61. 末梢血検査で赤血球数310万 / μl , ヘモグロビン濃度6.2 g / dL , ヘマトクリット値21.7%を認めた.
- 原因の特定に有用な検査項目はフェリチンである
- ヘモグロビン濃度6.2 g / dl ( 基準値:女性11.2〜15.2 , 男性13.6〜18.3 ) から高度の貧血であることがわかる
- 貧血は小球性 , 正球性 , 大球性に分けられ , 平均赤血球容積 ( MCV ) の値から分類することができる
| MCV ( fL ) | 貧血の分類 | 代表的な貧血 |
| <80 | 小球性 | 鉄欠乏性貧血 |
| 80〜100 | 正球性 | 溶血性貧血 |
| 100< | 大球性 | 巨赤芽球性貧血 |
- 平均赤血球容積:MCV ( fL ) =Ht ( % ) ×10 / RBC ( ×106 / μL )
- 21.7×10 / 3.1=70 fL
- 上記から設問の症例は小球性貧血が考えられ , 鉄欠乏性貧血の確定診断のために体内の貯蔵鉄を反映するフェリチンの検査が必要である
62. APTT延長を認めたため , APTTにてクロスミキシング試験を実施した. 結果を表に示す.

- 診断に有用なのは抗カルジオリピン抗体である
- クロスミキシング試験は正常血漿の添加により凝固時間延長が補正されたか否かを検査している
- 5対5の患者血漿と正常血漿の等量混合でもAPTTの延長がほとんど補正されていない
- 上記に加え2時間後 ( 遅延反応 ) でも同様のパターンであることからループスアンチコアグラント ( LA ) が考えられ , 抗リン脂質抗体症候群を疑って抗カルジオリピン抗体を検査することが診断に有用である
▼ クロスミキシング試験の結果の解釈

| クロスミキシング試験の波形パターン | 考えられる疾患 |
| 抗リン脂質抗体陽性 ( 即時型インヒビター ) パターン | 抗リン脂質抗体症候群 |
| 凝固因子インヒビター陽性 ( 遅延型インヒビター ) パターン | 後天性血友病Aなど |
| 凝固因子欠乏パターン | 先天性血友病A およびBおよびC , 重症肝障害など |
63. 血球形態−疾患
- 標的赤血球−サラセミアなど
- 有核赤血球−骨髄線維症など
- 涙滴赤血球−骨髄線維症など
- 好塩基性斑点−鉛中毒など
- Howell-Jolly小体−摘脾後など
64. 骨髄塗抹標本

- 矢印で示されるのはゴルジ装置である
- この細胞は形質細胞であり , 形質細胞にみられる核周囲の細胞質が他の部分よりも色が薄く明るく見える領域 ( 核周明庭 ) はゴルジ装置に相当する部分である
65. 末梢血普通染色標本を示す. 白血球100個を分類する間に矢印で示す細胞を25個認めた. 同血液の自動血球計数装置で得られた白血球数が8,000 / μlであった場合 ,補正白血球数は6,400 / μlである

