化管出血
  • 米の研ぎ汁様便−コレラ感染
  • いちごゼリー状便アメーバ赤痢感染

10. 尿沈渣の無染色標本とSternheimer染色標本

  • 赤血球円柱である

11. Addison病

  • 血中ACTH高値
  • 血清カリウム高値
  • 血清ナトリウム−低値
  • 血中コルチゾール−低値
  • 尿中17 KS〈 17-ケトステロイド 〉−低値

12. 胸水の成分

  • ADA高値−結核性胸膜炎など
  • CEA高値−がん性胸水
  • SP-D高値−間質性肺炎など
  • アミラーゼ高値−急性膵炎 , がん性胸水など
  • ヒアルロン酸高値悪性中皮腫

13. ウイルス−疾患

  • サイトメガロウイルス−健常者では無症状 ( 伝染性単核球症様の症状が出ることもある )
  • 単純ヘルペスウイルス−口唇ヘルペス
  • ヒトT細胞性白血病ウイルス1型−成人T細胞白血病 ( リンパ腫 )
  • ヒトパピローマウイルス−子宮頸癌
  • ヒトパルボウイルスB19−伝染性紅斑

14. ビタミン−欠乏症

  • ビタミンA−夜盲症
  • ビタミンB12巨赤芽球性貧血
  • ビタミンC−壊血病
  • ビタミンD−くる病 , 骨軟化症
  • ビタミンE−貧血 ( 溶血性貧血 ) など
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15. 有機リン中毒は血清コリンエステラーゼ活性が低下する

  • 有機リン中毒では極低値 , 肝機能障害では低値となる

16. 心時相

  • 僧帽弁が閉じてから大動脈弁が開くまでの心時相は等容収縮期である
  • 大動脈弁が閉じてから僧帽弁が開くまでの心時相は等容弛緩期である

17. 12誘導心電図

  • Wenckebach型房室ブロックである
  • Wenckebach型房室ブロックはPQ間隔が徐々に延長していき , P波を残してQRS波が脱落する
  • Ⅱ度房室ブロックは2つの型に分類され , Wenckebach型とMobitzⅡ型に分類される
  • MobitzⅡ型房室ブロックはPQ間隔の延長は伴わずP波を残して突然QRS波が脱落する

18. ホルター心電図の誘導部位

  • NASA誘導の陽極はである

19. 肺活量測定機能的残気量測定は残気量を求めるために必要である

  • 残気量=機能的残気量−予備呼気量 で求めることができる

20. 呼吸機能検査の結果とフローボリューム曲線

  • 間質性肺炎が考えられる
  • 残気量の上昇がない全肺気量の低下 , 拡散能障害から拘束性換気障害であることがわかる
  • 拘束性換気障害には間質性肺炎や肺線維症がある

■ 続きの解説は《 こちら

画像の出典:臨床検査技師国家試験 第70回 午前 別冊

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