81. 赤血球製剤の輸血で急性溶血反応 ( ABO不適合輸血 ) を起こさない組み合わせ
- 患者A型-供血者A型 or O型
- 患者B型-供血者B型 or O型
- 患者AB型-供血者A型 or B型 or O型
- 患者O型-供血者O型
82. 補体成分の作用
- 好中球を遊走させるのはC5aである
- 好中球の貪食を促進するのはC3bである
- C3a・C4a・C5aは好塩基球や肥満細胞のレセプターと結合して脱顆粒を起こす
- アナフィラトキシンとしての活性があるのはC3a・C4a・C5aである
- Bリンパ球の抗体産生を亢進させるのはC3dである
83. 日本人ではB亜型 ( Bmなど ) が最も多い
- 腸内細菌によりA抗原の糖鎖抗原が変化したものを後天性Bという
- cis AB型は1つの染色体にAとBの遺伝子が存在する亜型である
84. 溶血性輸血副反応の原因となる不規則抗体として抗Eや抗Jkaがある
85. カラム凝集法の結果
- 不規則抗体保有患者であることが考えられる
- オモテ・ウラ不一致となっており , オモテ・ウラ不一致となる原因として不規則抗体の保有 ( 血清側の原因 ) やABO亜型 ( 血球側の原因 ) が考えられる
- Ax型は抗A抗体と陰性反応を示す
表は横にスクロールできます ▶
技術的な要因 | オモテ検査 ( 血球側の原因 ) | ウラ検査 ( 血清側の原因 ) | |
偽陽性 | 洗浄不十分な試験管などの使用 検査試薬の汚染 血球と血清の最適比のズレ 判定時の遠心が強すぎる など | 汎血球凝集反応 直接抗グロブリン試験陽性 後天性B など | 高γ-グロブリン血症 不規則抗体 寒冷凝集素 など |
偽陰性 | 判定時の溶血反応の見逃し 血球と血清の抗原抗体複合物の加温 血球と血清の最適比のズレ 判定時の遠心が弱すぎる など | BmなどのABO亜型 白血病などによる抗原の減弱 など | 無 ( 低 ) γ-グロブリン血症 抗体価が著しく低下した高齢者 新生児 など |
86. 腫瘍マーカー-腫瘍
- CYFRA-肺扁平上皮癌
- hCG-絨毛癌
- NSE-肺小細胞癌
- PIVKA-Ⅱ-肝細胞癌
- ProGRP-肺小細胞癌
87. 発作性寒冷ヘモグロビン尿症 ( PCH ) でみられる検査所見としてP血液型のP抗原陽性・直接抗グロブリン試験陽性・Donath-Landsteiner反応 ( 二相性抗体 ) 陽性・血清補体価 ( CH50 ) の低下などがある
- Ham試験が陽性となるのは発作性夜間ヘモグロビン尿症 ( PNH ) である
88. モノクローナル抗体
- IgMクラスの抗体も産生できる
- リンパ球サブセットの解析に用いる
- 単一のエピトープに対する抗体である
- Bリンパ球と骨髄腫細胞由来のミエローマ細胞を融合 ( ハイブリドーマ ) させて抗体を産生させる
- 沈降反応では目的に応じてポリクローナル抗体とモノクローナル抗体が用いられる
89. 抗HLA抗体が原因となるものに血小板輸血不応や臓器移植後の急性拒絶反応がある
- 輸血後GVHDではドナーのリンパ球が原因となる
- 遅発性溶血性輸血副作用は2度目以降の輸血により感作され増加したIgG 同種抗体が原因となる事がほとんどである
- 輸血関連循環過負荷 ( TACO ) は輸血時の量的な負荷や速度的な負荷が原因となり呼吸困難をきたす
90. 職場の受動喫煙防止対策の推進を規定しているのは健康増進法と労働安全衛生法である
91. 法律-規定している項目
- 母子保健法-母子健康手帳の交付
- 労働基準法-産前・産後の就業制限
- 食品表示法-食品のアレルギー表示
- 麻薬及び向精神薬取締法-麻薬中毒者の治療
- 医薬品医療機器等法-毒薬・劇薬の表示
92. 検疫感染症にはペスト ( 1類感染症 ) ・エボラ出血熱 ( 1類感染症 ) ・デング熱 ( 4類感染症 ) ・マラリア ( 4類感染症 ) などがある
- いずれも日本には病原体が常在しない感染症である
- コレラは2007年に3類感染症に分類されたことをきっかけに検疫感染症から除外された
93. 保健所に仕出し弁当の食中毒発生の通報があった. 喫食調査の結果を以下に示す.
- 原因として最も考えられるのは野菜である
- オッズ比= ( 症状ありでかつ摂取あり×症状なしでかつ摂取なし ) / ( 症状ありでかつ摂取なし×症状なしでかつ摂取あり )
- 野菜のオッズ比=( 85×50 ) / ( 15×10 ) であり , 他の食品よりも大きい
94. 統計指標
- 死産率は出産数1000対の率である
- 平均寿命とは0歳における平均余命である
- 乳児死亡率は地域の保健・医療の水準を反映する
- 総再生産率は1人の女性が一生の間に生む平均女児数である
- 周産期死亡は妊娠満22週以降の死産と生後1週未満の早期新生児死亡との合計である
この問題 [ 第66回 午後 問94 ] は [ 第48回 午後 問1 ] と選択肢の順番が違うだけで全く同じです!
95. 生体信号をデジタル記録する場合 , 最も高いサンプリング周波数が必要となるのは筋電図である
- サンプリング周波数が大きい順に 筋電図 > 心音図 > 心電図 > 脳波 > 脈波 となる
96. 100 kHzの交流電流が体表の2か所に張り付けた電極間に流れたとき , およその最小感知電流は100 mAである
- 人体における電撃に対する反応は約1 kHzを超えると1 kHzの倍数分に比例して閾値が上がる周波数依存性がある
- 1 kHz未満の最小感知電流は1 mA程度であるため , 100 kHzの電流が流れた場合の最小感知電流は100倍の100 mAとなる
97. 医療機器関連図記号
- 1. 保護接地 ( アース )
- 2. 注意
- 3. BF形装着部
- 4. CF形装着部
- 5. クラスⅡ機器
98. コンピュータの入出力インターフェースの規格にUSB・RS232C・IDEなどがある
- USBはマウスやフラッシュメモリなどの接続に用いられる
99. 医療情報システムで病名コードとして用いられるのはICD10である
- HL7は保健医療情報交換のための標準規格である
- DICOMは医用画像関連の情報交換規格である
- JLAC10は臨床検査項目の分類コードである
- MEDLINEは医学を中心とした文献情報を収集したデータベースである
100. 重力加速度を9.8 m / s2とし , 回転半径20 cmの遠心器を3000 rpmで運用するとき , およその比較遠心力は2000となる
- 比較遠心力は遠心加速度を重力加速度で割ったものから算出される
- 遠心加速度はrw2 [ r=回転半径 ( m ) , w=回転角速度 ] であり , w=2πN ( N=回転数 ) / 60で表される
- したがって , 比較遠心力は
r× ( 2πN / 60 )2 / 9.8=0.2× ( 2π×3000 / 60 )2 / 9.8=2012.2
となる
画像の出典:臨床検査技師国家試験 第66回 午後 別冊
第67回 ( 2021年 ) の解説はこちら!