臨床検査技師国家試験の合格率と難易度【 新卒と既卒で比較 】二者の格差とは?

【 勉強法 】
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この記事では新卒と既卒の合格率を比較しながら、実際の臨床検査技師国家試験の難易度をデータを基に解説していきます。

毎年、毎年、今年は難化する ( した ) という噂?のようなものが広まっていますが、実際のところどうなのでしょうか?

はじめに、臨床検査技師国家試験の合格率の推移から見ていきましょう。

新卒者と既卒者の合格率の合計の値です。

第50回から第71回までの臨床検査技師国家試験の合格率推移の棒グラフ
緑膿菌
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全体の合格率は、おおよそ70~80%で横ばいですね。

何気に今年 ( 2025年 ) 実施の試験がここ20年で一番合格率が良かったみたいですね!

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■ 臨床検査技師国家試験の難易度は上がっているのか?

結論からいうと、グラフを見ていただくと分かるとおり臨床検査技師国家試験は全くと言っていいほど難化などしていないです。

国家試験なのでいきなり難化したり、いきなり易化したら、なり手不足などにも繋がるので当たり前ですが、、、( 【 番外編 】として後述しますが、例外?のような医療系国家資格があります )

ただ、上記グラフの2011年の67.8%から2012年の75.4%と、2020年の71.5%から2021年の80.2%の約8ポイントの上昇、2024年から76.8%から2025年の84.6%の約8ポイントの上昇は本当に易化した?のか?何があったのかよくわかりません…当時解いてみた感じもそこまでの差は感じられませんでした ( 繰り返しますが、この8ポイントすらも誤差だと思えてしまうレベルの医療系国家資格があります )

また、「 前の年が合格率がよかったから今年は合格率が下がる… 」

などと言うことも2011年から2015年の5年間合格率が上昇し続けているグラフを見ると「 上がったから下がる 」なんてことはないということも分かるはずです。

”臨床検査技師国家試験は全くと言っていいほど難化などしていない”と言いましたが、国試を不安に感じる受験生の気持ちを軽く見ているつもりはありません。

むしろ、この記事は ( 特に新卒の ) 試験への不安が強い方にこそ見ていただきたいと思いっています。国家試験への不安から精神的に追い詰められてしまう方がいることも知っているからこそ、この記事で示す根拠を見て少し落ち着いていただければと考えています。

実際のデータという事実が示しているから、国試が難化したらどうしようと闇雲に怖がったり過度に不安になる必要はないんだなという事を最終的に理解してもらえたら嬉しいです。

次の項目で説明しますが、新卒に限って言えば近年の合格率は80%以上で90%を超える年もあります。

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■ 新卒と既卒の合格率を比較【 受験生との関わりから見えた人物像も比較 】

では、ここからは新卒と既卒の合格率を比較しながら話を進めていきます。

新卒と既卒の合格率ではどれくらいの差があるのでしょうか。

こちらが、近年の新卒と既卒の合格率です。

第63回から第71回までの臨床検査技師国家試験の新卒と既卒の合格率の比較棒グラフ
緑膿菌
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2021年と2025年の既卒の合格率の上昇はちょっと異常ですね…

 全体の合格率新卒者の合格率既卒者の合格率
63 ( 2017 )78.7%89.9%28.5%
64 ( 2018 )79.3%90.5%29.1%
65 ( 2019 )75.2%86.5%19.4%
66 ( 2020 )71.5%83.1%21.8%
67 ( 2021 )80.2%91.6%41.7%
68 ( 2022 )75.4%86.4%22.4%
69 ( 2023 )77.6%89.5%29.3%
70 ( 2024 )76.8%88.0%26.3%
71 ( 2025 )84.6%94.0%40.4%

新卒は毎年80%以上の合格率をキープしているのに対し、既卒では2021年と2025年以外の年ではすべて30%以下とかなりの差がありますね。

これは皆さん予想通りでしょう。

新卒と既卒それぞれの受験者数と合格者数は以下のようになっています。

表は横にスクロールできます ▶

 新卒受験者数新卒合格者数既卒受験者数既卒合格者数
第63回 ( 2017年 ) 38703481869248
第64回 ( 2018年 )39483572881256
第65回 ( 2019年 )40023462815158
第66回 ( 2020年 )39403273914199
第67回 ( 2021年 )394736141168487
第68回 ( 2022年 )40923537856192
第69回 ( 2023年 )40103589992291
第70回 ( 2024年 )40513565895235
第71回 ( 2025年 )42313976900364

受験者の割合では、直近5年間の全体の平均受験者数が5,028人、うち既卒の直近5年間の平均受験者数が962人なので全体の約19%の受験者が既卒ということが分かります。

緑膿菌
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受験者の19% ( 直近5年間の平均 ) 約5人に1人が既卒って以外に多い!

