第69回 ( 2023年 ) 解説 AM81~AM100

臨床検査技師国家試験第69回 ( 2023年 )
スポンサーリンク

81. 間接 ( 受身 ) 凝集反応で検出するものにHBs抗体 , HCV抗体 , HTLV-1抗体 , マイコプラズマ抗体などがある

  • Donath-Landsteiner抗体は溶解反応で検出し , 発作性寒冷ヘモグロビン尿症 ( PCH ) で陽性となる

82. 間接蛍光抗体法による抗核抗体検査所見

  • この所見 ( セントロメア型 ) から考えられるのはCREST症候群である

83. 疾患−自己抗体

  • 重症筋無力症−抗アセチルコリンレセプター抗体
  • 慢性甲状腺炎−抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体・抗サイログロブリン抗体
  • Goodpasture症候群−抗基底膜抗体
  • 原発性胆汁性胆管炎−抗ミトコンドリア抗体
  • 特発性血小板減少性紫斑病−抗血小板抗体

84. 抗体を精製する方法として塩析・ゲル濾過・イオン交換クロマトグラフィ・アフィニティカラムクロマトグラフィなどがある

  • 塩化セシウム密度勾配遠心分離法はDNAの分離に用いられる

85. 受血者と供血者の血液型を示す.

  • 輸血をおこなった場合 , 受血者が産生する可能性のある不規則抗体は抗C , 抗Jkb , 抗Fy, 抗Diaである
  • 受血者が保有しない抗原を供血者が保有していた場合に不規則抗体が産生される可能性がある

86. 緊急輸血が必要な患者が搬送され , 血液型が確定できない状況下で使用する輸血用血液製剤として赤血球製剤はO型RhD陽性 ( RhD陰性者の頻度は0.5%であるため緊急時はO型RhD陽性血でも可 ) , 血漿製剤はAB型製剤が望ましい

  • 緊急輸血時の赤血球製剤はA抗原およびB抗原を保有しないO型を , 血漿製剤および血小板製剤は抗A抗体および抗B抗体を保有しないAB型を輸血する

87. 輸血検査の内部精度管理で確認する必要がある項目として検査室室温 , 検査室湿度 , 恒温槽の温度 , 判定用遠心機の回転数などがある

  • 室温が低いと寒冷凝集素の影響を受ける可能性がある
  • 湿度が低いとスライド法実施の際に乾燥して判定に影響が出る可能性がある
  • 恒温槽の温度は不規則抗体検査や交差適合試験の反応条件として明記がある
  • 遠心条件は凝集反応に影響がある
    • 検査室の気圧は確認する必要性が低い
スポンサーリンク

88. ABO血液型

  • ABO血液型はLandsteinerの法則に従う
  • ABO遺伝子は第9染色体長腕に存在する
  • 新生児や乳児のABO血液型抗原量は少ない
  • 抗Aおよび抗B抗体は生後3〜6ヶ月ごろから産生されるが2歳くらいまで検出できない事例もある
  • 獲得性BはA抗原が後天的に変化したものである
    • 獲得性 ( 後天性 ) Bは細菌感染によりA抗原がB抗原に変化し , オモテ検査でAB型様の反応を示す

89. サイトカイン−産生細胞

  • インターロイキン2−Th1細胞
  • インターロイキン4−Th2細胞
  • インターロイキン10−Th2細胞・マクロファージ
  • インターロイキン12−マクロファージ
  • インターフェロンγ−Th1細胞・NK細胞

90. 特定原材料として食品への表示が義務付けられているものは小麦・乳・えび・かに・落花生・そば・くるみの8品目である

  • くるみは2023年3月に追加された

91. 入院

  • 急速を要し患者本人にも家族にも同意が得られない場合の入院−応急入院
  • 自傷他害の恐れがある場合の入院 ( 入院の同意不要 ) −措置入院
  • 患者本人の同意を得た入院−任意入院
  • 患者本人の同意が得られない場合でも家族の同意が得られた場合の入院−医療保護入院
  • 自傷他害の恐れがある場合で急速な入院が必要な場合の入院 ( 入院の同意不要 ) −緊急措置入院
    • 統合失調症で入院が必要と診断されたが , 本人が入院を拒んだため , 父親の同意によって入院させた場合 → 医療保護入院

92. 実施機関

  • 医療計画の策定−都道府県
  • 乳幼児健康診査−市町村保健センター
  • 障害者手帳の交付−都道府県知事・指定都市および中核市の市長
  • 医療機関への立入検査−保健所
  • 食中毒発生時の原因調査−保健所

93. 公的医療保険の給付対象に含まれるものに禁煙治療・人工透析・帝王切開・訪問看護などがある

  • 予防接種や健康診断は含まれない

94. 水道水質基準・環境基準

  • ヒ素−環境基準において基準値以下であること
  • フッ素−環境基準において基準値以下であること
  • 大腸菌−水道水質基準において検出されないこと
  • アルキル水銀−環境基準において検出されないこと
  • シアン化合物−環境基準において検出されないこと
スポンサーリンク

95. 100Ωの負荷につながれた装置の消費電力が100Wであった. この装置の負荷を200Ωに変えたときの消費電力は50 Wである

  • 抵抗の負荷が100Ωから200Ωへ2倍になるため , 流れる電流は1 / 2になる
  • 消費電力 ( W ) =電圧 ( V ) ×電流 ( A ) であるから消費電力も1 / 2の50 Wになる

96. 医用電気機器のクラス別分類

  • クラスI機器の追加保護手段は保護接地である
  • クラスI機器とはアースを持つ ( 3Pプラグ ) 機器のことである
  • クラスII機器の追加保護手段は補強絶縁である
  • クラスII機器は2Pプラグで使用することができる
  • 内部電源機器は外部電源と接続できるが接続している間はクラスIまたはクラスII機器と同等でなければならない

97. ファイル形式

  • CSV−カンマ区切りのテキストファイル
  • FLV−動画ファイル
  • JPEG−静止画のファイル拡張子
  • MP3−音声ファイル
  • TIFF−静止画のファイル拡張子

98. 医療情報システムで保健医療情報交換の標準規格はHL7である

  • DICOM−医用画像関連について定めた国際標準規格
  • ICD11−国際疾病分類の第11版
  • JLAC10 / 11−日本の臨床検査項目の分類コード
  • PACS−医療用画像管理システム

99. 37℃の媒質中における音速[ m / s ]

  • 空気:350
  • 脂肪:1,500
  • 水:1,480
  • 血液:1,570
  • 頭蓋骨:4,080

100. トランスデューサ

  • サーミスタ−温度変化に対して電気抵抗が変化する
  • ストレインゲージ−歪みにより電気抵抗が変化する
  • 熱電対−温度を起電力に変換する
  • フォトダイオード−光を起電力に変換する
  • ホール素子−磁場を起電力に変換する

■ 続きの解説は《 こちら

画像の出典:臨床検査技師国家試験 第69回 午前 別冊

タイトルとURLをコピーしました