- 矢印で示される細胞は有核赤血球であり , 有核赤血球は自動血球係数装置では白血球として誤カウントされることがあるため白血球数を補正する必要がある
- 補正白血球数=自動計数白血球数×100 / ( 100+白血球100個あたりの有核赤血球数 )
- 8,000×100 / ( 100+25 ) =6,400
66. 血液細胞の形態検査
- 正常赤芽球はPAS染色陰性である
- 健常成人骨髄像には全赤芽球中の30〜50%の鉄芽球を認める
- 健常成人骨髄像ではM-E比は1.1〜3.5である
- 前骨髄球はペルオキシダーゼ染色強陽性である
- 単球のエステラーゼはフッ化ナトリウムによって阻害される
67. 活性化プロテインCは第Ⅴ因子と第Ⅷ因子を失活させることでトロンビンの生成を抑制 ( 抗凝固 ) する
- 活性化プロテインCは補酵素としてプロテインSを必要とし , これらはビタミンK依存性凝固制御因子である
68. 消毒薬−水準
- 塩化ベンザルコニウム−低水準
- クロルヘキシジン−低水準
- グルタルアルデヒド−高水準
- 次亜塩素酸ナトリウム−中水準
- ポビドンヨード−中水準
69. 腸内細菌科細菌の定義にグルコースを発酵的に分解することやオキシダーゼ試験が陰性であることなどが挙げられるがPlesiomonas shigelloidesはこの定義から外れる唯一の腸内細菌科細菌である
- Vibrio科とAeromonas科の細菌もグルコースを発酵的に分解し , オキシダーゼ試験が陽性であるが , これらは腸内細菌科細菌ではない
70. 選択分離培地−目的菌
- CCFA培地−Clostridioides difficile
- DHL寒天培地−腸内細菌科細菌
- WYOα寒天培地−Legionella属菌
- Skirrow寒天培地−Campylobacter属菌
- Thayer-Martin培地−Neisseria gonorrhoeae , Neisseria meningitidis
71. 病原体−感染経路
- 水痘−空気感染
- 風疹−飛沫感染 , 接触感染
- インフルエンザ−飛沫感染 , 接触感染
- 流行性耳下腺炎−飛沫感染 , 接触感染
- RSウイルス感染症−飛沫感染 , 接触感染
- このほか , 空気感染する病原体に結核と麻疹がある
72. 鞭毛の有無
- Acinetobacter baumannii−なし ( 運動性− )
- Bacillus anthracis−なし ( 運動性− )
- Campylobacter jejuni−あり ( 運動性+ )
- Klebsiella pneumoniae−なし ( 運動性− )
- Shigella dysenteriae−なし ( 運動性− )
73. 培地−目的
- BTB乳糖寒天培地−Gram陰性桿菌の分離培地
- マンニット食塩培地−Staphylococcus aureusの選択分離培地
- 血液加ブルセラ寒天培地−嫌気性菌の分離培地
- トリプチケースソイ寒天培地−一般細菌全般の分離培地
- ブレインハートインフュージョン寒天培地−栄養要求性の高い一般細菌の分離培地
74. メチシリン耐性黄色ブドウ球菌〈 MRSA 〉の判定に用いられるのはオキサシリン ( MPIPC ) とセフォキシチン ( CFX ) である
- MPIPC ( MIC法 ) ≧4 μg / mLまたはCFX ( MIC法 ) ≧8 μg / mL ( またはCFX ( Disk拡散法 ( KB法 ) ) ≦21 mm )
- 上記に該当する場合MRSAと判定される
75. ウイルスの構造
- 細胞壁やリボソームRNAはもたない
- 核酸を包むタンパク質の殻をカプシドという
- ゲノムとしてDNAかRNAのどちらか一方をもつ
- 感染性を有する完全型ウイルス粒子をビリオンという
- 細胞壁やリボソームRNAをもつのは細菌である
76. 酸素要求性
- Acinetobacter baumannii−偏性好気性
- Escherichia coli−通性嫌気性
- Fusobacterium nucleatum−偏性嫌気性
- Legionella pneumophila−偏性好気性
- Streptococcus agalactiae−通性嫌気性
77. ウイルス−疾患
- ロタウイルス−急性胃腸炎 ( 乳幼児嘔吐下痢症 )
- アデノウイルス−咽頭結膜熱・流行性角結膜炎
- ヒトRSウイルス−急性細気管支炎
- ムンプスウイルス−流行性耳下腺炎
- コクサッキーウイルス−手足口病・ヘルパンギーナ
78. 治療薬物モニタリング〈 TDM 〉が必要な抗菌薬にアミカシン , ゲンタマイシンなどのアミノグリコシド系抗菌薬とバンコマイシンなどのグリコペプチド系抗菌薬がある
| リチウム | 双極性障害治療薬 |
| フェニトイン | 抗てんかん薬 |
| バルプロ酸 | 抗てんかん薬 / 躁状態治療薬 |
| ジゴキシン | 強心剤 / 抗不整脈薬 |
| テオフィリン | 気管支拡張薬 |
| タクロリムス | 免疫抑制剤 |
| シクロスポリン | 免疫抑制剤 |
| バンコマイシン / テイコプラニンなど | グリコペプチド系抗菌薬 |
| ゲンタマイシン / アミカシンなど | アミノグリコシド系抗菌薬 |
| ボリコナゾール | 抗真菌薬 |
79. 免疫グロブリン
- 抗原との結合は水素結合 , イオン結合 , 疎水結合などの非共有結合による
- H鎖の可変部はN末端側に存在する
- L鎖の定常部ドメインは1つからなる
- Fabフラグメントはパパイン処理で得られる
- グロブリンクラスはH鎖のアイソタイプで決定される
80. アレルギー
- 補体による細胞障害が起こる−Ⅱ型アレルギー
- 抗原と感作T細胞の結合で生じる−Ⅳ型アレルギー
- アナフィラキシーショックを起こす−Ⅰ型アレルギー
- 免疫複合体の組織沈着が原因となる−Ⅲ型アレルギー
- 肥満細胞の活性化でヒスタミンが放出される−Ⅰ型アレルギー
画像の出典:臨床検査技師国家試験 第72回 午後 別冊
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