合格者全体からみた合格者の構成比は以下のようになります。

第67回から第71回までの臨床検査技師国家試験の新卒と既卒の合格者構成比の円グラフ

既卒の合格率はほとんどの年で30%以下なので、合格者構成比でみると悲惨なことになっていますね。

この集団が全体の合格率を下げる一翼を担っている訳ですから ( 失礼 ) 、真の?臨床検査技師国家試験の”難易度”は新卒者の合格率から考えればよいと思います。

つまり、新卒に限定すると10人中8~9人が受かる試験ということなので普通に勉強して ( 主に私大で実施される ) 卒試も突破してきた現役生にとって難しい試験ではないはずです。

「 今年は難化するのでは?絶対そうだ! 」と毎年の噂に振り回されているのは主に現役生ですよね。現役生は当然、本試験を受けたことがないので不安になる気持ちは分かりますが、実際のデータはこんなもので過度に不安になることはないです。

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既卒の合格率はなぜ低い?

そもそも、”既卒”という事はほぼ全員が新卒時に不合格となっている母集団な訳で、その集団の合格率が低いのは当然といえば当然の結果です。

現役時に勉強しなかった、あるいは勉強できない何かがあった人たちが数か月後にはにいきなり勉強できない原因を排除して猛勉強を開始するなんてことの方が珍しい話です。

ここ最近、既卒の再受験の方からご連絡をいただくことが増えたのですが、多くの方が●回目と仰っており、2回目で合格に繋げられるほうが少数派なのかな?という印象を受けます。

ただ、話を聞いていても不合格になる理由は個人差が大きいため、既卒は××だから合格率が低い!とは言えないのが現状です。

不合格になる受験者の傾向についてはこちらの記事で解説しています。

ここ最近で感じた現役生と既卒者の違い

ここからは少し余談なのですが、前述のとおり既卒 ( 再受験 ) の方から勉強の相談?というかアドバイスお願いします的なご連絡をいただくことがしばしばあります。

現役生の方からも同様のご連絡をいただくことがあるのですが、この二者は、うまく言えないのですがメールの文面が違います。

現役生 ⇒ ××だったのですが、どうしたらいいですか?不安です。

的な内容に対して

既卒者 ⇒ ×××で、不合格になりました。現在も○○な状況で~…不安です。

表現が難しいですが、既卒者の方は聞いてもいない ( むしろそちらからご連絡いただいている訳でして ) ことを言い訳の様につらつらと書いていただくことが多いんですよね。

「 私は××で●回不合格になったのですが、知り合いで●回落ちた方はいますか? 」とか…

緑膿菌
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そんな事を聞いてどうする…!?

××で不合格になりましたの部分も「 え?それって理由になる?後付けでは? 」と思うこともしばしばあります。つまり、不合格に繋がったと思われる原因を客観的に分析できていないということです。

全員が全員そうであるという訳ではないですが、なんというか自分のことなのに”他人事”のような、フワフワした感じを受けます。自分自身を遠くから眺めているような?やり取りをしていても結局は何が聞きたいのか、何が言いたいのか分からないという事がしばしばあります。自分の現状に共感をしてもらって一時の安心感?を得たいだけのような印象を受けます。

このような既卒の方との繋がりや関わりからも、既卒の合格率が低い ( 多浪になりやすい ) のも少し頷けてしまいます。悲しい事ですが。ただ、こんなことは言っても国家試験のことを発信している身なので、再受験生からのご連絡にも真剣にアドバイス、勉強法などは惜しみなくお伝えさせてもらっています。

一方で現役生の方は、内容自体は同じ「 どうしたらいいですか? 」的な文面だったとしても、”自分事”で現状を整理して、これからに繋げるぞという意気込み ( すぐ実践します感 ) が感じられます。また、現役生の方はやり取りをしていても、素直な印象を受けます。既卒の方とやり取りをするときに感じるフワフワ感?というかモヤモヤ感?は感じません。

