第65回 ( 2019年 ) 解説 PM21~PM40

臨床検査技師国家試験第65回 ( 2019年 )
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21. フローボリューム曲線

第65回午後問21画像
  • Cは拘束性換気障害を示しており , 肺線維症にみられるパターンである
  • Aは健常者 , Bは閉塞性換気障害 ( 気管支喘息 ) , Dは閉塞性換気障害 ( COPD ) , Eは上気道狭窄のフローボリューム曲線である

22. 1500 m / sは生体内の平均的な音速に近い

  • 生体内の臓器における超音波の伝播速度は水=1,520 m / s , 脂肪=1,476 m / s , 筋肉=1.540 m / sである

23. 健常成人の超音波検査で得られた腹部のBモード像

第65回午後問23画像
  • 矢印で示されるのは左肋間走査で描出された腎臓である
  • 腎臓は輪郭を形成する低エコーの腎実質と中心部の高エコーを呈する部位に大別される

24. 健常女性の骨盤腔超音波検査で最も背側に観察されるのは直腸である

  • 骨盤内の超音波検査は膀胱充満法を用いておこなう

25. 超音波検査で体表からの観察に用いる周波数

  • 乳腺-7.0~12.0 MHz ( 周波数が高い )
  • 心臓-2.0~7.5 MHz ( 周波数が低い )
  • 肝臓-3.5~7.0 MHz
  • 膵臓-3.5~7.0 MHz
  • 膀胱-3.5~7.0 MHz

26. 甲状腺右葉の超音波Bモード像 ( a ) 及びパワードプラ像 ( b )

第65回午後問26画像
  • Bモード像より甲状腺の腫大と内部エコーの不均質が認められ , パワードプラ像より著明な血流増加が認められるためBasedow病が考えられる

27. 単純糖尿病網膜症にみられる所見として白斑・点状出血・限局性浮腫・網膜血管瘤などがある

  • 新生血管がみられる場合は増殖糖尿病網膜症に分類される
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28. 針筋電図検査の対象となる疾患は筋萎縮・筋力低下・過剰筋収縮・高CK血症などである

  • ミオクローヌスはてんかん発作の症候の1つである

29. 血清遊離脂肪酸はインスリン投与により脂肪分解が抑制され , 低下する

  • 血清遊離脂肪酸は日内変動があり , 昼間や食後は低下し , 夜間や空腹時は上昇する
  • 血清遊離脂肪酸はヘパリン静注やステロイド療法で上昇する

30. スフィンゴミエリンはスフィンゴリン脂質である

  • グリセロリン脂質にはレシチン・リゾレシチン・セファリン・ホスファチジルセリンなどがある

31. 脂質異常症のWHO分類-原因

  • Ⅰ ( カイロミクロン増加 ) -LPL欠損・アポCⅡ欠損
  • Ⅱ ( ⅡaはLDL , ⅡbはLDLとVLDLの増加 ) -LDL受容体異常
  • ( IDL増加 ) -アポリポ蛋白E異常
  • Ⅳ ( VLDL増加 ) -原因不明
  • Ⅴ ( カイロミクロンとVLDLの増加 ) -LPL欠損

32. 日本臨床化学会 < JSCC > 勧告法による血清CK活性測定において , 反応液中のD-グルコースが1分間あたり0.9 mg反応した. この血清のCK活性 [ U / L ] はどれか. ただし , D-グルコースの分子量180 , 血清量10μL , 試薬量290μLとする.

  • 反応液量が記載されておらず , 反応液量を300μLであると仮定しても選択肢に正答がない不適問題である

33. 血清総蛋白 ( 基準値:6.5~8.2 g / dl ) およびアルブミン ( 基準値:3.7~5.5 g / dl ) が低値を示し , 尿蛋白が高度陽性の検査結果から考えられる疾患は腎糸球体の障害により蛋白が漏出するネフローゼ症候群である

  • ネフローゼ症候群では尿蛋白3.5 g / 日以上 , 血清総蛋白6.0 g / 日以下 , 血清アルブミン値が3.0 g / dl以下の所見がみられる
  • 尿沈渣において卵円形脂肪体が高率に認められる

34. ランベルト・ベールの法則から酵素の国際単位の算出には血清量・最終液量・モル吸光係数・1分間の吸光度変化量が必要となる

  • 測定波長は酵素の国際単位の算出には必要ない
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35. 分光光度法において共存物質の影響試験の対象となるのは , 検体における有色物質であるヘモグロビンやビリルビンの濁りによる影響 , 目的成分以外の干渉物質がその定量反応を妨害する ( 過酸化水素・ペルオキシダーゼ系呈色反応における ) アスコルビン酸の影響がある

36. 尿酸の酵素法試薬に含まれているのはウリカーゼペルオキシダーゼである

  • ウレアーゼは尿素測定に用いられ , キサンチンは尿酸の前駆物質の酸化生成物 , アラントインは尿酸とウリカーゼが作用して生じる物質である

37. 日本臨床化学会 < JSCC > 勧告法で吸光度の減少から活性値を求めるのはASTコリンエステラーゼである

  • CKはNADPHの増加 , LDはNADHの増加 , アミラーゼはp-ニトロフェノールの遊離による吸光度の増加を測定する

38. ビタミン-溶性

  • カルシフェロール ( ビタミンD ) -脂溶性
  • トコフェロール ( ビタミンE ) -脂溶性
  • メナキノン ( ビタミンK ) -脂溶性
  • リボフラビン ( ビタミンB2 ) -水溶性
  • レチノール ( ビタミンA ) -脂溶性

39. 骨格筋 , 脳 , 腎臓などでアンモニアが結合して生成するのはグルタミンである

  • アンモニアは主に肝臓で尿素サイクルにより尿素に変換されて腎臓から排泄される

40. 骨代謝マーカー

  • オステオカルシン < OC >骨形成マーカー
  • デオキシピリジノリン < DPD > -骨吸収マーカー
  • 骨型アルカリホスファターゼ < BAP >骨形成マーカー
  • Ⅰ型コラーゲン架橋N-テロペプチド < NTX > -骨吸収マーカー
  • 酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ活性 < TRAcP-5b > -骨吸収マーカー

画像の出典:臨床検査技師国家試験 第65回 午後 別冊

■ 続きの解説は《 こちら

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