第65回 ( 2019年 ) 解説 PM41~PM60

臨床検査技師国家試験第65回 ( 2019年 )
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41. 中枢性尿崩症や心因性多飲症ではバソプレシンが低下する

  • 脱水症・肝硬変症・腎性尿崩症・ADH不適合分泌症候群 < SIADH > ではバソプレシンが上昇する

42. 成長ホルモンは低栄養状態で脂肪分解や蛋白質合成の促進 , 血糖維持のため上昇し高値となる

  • 低栄養状態においてアルブミンやコリンエステラーゼは肝臓での蛋白合成が低下するため , 低値となり , 遊離トリヨードサイロニン ( FT3 ) は代謝を下げるために低値となる
  • レプチンは高栄養状態で高値となる

43. ホルモン-分類

  • サイロキシン-アミノ酸誘導体ホルモン
  • 成長ホルモン-ペプチドホルモン
  • プロラクチン-ペプチドホルモン
  • 黄体形成ホルモン糖タンパク質ホルモン
  • 甲状腺刺激ホルモン糖タンパク質ホルモン

44. 原発性アルドステロン症では血漿レニン活性が低値を示す

  • 腎血管性高血圧症・ネフローゼ症候群・Addison病・脱水・利尿薬服用では血漿レニン活性は高値となる

45. 乳癌の分子標的薬投与の決定にはHER2を用いる

  • HER2は細胞膜に発現する蛋白物質である

46. 透過型電子顕微鏡標本作製法と試薬の組み合わせ

  • 固定-グルタルアルデヒドで前固定 , オスミウム酸で後固定
  • 脱水エタノール
  • 置換-酸化プロピレン
  • 包埋-エポキシ樹脂
  • 電子染色-酢酸ウラン溶液 , クエン酸鉛溶液

47. 細胞学的検査法で乾燥固定をおこなう染色法としてGiemsa染色ペルオキシダーゼ染色などがある

  • Giemsa染色標本は湿固定のPapanicolaou染色標本と比較して細胞が大きく見える
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48. ホルマリン

  • 発がん性がある
  • 遮光して保存する
  • 毒物及び劇物取締法の医薬用外劇物である
  • 酸化によりギ酸を生じる
  • ホルマリン原液のpHは酸性 ( pH2.8~5.0 ) である
    • ホルマリンは特定化学物質第2類物質にも該当する

49. 間質性肺炎の原因として薬剤 , 膠原病 , 放射線照射 , ウイルス感染などが挙げられる

  • 肺動脈血栓塞栓症などの肺塞栓症が肺間質の線維化を伴うことは通常はない

50. 左心不全症例の肺の特殊染色標本

第65回午後問50画像
  • Berlin blue染色である
  • 血流の逆流停滞によりうっ血や肺出血が起こるとマクロファージが赤血球を貪食してヘモジデリンが細胞内に蓄積し , これがBerlin blue染色で青色となる

51. 喀痰細胞診のPapanicolaou染色標本

第65回午後問51画像
  • 出現している細胞は肺胞組織球である
  • 肺胞組織球の出現は喀痰が深部より喀出されたものであることの指標となる

52. 病理解剖において臨床検査技師が実施できるものとして開頭 , 皮膚の縫合 , 臓器重量の測定 , 細菌培養検体の採取などがある

  • 遺族への剖検所見の説明や病理解剖の承諾取得 , 病理解剖報告書の作成は医師がおこなう

53. ブアン < Bouin > 液はホルムアルデヒド , ピクリン酸 , 酢酸を混合した固定液である

  • ブアン < Bouin > 液のほかにピクリン酸を含む固定液にザンボーニ < Zamboni > 液がある

54. がん遺伝子

  • がん遺伝子はがん発生に促進的に働く遺伝子で , RASHER2RETc-mycなどが知られている
  • APCBRCA1RBp53 ( TP53 ) はがん抑制遺伝子である
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55. 脂質の染色法としてNile bule染色 , oil red O染色 , Sudan black B染色 , Sudan Ⅲ染色などがある

  • Congo red染色はアミロイドに対する一般的な染色であり , 脂質の染色法ではない

56. 肉芽腫性炎には結核 ( 原因菌:Mycobacterium tuberculosis ) やHansen病 ( 原因菌:Mycobacterium leprae ) などの病原菌によるものやサルコイドーシスがある

  • サルコイドーシスやクローン < Crohn > 病は非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を形成し , 結核やHansen病は乾酪壊死を伴う乾酪性類上皮細胞肉芽腫を形成する

57. 病理組織標本の偏光顕微鏡観察が有用なのはアミロイドケイ酸結晶である

  • 尿沈渣の観察においての卵円形脂肪体 ( マルタ十字 ) や尿酸結晶も偏光顕微鏡観察が有効である

58. 圧挫法は小組織片をスライドガラス2枚で押しつぶして塗抹標本を作製する方法であり , 集細胞法ではない

  • 液状検体の細胞診検体処理法として遠心沈殿法・フィルター法・自動細胞収集法・セルブロック法などの集細胞法がある

59. 伝染性単核球症でみられる異型リンパ球はEBウイルスに感染したBリンパ球に対する細胞性免疫反応により活性化したT細胞がその本態である

  • EBウイルスはヘルペスウイルス科のDNAウイルスである

60. 血小板無力症ではADP血小板凝集能が低下する

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 ADP一次ADP二次コラーゲンリストセチン血小板数
von Willebrand正常正常正常正常
Bernard-Soulier症候群正常正常正常
血小板無力症正常正常
Strage pool正常正常正常
アスピリン投与中正常正常

画像の出典:臨床検査技師国家試験 第65回 午後 別冊

■ 続きの解説は《 こちら

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