現役生は既卒の方と同じように自身の現状をお話していただいても、現状を受け入れてそこから奮起するバイタリティのようなものを感じます。

第68回の受験生の話なのですが、年明けの模試が90点いかないくらいで、この方ちょっと危ないなぁと感じるような方 ( 現役生 ) がいたのですが、春に「 合格できました 」とご連絡をいただいた時には、現役生の伸び率の凄さを感じました。

ご本人が少ない残り時間から逆算して猛勉強したという事実ががそのまま結果として反映されただけのことなのですが、1月に80点台から2カ月せずに本試験120点以上というのはそれだけ”自分事”として本気で勉強に向き合ってきた ( 勉強した ) 証拠です。

これと同じく、既卒の方が●回不合格になるのも勉強してこなかった ( あるいは勉強法が間違っている ) 証拠としか言いようがないのです。

このような受験生 ( 現役・既卒含め ) の方との関わりから思うことは、本当に合格したい既卒の方は現状を”自分事”として捉えて実践 ( 暗記 ) あるのみだということです。

極論、試験なんかと言ったらアレですが、勉強をしたか、していないかの違いがそのまま極めて現実的な結果として点数化されて120点以上あれば合格 or 120点以下なら不合格と振り分けされているだけの話なんですよね。

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■ 【 番外編 】診療放射線技師国家試験と比較してみた

他の医療系の国家試験を例に出すと、主にレントゲン撮影をおこなう診療放射線技師国家試験の合格率はこんな感じです。

第56回から第77回までの診療放射線技師国家試験の合格率推移の棒グラフ
緑膿菌
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ジェットコースターかな?

どうですか?このガタガタなグラフ…

年によっては1年違うだけで20ポイント近くの落差がありますよね… ( 何があったのでしょう…? )

このレベルで合格率が変わるなら、毎年難化騒ぎが起きたり「 今年は難化するかも…どうしよう… 」と過度に怯えるのも理解できます。

診療放射線技師国家試験と臨床検査技師国家試験の合格率を比較すると、臨床検査技師国家試験の合格率がいかに安定?しているかがお分かりいただけると思います。

ちなみに、診療放射線技師も臨床検査技師と同じく養成学校を卒業 ( 卒業見込みを含む ) した者のみ受験資格があるので、冷やかし受験が多いといったこともないです。問題数も200問、120点以上で合格と臨床検査技師国家試験と同じです。

むしろ、臨床検査技師国家試験は指定の科目を履修した薬学部・獣医学部の卒業生や医師・歯科医師にも受験資格があるため、微々たる影響ですが、診療放射線技師国家試験よりも合格率が揺らぐ要因を抱えているはずです。

それにしても、診療放射線技師国家試験は今年 ( 2025年 ) で第77回!!長い歴史があるようですね!

余談ですが、管理人が通っていた大学 ( 私立 ) にも診療放射線技師を養成する学科があったのですが、国試前の足切りが強烈に酷かったことを記憶しています。このグラフを作ってみて今さら理解できました…。( 足切りは悪しき風習で反対という意見に変わりありませんが )

■ まとめ

データが示すように、臨床検査技師国家試験は近年において難化などしておらず、毎年の合格率の上下に不安を感じる必要は全くありません。

「 なんか周りがそう言ってるから、今年は難化するんじゃね?」

実際のところ本当にそうなのか?そんなに毎年毎年、難化 or 易化するようなものなのか?

データを見て自分で考えてみて下さい。何事にも言えることですが、みんなが噂しているからとか誰々がそう言っているからと流されずに自分で根拠を考えて情報が溢れている時代だからこそ、それを取捨選択していくことが大事です。

現役も既卒もどれだけ勉強をやってきたか、やってこなかったかの違いが合格 or 不合格の結果として毎年発表されているだけです。

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しっかり身になる方法で勉強した ( 勉強している ) という事実だけが数か月後の自分を守ってくれます。

こちらは勉強のやり方やロードマップはいくらでもお伝えできるのですが、合格のためには辛くても嫌でも最終的には自分で暗記してもらうしかないんですよね。

♦ まとめ記事はこちら

♦ 過去問周回サイトはこちら

■ 出典

臨床検査技師国家試験・診療放射線技師国家試験ともに合格率はすべて厚生労働省発表の数値です。

♦ 厚生労働省の外部リンク

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